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都内の駅近1LDKが「7万円台」で格安で募集していた! 入居後に「前の住人が死亡した部屋」だと判明したけど、告知がないのは「違反」じゃないの? 事故物件の注意点を解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月23日 5時0分

都内の駅近1LDKが「7万円台」で格安で募集していた! 入居後に「前の住人が死亡した部屋」だと判明したけど、告知がないのは「違反」じゃないの? 事故物件の注意点を解説

「広くてキレイで便利、しかも家賃も安い」と、気に入って引っ越したマンション。それなのに後になって、近所の人から「その部屋って、前の人が亡くなったところじゃない?」と聞かされたら、困惑する人も多いでしょう。   本記事では、賃貸不動産の「事故物件」について、問題点や家賃相場、告知義務などを紹介します。

事故物件とは?

殺人や自殺、火災による死亡など「人が死亡した物件」が、一般に「事故物件」とされます。自然死でも、遺体の発見が遅れたために表面的な清掃だけでなく、除菌・殺菌や脱臭までをおこなう「特殊清掃」が入った場合などは、事故物件として扱われます。
 

事故物件は家賃が安い?

「事故物件は家賃が安い」といわれることがあります。家賃が安い理由には、事故物件には「何となく嫌な感じがする」「なんだかこわい」といったイメージがあることが影響しています。
 
このような居住するときの心理的な抵抗感を、不動産における「心理的瑕疵(かし)」といいます。心理的瑕疵がある物件は借り手が見つかりづらいため、家賃を下げることが多いのです。
 
しかし、事故物件といっても、部屋自体は「事故」の後に修繕や清掃がされるため、問題なく居住できます。そのため「家賃が安いなら」と、あえて事故物件を探す人も少なくないようです。
 

事故物件はどのくらい安い?

では事故物件は、どのくらい家賃が安いのでしょうか。物件にもよりますが、通常家賃の60~90%ほどが相場のようです。
 
通常なら家賃15万円のマンションを9万円(60%)で借りられるなら、事故物件であることに目をつぶり、入居したいと思う人もいるでしょう。
 

事故物件は入居する前に分かる?

以前は、事故物件だと告知するかどうかは、業者によって対応が異なっていました。そのことによるトラブルが多発していたため、2021年1月、国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を発表しました。
 
このガイドラインには、宅地建物取引業者が借主などに対し、事故物件として告知するか否か、次のような判断基準が記載されています。
 

告知が必要なケース

次の場合は、事故物件であることの告知が必要です。

●自殺
●殺人
●火災による死亡
●特殊清掃が行われた場合 など

自然死や不慮の死でも、遺体の発見が遅れて特殊清掃が入った場合は、借主に告知しなければなりません。また、死亡が廊下などの共用部分で起きた場合は、その廊下などを使用する借主には、そのことを告知する必要があります。
 

告知しなくてよいケース

人が死亡した物件でも、次の場合は、告知しなくてよいとされています。

●自然死(老衰、病死など)
●日常生活の中での不慮の死(階段からの転倒、誤嚥(ごえん)など)
●自殺や殺人などの後、おおむね3年が経過した場合
●特殊清掃が行われた死亡の発覚から、おおむね3年が経過した場合

自殺や殺人があった場合でも、それがとなりの住居や使用しない共用部分で起きた場合は、原則として告知義務がありません。
 
ただし、告知しなくてよいケースに該当していても、次の場合は告知しなければなりません。

●借主から質問された場合
●社会的影響が大きい事件があったなど特段の事情がある場合

 

事故物件は、ずっと家賃が安いまま?

自殺などから3年以内に借りた部屋は事故物件として扱われるため、家賃が安くなっていることがあるでしょう。しかしその後、5年、10年と住み続けても、家賃は安いままなのでしょうか。
 
貸主や宅地建物取引業者にもよりますが、途中の契約更新時に、家賃が上がるケースもあるようです。事件や事故があっても、時間の経過とともに心理的瑕疵が薄れていくからでしょう。
 

まとめ

国土交通省のガイドラインにより、人が死亡した物件でも、死因が自然死の場合や、自殺などから3年以上経過している場合は、原則として告知しなくてよいケースに該当しています。本記事タイトルのケースは、告知しなくてよいケースに該当していたかもしれません。その場合は契約後に文句を言っても、家賃に影響が出ない可能性が高いと思われます。
 
そもそも、告知しなくてよいケースであっても人が死亡した物件だからこそ家賃が相場より安くなっている可能性もあります。
 
事故物件に住むことが気になる人は、家賃が特段安い場合などは、その理由を契約時に宅地建物取引業者に聞いておくとよいでしょう。
 

出典

国土交通省 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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