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子どもが生まれました。大学費用を準備しようと計画していたら、母は「学資保険派」で妻は「新NISA派」です。どちらがお得なのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 2時20分

子どもが生まれました。大学費用を準備しようと計画していたら、母は「学資保険派」で妻は「新NISA派」です。どちらがお得なのでしょうか?

ソニー生命の調査(※)によると、子どもの進学のための教育資金準備方法として、1位は「銀行預金」、2位は「学資保険」となっており、低金利のいまでも「学資保険」の人気が高いことがわかります。   しかし、低金利の時代、新NISAも検討してみてはいかがでしょうか。

教育費の目安

最初に、大学までどれくらいの教育費がかかるのかを確認しましょう。文部科学省の調査によると、学習費総額(年額)は、以下のとおりです。


<幼稚園>

公立:約16万5000円、私立:約30万9000円
 
<小学校>
公立:約35万3000円、私立:約166万7000円
 
<中学校>
公立:約53万9000円、私立:約143万6000円
 
<高等学校(全日制)>
公立:約51万3000円、私立:約105万4000円

なお、この学習費総額には入学金や授業料だけでなく、塾代や習い事代なども含まれています。塾代や習い事代などはコントロールできる支出ですので、予算を立て計画的に支出し、かけ過ぎに注意しましょう。
 
進路別の15年間総額は以下のとおりです。


(1) 幼稚園・小学校・中学校・高等学校すべて公立の場合は、約574万4000円
(2) 幼稚園だけ私立、小学校以降はすべて公立の場合は、約619万6000円
(3) 高等学校だけ私立の場合は、約735万7000円
(4) 幼稚園および高等学校が私立の場合は、約780万9000円
(5) 小学校だけ公立の場合は、約1049万7000円
(6) 幼稚園・小学校・中学校・高等学校すべて私立の場合は、約1838万5000円

かなり高額ですが、これらは一度にかかるお金ではないので、家計の中でやり繰りするのがポイントです。しかし、私立大学の学費となると高額になり、家計の中でやり繰りするのは難しく、大学生の2人に1人が何らかの奨学金を借りているのが実態です。
 
たとえば、私立大の初年度納付金(入学金・授業料・施設設備費)についてみると、文科系学部は約119万5000円(4年間で約411万円)、理科系学部は約153万円(4年間で約542万円)となっています。
 
このように私立大にかかる学費は高額ですが、早い段階から準備しておけば無理なく貯めることができますので、子どもが生まれたら教育費の準備に取り掛かりましょう。
 

大学の学費の準備は「児童手当」を積み立てるのが基本

2024年10月から「児童手当」は子どもが高校を卒業するまで支給されるようになります。大学資金の一部として貯蓄しておきましょう。
 
児童手当(所得制限なし)は、子どもが3歳未満のときは月額1万5000円、3歳~高校生年代に月1万円、第3子以降は年齢を問わず月3万円が支給されます。
 
さらにひとり親家庭であれば、「児童扶養手当」(所得制限あり)もあり、支給額も今年11月分から拡充され、第3子以降の加算額が月最大6450円から1万750円に増額します。
 
この児童手当等は、手を付けずに自動積立定期などで貯蓄していきましょう。児童手当だけで、子どもが高校を卒業するまでに234万円を貯めることができます。
 
このほか、1万円を18年間積み立てると216万円になります。児童手当と合わせると450万円になり、私大文系の学費程度は無理なく貯めることができます。貯蓄のほか、学資保険や新NISAの活用も検討しましょう。
 

学資保険のメリット・デメリット

学資保険は教育費の準備を目的とした貯蓄型の生命保険です。
 
一般に父親(または母親)を保険契約者兼受取人、子どもを被保険者として契約します。保障内容としては、子どもの入学や進学に合わせて祝金や満期保険金が受け取れるタイプや、18歳から22歳までなど数年にわたって毎年学資年金を受け取れるタイプなどがあります。
 
学資保険の特徴は、保険期間の途中で保険契約者が死亡・高度障がい状態になった場合、その後の保険料の払い込みは免除される点です。さらに、満期保険金等は契約通りに受け取ることができます。
 
税制上のメリットとしては、支払保険料が「生命保険料控除」の対象となること、満期保険金の受取が一時所得になるので、利益が50万円以下であれば課税されません。
 
学資保険の注意点としては、中途解約をしてしまうと、解約返戻金が払い込んだ保険料を下まわるケースが多い点です。ですから、途中で保険料が負担になって続けられなくならないよう、無理のない保険料で加入しましょう。
 
また、契約時に予定利率が固定されますので低金利時に加入すると元本割れの可能性があります。
 
2024年6月時点、A社の学資保険の場合、契約者兼受取人:父(30歳)、被保険者:子(0歳)、17歳時の満期保険金を100万円とした場合の月払い保険料は4770円です。総支払保険料は97万3080円となりますので、返戻率(満期保険金÷総支払保険料)は約102.7%となります。
 
保険料払込期間を10歳までとすると月払い保険料は7900円に増えますが、総支払保険料は94万8000円と少なくなりますので、返戻率は約105.4%に増えます。資金的に余裕があれば、保険料の払込期間を短くするなど工夫するといいでしょう。
 
このほかの注意点としては、学資保険に加入できる子どもの年齢は最高7歳までが多いようです。小学生になるまでには加入しましょう。
 
満期保険金の受取時期にも注意が必要です。総合型選抜や学校推薦型入試で大学へ進学する場合、入学手続き時期が高校3年生時の11月から12月ごろとなるので、18歳満期では資金が間に合わない場合があります。
 

新NISAのメリット・デメリット

新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠は、年間120万円を限度に非課税保有期間無制限で、資金を投資信託やETF(上場投資信託)で運用します。
 
税制優遇により、運用益が非課税になります。運用する投資信託やETFは金融庁が定めた一定の基準を満たした積立・分散投資に適した銘柄に絞られており、手数料などのコストが低く抑えられています。学資保険に比べ資金を大きく増やすことが期待できます。
 
たとえば、毎月1万円を想定利回り3%で17年間積み立てると、運用資産額は246万円(元本204万円、運用収益54万円)となります。長期・分散・積立により元本割れのリスクは軽減されますが、元本や運用収益は保証されていませんので注意してください。
 

まとめ

貯蓄、学資保険、新NISAそれぞれメリット・デメリットがありますので、うまく組み合わせて活用することをお勧めします。自動積立定期や学資保険、新NISAでは保険料等が自動的に口座から引き落とされるので、貯蓄が苦手な人に向いています。
 

出典

(※)ソニー生命 子どもの教育資金に関する調査2022
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 結果の概要
文部科学省 私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について(令和5年度)
こども家庭庁 こども・子育て支援について
金融庁 NISAを知る
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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