来月「ボーナス」をもらってから退職を考えています。「退職予定者はボーナスが少なくなる」と聞いたのですが、本当ですか? 全額は支給されないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 2時20分
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6月から7月にかけて転職する人の中には、ボーナスをもらってから辞めたいと考える人は多いでしょう。ボーナス支給条件に、「支給日当日に在籍していること」と定める企業は多く、ボーナスがもらえるように退職日を設定する人も多いはずです。 しかし、「退職する人のボーナスを減らす」と言われたらどうでしょうか。納得できない人も多いと思いますが、実は法律的に認められているのです。 本記事では、退職希望者がボーナスを減らされることに関して、法律や過去の判例をもとに解説します。
ボーナス前に退職を伝えるともらえる金額が減っても問題ないわけは?
ボーナスを減らしても問題ないとされる根拠は2つあります。それぞれ見ていきましょう。
ボーナス支給を定める法律はない
ボーナス、つまり賞与は法律上支払いが義務付けられているものではありません。実際に賞与が支給されない会社もあります。
厚生労働省が作るモデル就業規則には「ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。」や「賞与の額は、会社の業績及び労働者の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。」という言葉が盛り込まれています。
これらの言葉が就業規則に入っている会社は多いはずです。これを考えると、ボーナスの金額を会社が自由に決めることは問題ないように思えます。
過去の判例ではボーナス減額が有効とされた例も
過去には退職予定者のボーナスが減らされることに対して裁判で争われています。
裁判の中で「従業員に対する将来の期待部分を賞与の趣旨に含めて賞与額に反映させることが禁じられるものではない」と述べられており、退職予定のボーナスを減額することは過去の判例でも認められているのです。
ボーナスカットの全てが許されるわけではない
ここまでで、退職予定者のボーナスが減額されることはある程度問題ないことが分かったと思います。では、全てのケースでボーナス減額が許されるのか見ていきましょう。
就業規則に支払い金額が明記されている場合
就業規則に「賞与は月給の1.5ヶ月分を支給する」といった具合に、金額が明記されている場合は退職予定者であっても満額支給しなければなりません。
具体的には、賃金を年俸制としている会社で、15等分を1ヶ月分の給与、残りをボーナスとして1.5等分ずつ年2回支給するケースなどが該当します。
「期待値」分としての減額にも限度がある
退職予定者の賞与100万円を90万円カットの10万円とするといった具合に、大幅なボーナスカットが許されるわけでもありません。
ボーナスには「賃金の代わりとして支給する部分」「将来の期待値として支給する部分」「業績に応じたインセンティブ部分」といったものが合わさっています。
全てを「将来の期待値部分」とすることは難しく、過去の判例でも「将来の期待値として支給する部分」は全体の2割が妥当だと判断されています。あまりにも大きく減額された場合は、違法と判断される可能性が高いのです。
辞める前にまず就業規則を確認
ボーナスをきっちりもらってから辞めたいのであれば、退職を伝える前に就業規則の確認が大切です。いつまで在職すればもらえるかどうかは必ず確認が必要ですし、もしかしたら退職予定者のボーナスは減額される旨が書かれているかもしれません。
ただし、大切なのはボーナスを全額もらうことよりも、次の職場にスムーズに転職することです。ボーナスを全額もらうために退職日をずらすことで、次の職場に迷惑がかかることもありえます。
もらえるべきものをしっかりもらうことも大切ですが、ボーナスを全額もらうことだけに固執しないようにしましょう。
出典
厚生労働省 モデル就業規則
全国労働基準関係団体連合会 労働基準関係判例 ベネッセコーポレーション事件
厚生労働省 労働相談事例 賃金・賞与・退職金Q3
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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