義母が「生前贈与の方がお得だから」といって子どもにお金を渡そうとしています。生前贈与ってそもそもお得なんですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月20日 1時40分
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終活のひとつとして「生前贈与」に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、生前贈与の具体的な効果について知っている方は少ないかもしれません。 今回は、生前贈与の効果と主なメリットについて解説します。
生前贈与は税金対策の効果がある
結論として、生前贈与を行う目的の大半は「税金対策」です。生前贈与を上手に活用すれば、節税効果が得られます。
通常、当人が亡くなった後の財産を親族が受け継ぐ場合には「相続税」がかかります。国税庁によると、相続税がかかる財産は現金だけでなく、土地や家屋、株式など有価証券も対象です。生前贈与を行えば、相続税の課税対象を減らせるのです。
贈与税は年間110万円までの贈与なら非課税
生前贈与には「贈与税」がかかります。
国税庁によると、贈与税は年間控除額である110万円までの贈与であれば非課税となります。相続税の場合は遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に課税されますが、生前贈与であれば毎年110万円まで非課税としてお金を引き継ぐことが可能です。
生前贈与を行う目的は、最終的な相続額から課税対象を減らすことにあります。
例えば、自身の資産4000万円を、子ども1人に引き継ぐケースで考えてみましょう。
国税庁によると、相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」であるため、生前贈与をしなかった場合、「4000万円-(3000万円+600万円×1人)」となり、基礎控除額を除いた400万円に相続税がかかります。
一方、生前贈与で毎年100万円ずつ5年間贈与をした場合、相続財産は残り3500万円となり基礎控除額を超えないため、相続税はかかりません。
ただし、生前贈与であっても、贈与後一定期間内に相続が発生した場合は、贈与ではなく相続とみなされ、相続税の課税価格にその財産の贈与時の価格が加算されます。国税庁によると、具体的な被相続人の相続開始日に応じた加算対象期間は表1の通りです。
表1
被相続人の相続開始日 | 加算対象期間 |
---|---|
~令和8年12月31日まで | 相続開始前3年以内 |
令和9年1月1日~令和12年12月31日 | 令和6年1月1日~死亡の日までの間 |
令和13年1月1日~ | 相続開始前7年以内 |
※国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」を基に筆者作成
また、毎年一定額の贈与が数年間にわたって発生する場合など、贈与者との契約内容によっては年間110万円以下の贈与であっても贈与税が発生するケースもあるため注意しましょう。
生前贈与のポイント
ここからは、相続税対策として生前贈与を行う場合のポイントや注意点を解説します。生前贈与は、家族にできるだけ多くの財産を残すために有効な方法ですが、活用する際は以下の点にご注意ください。
早めに取り組む
前述したように、贈与後一定期間内に相続が発生した場合、対象期間の贈与は相続とみなされます。生前贈与における基礎控除額は決まっており、非課税にできるのは年間で110万円までです。相続したい金額が多いほど年数がかかるため、早いうちから生前贈与に取り組み始めることをおすすめします。
現金での受け渡しは避ける
生前贈与を行う際は、贈与契約書を交わしたうえで、銀行口座を使って証拠が残る方法でお金を移動させることをおすすめします。
なぜなら、相続時に生前の現金の受け渡しが判明すると、たとえ贈与契約書を交わしていたとしても「本当に契約書通りにお金のやりとりをしたのか」と疑われてしまうおそれがあり、場合によっては贈与税の追徴課税や相続税の修正が発生する可能性があるからです。
直接の受け渡しはリスクが高いため、避けましょう。
生前贈与は計画的に行おう
生前贈与を活用することで、相続時の課税額を減らし、家族により多くのお金を残すことができます。ただし、生前贈与にはさまざまな注意点があります。贈与税や相続税の内容をよく理解したうえで、早めに取り組むことをおすすめします。
出典
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 No.4152 相続税の計算
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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