自分でつくる私的年金「iDeCo」について、改めて考えてみた
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月4日 9時30分
![自分でつくる私的年金「iDeCo」について、改めて考えてみた](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_30420_0-small.jpg)
確定拠出年金iDeCoが今年8月に100万人を超えたことで話題になっていたことはご存知でしょうか?確定拠出年金は、実は2001年10月から日本版401Kとしてデビューしてから約17年過ぎて、やっと、たくさんの人に認知されたことになります。 きっかけは、2017年1月から、加入対象者が全員加入に拡大されたこと、そして、個人型確定拠出年金にiDeCoという芸名がついて、イデコちゃんというキャラクターも登場していることです。 確定拠出年金は企業型と個人型があり、私的年金の役割をもっています。多くの人が、老後の収入を年金に頼っているのが現状です。そんな大切な年金が減ってしまったら生活に困ることになってしまうでしょう。 公的年金制度は年金制度が継続できるように、少子高齢化が進むと自動調整され、所得代替率は減少していきます。厚生労働省は、皆さんが将来困らないように確定拠出年金iDeCoの加入を勧めているのです。 皆さんの自分でつくる私的年金のこと、ちょっと立ち止まって一緒に考えてみませんか?
他の国の年金制度と比較してわかったことは
日本だけでなく、どこの国でも高齢化は進んでいます。そして、年金の給付を十分にしようとすると年金制度を維持するのが難しくなるという問題を抱えています。
この悩ましい問題を解決する方法として、OECDの各国の年金制度を比較してみると、日本に足りないものが見えてきます。OECDの各国は、日本に比べ、私的年金が公的年金をカバーする仕組みを準強制的に作っているということです。
欧州各国は、公的年金の減少をカバーする私的年金制度を推奨しています。日本はどうでしょう。
会社に企業年金制度がある方は、自動的に積み立てされていますが、企業年金のない会社員や自営業の方、専業主婦の方などは、私的年金は強制されてはいません。世界の中でも最も長寿化が進んでいる日本人として、老後の事をもっと早くから考えておかなければいけないのではないでしょうか。
10月10日に行われた、第5回社会保障審議会年金部会の中で語られていた内容で、「高齢期における資産の形成状況もさまざまだという点にも留意が必要かと思います。2人以上の世帯で世帯主が65歳以上の世帯について見てみます。預貯金、生命保険等の掛金、有価証券等の合計である貯蓄現在高階級別の分布を見ますと幅広く分布しておりまして、さらに2002年と2017年の比較をいたしますと、4割程度の方が2000万円以上の貯蓄現在高となっている一方で、貯蓄現在高が低い100万円未満や100~500万円の世帯の割合がやや増加しているような状況にございます」と記載がありました。
この内容から資金準備が必要なことがとても感じられます。
人生100年時代と言われるようになりました。たくさんの“時間”という贈り物があります。この時間を大切に、楽しく過ごすためにも、65歳になったときあなたの資産はいくらになっているのかをぜひ思い浮かべてください。
その金額を用意するための行動はしていますでしょうか?日本が世界と比較した時に老後の備えが不足しているのは、私的年金づくりに対する行動が不足しているからなのです。
ミリオンセラーからロングセラーに! 若い人に伝えたい国の思い
ここで、思い出してください。確定拠出年金iDeCoは全員加入になっています。
確定拠出年金iDeCoは、自営業者と企業年金のない会社員だけに加入が認められていましたが、今では、会社の規定で認められていれば、企業年金のある会社員でも加入できますし、なんといっても共済年金の公務員、そして、専業主婦の皆さんも加入ができるようになっていることです。
国の税制優遇が使える私的年金皆年金ができているということです。これは公的年金が皆年金になったのと同じくらい大きな変化と言えるでしょう。
公的年金は制度を存続させるために、支給開始年齢を遅らせたり、年金額が減ったりすることが検討されています。いつからかはまだ示されていませんが、若い世代の方ほど影響を受けることになります。
会社員の方は、企業年金のある会社にお勤めですか? 企業年金制度等に加入している人の割合は23.9%ほどです。また、厚生年金の年金受給額は現在平均で14.5万円ほどです。
自営業の方は、月に6万円ほどの国民年金だけでは生活は難しいです。さらに減少していくことを考えて準備しておかなければ、働けなくなったあと厳しい老後を過ごすことになるでしょう。
国は、皆さんが困らないように今、確定拠出年金iDeCoの加入者を増やそうとしています。iDeCoがやっとミリオンセラーになって、これからは、ずっと続くロングセラーにしていきたいと考えているのです。
読者の皆さんにその思いは届いているでしょうか。
iDeCoの私的年金づくり、期間が長いほど効果を発揮!
確定拠出年金iDeCoには、(1)掛け金全額所得控除 (2)運用益非課税 (3)受取りも優遇(退職所得控除または公的年金控除)という3つの優遇がついています。
税金の優遇を受けながら、老後資金の準備ができる優れた私的年金です。税金の優遇があるために限度額が設けられています。自営業者の方は、6.8万円、企業年金のない会社員の方と専業主婦は2.3万円。
そして、公務員は1.2万円です。3%で運用できた場合に20年掛けた場合と40年掛けた場合では、40年掛けた方が、資産総額が約3倍になっていることがわかります。
社会人になってすぐに老後のことは考えないかもしれませんが、そろそろ気になり始める40代になってからiDeCoをスタートするより、20歳からスタートしていたら、こつこつ貯めたものが、非課税と複利効果で大きな差になるのです。
試算をご参考にしてみてください。その違いはよくわかります。しかし、ゆっくり誰かが教えてくれるのを待っていてはだめなのです。この私的年金づくりは、あなたご自身が決めて行動していくものだからです。
60歳までという期間限定商品ですから、早く始めないともったいないですね。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2018/12/27c826d72ff48a73dcb89faac5486d5d.jpg)
Text:木田美智子(きだ みちこ)
CFP(R)認定者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
iDeCoに興味がありましたが、受け取るときに税金がかかると聞きました。それでも節税になるってどういうことでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月3日 8時10分
-
すぐには引き出せない?個人年金保険はどんな人に向いている?
オールアバウト / 2024年7月2日 19時30分
-
「骨太の方針」でも話題のiDeCo、NISAに続く改革の本丸に! 掛金上限額、受給開始の年齢制限も変わる?
Finasee / 2024年7月1日 12時0分
-
目指せ「貯金1000万円」!どうやって貯める?
オールアバウト / 2024年6月30日 11時30分
-
老後資金準備はNISA一択で本当にいい? 50代だからこそiDeCoが有効といえる理由
MONEYPLUS / 2024年6月23日 7時30分
ランキング
-
1申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
2「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
-
3大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
4「380円のデザートを10人で分けて…」“ラーメン屋でラーメンを頼まない”ヤバい客の実態を店主のプロレスラーが赤裸々証言
文春オンライン / 2024年7月17日 11時0分
-
5リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月17日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)