有休が「1ヶ月」残っていますが、すべて消化して「ボーナス全額」をもらって退職したいです。退職するタイミングはいつがベストでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月28日 4時30分
入社した会社で定年まで働き続けることが主流だった時代に比べて、転職のハードルは年々下がっているように見えます。総務省のデータでは2023年の転職者数は325万人で前年2022年と比べて12万人増加しており、6期連続の増加となっています。 転職する際には転職先の選定だけでなく、現在勤めている会社を退職するタイミングも重要となるでしょう。特に、ボーナスを支給されるか否かが転職のタイミングによって左右される場合は、退職時期は転職者にとって重要なポイントです。 本記事では、転職などで勤めている会社を退職する際に損しないよう気を付けるべきポイントを解説します。
ボーナスについては法律上の定めがないため就業規則を確認すべき
実は、ボーナスについては支給に関する明確な法律が存在しません。労働基準法でも毎月の給与や労働時間などに関する内容は定められていますが、ボーナスに関する規定はありません。
ボーナスの計算方法や支給条件については、会社が自由に定めることができるため、まずは自分の会社の就業規則を確認することが大切です。
ボーナスを受け取るポイントは「在籍」しているか否か
就業規則の中で「賞与支給日在籍要件」がある場合は、ボーナス支給日に「在籍している」必要があるため、退職を考えている場合は注意が必要です。最終出社日ではなく、有給休暇消化期間中でもよいので会社に「在籍」しているかがポイントです。
例えば、会社のボーナス支給日が6月30日で有給休暇の残りが事例のように1ヶ月残っている場合は、最終出社日を5月末として、それ以降に有給休暇を全て消化すればボーナスを全額受け取れる可能性が高いです。
この場合、6月は1度も出社しませんが、有給期間消化となりボーナス支給日時点で会社に在籍していることになるためボーナス支給対象になると考えられます。
つまり、支給日前に退職してしまうと、ボーナスは受け取れない可能性が高いです。逆に、賞与支給日在籍要件がない場合には、ボーナス支給日時点で在籍していなくても、ボーナス算定期間分の支給を受けられる可能性があります。
まずは勤めている会社の就業規則を確認し、分からない点は人事部などに相談してみましょう。
就業規則にボーナスの役割がどのように定められているか確認が必要
ボーナスは基本的に査定期間が設けられています。査定期間の定めは会社によってさまざまです。ボーナスの性質も「過去の貢献に対する支払い」と「将来の期待を含めた支払い」どちらの性質をもっているかは企業の定める就業規則によって異なります。
「過去の貢献に対する支払い」をベースにしたボーナス支給を就業規則に定めている場合は、退職までに働いた分の貢献を評価してくれることが多いため、トラブルは少ないでしょう。逆に、「将来の期待を含めた支払い」をベースにしたボーナス支給を就業規則に定めている場合は、注意が必要です。
実際に過去には、退職予定者に対して、他の正社員とは別の計算方法でボーナスを支給することを就業規則に定めており、退職者のボーナスを82%減額することについて争った判例が存在します。
結果としては、退職予定者とその他の社員で賞与額に差を設けること自体は不合理ではないが、限度は2割が妥当という判決が下されました。就業規則にボーナスの役割がどのように記載されているかは退職前に確認しておきましょう。
就業規則を確認したうえで円満退職に向けて逆算した退職計画を
ボーナス支給と退職日の最適解は、勤めている企業の定めにより異なります。
そのため、まずボーナス支給日と査定期間、性質を調べ、ボーナス支給日に関する要件を就業規則で確認する、有給休暇の残日数を確認して逆算した退職日を計画する、上司に退職の意思を伝えるといった順番で動くことで、ボーナスをもらいつつ有給休暇も消化して円満な退職をすることができるでしょう。
出典
総務省統計局労働力人口統計室 直近の転職者及び転職等希望者の動向について
公益団法人全国労働基準関係団体連合会 労働基準判例 ベネッセコーポレーション事件
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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