父の年金額が「25万円」と聞いて驚き! 私の月給と「同じ額」なのですが、どれだけ稼げば25万円も受け取れるのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 2時20分
少子高齢化に伴って、現役世代の中には「自分は将来、年金を受け取れるのだろうか?」と感じている人もいるのではないでしょうか。今後社会保険料の払い手が減少して年金受給者が増えると、支給される年金額は減少する可能性があることが想定されます。 本記事では、過去と現在における年金受給額の差や将来毎月25万円の年金を受け取るために必要な収入を解説します。
過去と現在、年金受取額はどう変わった?
公的年金制度は賦課方式の仕組みとなっています。「仕送り方式」とも呼ばれており、現役世代が納めた保険料が、年金受給者へ回っているイメージを持つとよいでしょう。
少子高齢化に伴って、保険料を納める人が減少する事態が想定されます。政府は社会保険の適用範囲を拡大したり高齢者雇用を促進したりして保険料の払い手を増やそうとしていますが、少子化に歯止めがかからない限り、将来的には年金給付額の先細りも考えられるでしょう。
なお、平成5年度における厚生年金保険受給者の平均月額は16万88円、平成10年度においては17万5646円でした。令和4年度末は14万4982円となっており、長期的には減少傾向にあることが分かります。
年金は老後生活を支える大きな収入である以上、受給額をできるだけ多くすることは経済的な安心を得るうえで欠かせません。
20代現役世代も「25万円」もらえるの?
厚生労働省の公的年金シミュレーターを利用すれば、将来受け取れる年金額や必要な年収を把握できます。例えば、18歳から64歳まで働き65歳から年金を受給するケースで月25万円(年間300万円)を受給するには、厚生年金に加入している期間中に平均860万円以上の年収が求められます。
国税庁の調査によると、令和4年における民間の給与所得者の平均年収は458万円でした。しかし、40年以上にわたって、この平均年収を400万円近く上回る状況を維持できる人は少ないでしょう。
そのため、月25万円の年金を受給するための現実的な対策として考えられるのが、できるだけ長く働くことと、年金受給開始時期を繰り下げることです。
納める年金保険料が多いほど受け取れる年金額は増え、年金を繰下げ受給すると1ヶ月あたり0.7%の割合で増額されます(65歳以後に厚生年金保険に加入していた期間がある場合は、在職老齢年金制度により支給停止される額は増額の対象外)。
同じく厚生労働省の公的年金シミュレーターを使って、18歳から69歳まで働き70歳から年金を受給するケースでシミュレーションしたところ、厚生年金加入中の平均収入が410万円以上あれば月25万円(年間300万円)の年金を受給できます。
必要な年収が一気に下がることから、長く働くことと年金の繰下げ受給は現実的な対策といえるでしょう。なお、現行法において公的年金は最大75歳まで繰下げ受給できます。
75歳まで繰り下げれば、65歳時点における年金額から84%増額された年金を受け取れます。可能な限り年金受給額を増やしたい人は、計画的に資産形成を行い、年金受給開始時期を繰り下げられる状況を作りましょう。
まとめ
現在年金を受給している人と将来年金を受給する人では、置かれている状況が異なります。少子高齢化の進展に伴って、受け取れる年金額は減少する可能性があります。
しかし、公的年金は老後生活を支える柱となるのは間違いありません。できるだけ長く働き、年金を繰下げ受給すれば月額25万円の年金を受給することも可能です。
そのためにも、長く働ける心身のコンディションを維持することと、計画的な資産形成をおこなうことが重要といえます。
出典
厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 厚生年金保険 受給者の平均年金月額の推移
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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