「定年したらゆっくりしたい」と言う父と「健康や生活のためにも会社で働いてもらいたい」と言う母。娘としてどうするべき?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月22日 10時50分
定年後には、仕事を辞める方もいれば、同じ会社や別の場所で働く方もいます。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部が改正され、定年年齢の引き上げや定年制の廃止などが努力義務となったため、定年後の継続雇用を行っている会社も多いでしょう。 そのような中、定年後仕事を続けるか否か迷う方もいるかもしれません。 本記事では、定年後に継続雇用で働く人の割合や働き方などから継続雇用の特徴について解説します。
定年後に継続して働く人の割合
株式会社リクルートのジョブズリサーチセンターが令和3年に行った調査では、55〜65歳の方の約6割が継続雇用を検討していることが分かっています。
また、厚生労働省の「令和5年 高年齢者雇用状況等報告」によると、定年後に継続雇用された方の割合は87.4%でした。以上より、近年、継続雇用を希望する方、実際に雇用されている方が増加していることが伺えます。
さらに株式会社リクルートの上記調査では、定年後に継続雇用を選んだ方に対し、理由も調査しています。理由として多かったものは、以下の通りです。
●職場や勤務地を変えたくないから(52.9%)
●今まで培ったスキルやノウハウをそのまま生かせるから(44.6%)
●会社の方から継続を頼まれたから(34.5%)
慣れた環境で収入を得続けたいという気持ちや、今までの経験を生かして働きたいという気持ちから継続雇用を希望する方が多いようです。ほかにも、新しい仕事を覚えることや人間関係を1から築くことへの不安から、同じ会社で働き続けたいという回答もありました。
定年後の働き方
継続雇用の場合には、待遇がどのようになるか気になる方もいるでしょう。
株式会社マイスター60では、定年退職後に再雇用制度を使って働いている60〜65歳の全国の男性500名へ、雇用形態や給与面などについて調査しています。それぞれについての調査結果は以下の通りです。
●雇用形態は「嘱託/契約社員」が64.2%「正社員/正職員」が32.2%「パート・アルバイト」が2.0%
●給与は5割以上減った方が最多
また継続雇用になる場合、体への負担を考え勤務日数や時間、仕事内容を調整する方もいるでしょう。そのような部分も含めた満足度としては、半数以上の方がある程度以上満足しているという結果でした。
しかし、給与面が定年前よりも大きく下がることに不満を感じる方が多いことも分かっています。
無理なく働くために企業へ依頼することも重要
厚生労働省が発行している「『高年齢者雇用安定法』のポイント」によると、高年齢者を雇用する際には、労働条件について以下のように気をつける必要があると記載されています。
●年齢的要素を重視した賃金、処遇制度をとっている会社では、能力や仕事内容に応じた制度に見直すこと(高年齢者の雇用や収入の安定にも配慮すること)
●高年齢者の希望に応じて、勤務時間や日数を調整できるような制度の導入に努めること
●高年齢者の意欲や能力を十分に評価できる体制にすること
以上を踏まえ、もし勤務形態や仕事に関して配慮してほしい点があれば、一度会社の方と相談してみるとよいでしょう。
勤務条件や働き方について相談し、無理なく働き続ける選択肢もある
事例の場合には、ご本人に働きたいという意欲があるかが重要です。しかし、働くことによって収入が得られたり、動く機会が得られたりするというメリットもあります。
心身に負担をかけることがないよう、家族内で十分に相談し、定年後の働き方を決めましょう。また、継続雇用を希望する際には、無理のない働き方ができるよう会社と相談することもおすすめします。
出典
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
厚生労働省 令和5年 年齢者雇用状況等報告 60歳定年企業における定年到達者の動向(14ページ表8-1)(6ページ)
厚生労働省 「高年齢者雇用安定法」のポイント 高年齢者雇用確保措置における労働条件のポイント(3ページ)
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 16. 継続勤務を希望するか Q. あなたは定年退職後も現在の勤務先で働きたいと思いますか。お気持ちに近いものを1つだけお知らせください。(単一回答) 【対象者:定年退職する予定の人】(28ページ)
株式会社マイスター60 再雇用で働く会社員の意識調査【第1弾】2019.12.9
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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