親が突然亡くなりました。遺産が「800万円」あったのですが、相続税はいくらかかりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月22日 2時0分
親が亡くなったときに必要な手続きを調べていると、多くの方が「相続手続き」に行き当たるはずです。相続手続きの中でも、特に相続税について不安に思う方は少なくないでしょう。自分はいくら払うのか、不安にもなることでしょう。 そこで、遺産が800万円あるケースを想定して、相続税がいくらかかるか、シミュレーションしてみます。
相続税の課税対象となる範囲
相続税の課税対象となる財産は、亡くなった方が死亡時に有していたもの全てです。預貯金や株式、家や土地はもちろん、車などその全てが含まれます。また、そこに加えて遺贈や相続時精算課税制度の適用を受けて取得した財産、加算対象期間内に暦年課税に係る贈与によって取得した財産も対象となります。
とはいえ、それらの金額の合計に直ちに課税されるわけではなく、一定の債務などを差し引くことができます。例えば、借金などの債務、葬式費用、そして仏壇などの非課税財産の額を差し引き、その残額が相続税の課税対象となるのです。
そのため、遺産の額がそのまま全額課税対象となるわけではないことに注意してください。
なお、最終的な相続税の額は、その課税対象となる価格に、相続税の税率をかけ、算出されることになります。
遺産が800万円の場合は、相続税がかからない
そもそもですが、遺産の額が800万円である場合、相続税は基本的にかかりません。なぜなら、相続税には「基礎控除」という概念があり、その額の範囲内であれば相続税がかからないのです。
基礎控除の額は、3000万円に法定相続人1人当たり600万円を加えた額となります。例えば、法定相続人が3人いる相続においては、相続財産が4800万円までであれば相続税がかからない、ということになります。
もし、相続税がかかるとすれば、先述した「加算対象期間内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産」があるような場合です。とはいえ、そういった場合は例外的であるため、基本的に遺産が800万円のみであれば、相続税は1円もかからないと見てよいでしょう。
ただし、「相続税がかからない」と思っていても、必ず相続税の計算はするべきです。基礎控除の額内に収まっていればよいのですが、そうでない場合は相続税が発生します。
相続税が発生する場合は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月目の日までに申告と納税まで行わなければならないのですが、万が一期限内に行うことができないと、延滞税などがかかり、本来より多くの額の納税が必要となる場合もあります。
相続税が発生しない場合の手続きは?
相続税が発生する場合は、相続税の申告と納税のための手続きが必要になります。
では、相続税が発生しない場合はどうでしょうか。相続税が発生しない旨の申告が必要になるのでしょうか。その点に関していえば、相続手続きは不要となります。相続税の申告と納税が必要なのは、納付すべき相続税が存在する場合だからです。
まとめ
親が亡くなって相続が始まり、突然800万円もの遺産を相続したとしても、相続税はかかりません。相続税には少なくとも基礎控除が3600万円あり、このケースの場合は基礎控除の範囲内に収まるからです。
しかし、加算対象期間内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産の額によっては、相続税が発生する可能性もゼロではありません。
相続が起こったときは、「基礎控除の範囲内だから相続税がかからない」と思い込むのではなく、しっかりと申告・納税漏れがないか確認しておくべきでしょう。
執筆者:柘植輝
行政書士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
母の遺品を整理していたら、タンスから200万円出てきました。現金ですし、そのまま自分の口座に預金してしまえば税金を払わなくて済みますよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 10時0分
-
義母が「生前贈与の方がお得だから」といって子どもにお金を渡そうとしています。生前贈与ってそもそもお得なんですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月20日 1時40分
-
祖母の家にある「100円1万枚」は「タンス預金」ですよね?私の銀行口座に預けたら、課税対象になるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月19日 2時10分
-
76歳男性「知りませんでした…」毎年110万円ずつ贈与する“定番の相続税対策”がムダに終わる危機に冷や汗【FPが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 11時15分
-
地主「相続対策で1億円のタワマンを買います」…令和6年以降の〈相続税評価額〉に絶句【元メガ・大手地銀の銀行員の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月3日 8時15分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2湿気が多いこれからの季節に役立ちそう…警視庁が紹介する「跡が残らないヘアゴムの結び方」
まいどなニュース / 2024年6月30日 20時30分
-
3忙しい現代人が“おにぎり”で野菜不足を解消する方法。野菜たっぷりおにぎりレシピ3選
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時53分
-
4トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース / 2024年7月1日 7時10分
-
51年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 14時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください