転職で年収が「300万→500万円」に! 65歳まで働くと“将来の年金”はどれだけ増えますか?「平均寿命」までの総額も試算
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月28日 3時0分
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就職したら定年まで勤め上げるのではなく、状況次第では転職や副業などで総合的に収入アップを目指す人は少なくありません。収入が上がると毎月の給料だけでなく、「将来もらえる年金額も上がるのでは」と期待する人も多いのではないでしょうか? 本記事では、現時点で35歳の会社員がプログラミングなどIT系のスキル取得で転職に成功して、年収300万円から500万円にアップするケースを想定し、転職前と転職後の年収で将来の年金受給額はどのくらい変化するのか解説します。 今回は話を分かりやすくするため次の設定をもとに説明します。 ・22歳から35歳まで年収300万円 ・35歳から65歳まで年収500万円 ・月収や平均報酬額、年収は一定で、年次ごとに変化しない ・国民年金と厚生年金に加入し、それぞれ未納や滞納などの期間はない
年収300万円の人が将来受け取れる年金額
老後に受け取れる公的年金は大きく分けて「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類が存在します。老齢基礎年金は受給資格を得たうえで国民年金保険料を満額納付していると月額6万8000円(2024年度)もらえます。
現役時代の収入や働き方に関わらず老齢基礎年金の金額は変わらないため、将来もらえる年金額を増やすには厚生年金の加入期間や納付する保険料額によって決まる老齢厚生年金の存在は無視できません。
老齢厚生年金も実際はそれぞれの状況によって報酬比例部分や経過的加算、加給年金額をあわせた金額が算出されますが、今回はシンプルに年金額計算の基礎となる報酬比例部分のみで考えてみます。報酬比例部分は加入時期によって次の計算式が存在します。
・(2003年3月以前)平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
・(2003年4月以降)平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
今回のケースは現時点で35歳の想定のため、転職前と転職後どちらも「2003年4月以降」の計算式が適用されます。転職せずに22歳から65歳まで平均標準報酬額25万円で働き続けると老齢厚生年金を70万7049円もらえます。月額だと約5万8920円受け取れる計算です。
35歳から年収500万円になると、将来の年金額はいくら増える?
転職後は年収500万円に上がるため、現行制度のもとでは将来もらえる年金額が上がります。転職前の22歳から35歳までの13年間は年収300万円(平均報酬額25万円)、転職後の35歳から65歳までの30年間は年収500万円(平均報酬額41万円)としてシミュレーションしてみましょう。
先ほどの報酬比例部分の計算式に当てはめると、転職前の13年間分は21万3759円、転職後の30年間分は約80万8995円となります。合わせて約102万2754円で、月額だと約8万5229円もらえます。転職しない場合に比べると月額ベースで約2万6309円の差が発生することが分かります。
長生きするほどメリットは大きい
金額だけ見ると「2万円程度の差にしかならないのか」と考える人もいるかもしれませんが、老齢年金は受給資格を満たせば原則65歳から生涯にわたって受け取れます。
日本人男性の平均寿命は現時点で約81歳ですが、仮に65歳から80歳まで年金を受け取るとしましょう。月に約2万6309円の違いは、年間で約31万5708円、15年間で473万5620円と差は大きくなります。つまり長生きすればするほど年金をもらう月数は増えるため、得になる可能性が高いといえます。
まとめ
本記事では、転職して年収が200万円アップした場合、将来もらえる年金は増えるのか解説しました。
収入が上がると納付する厚生年金保険料も増えることが多いため、短期的には損した気分になるかもしれません。ただし、老齢厚生年金は厚生年金の加入期間や保険料によって計算されるため、将来もらえる年金が増える形で恩恵を受けられる可能性があります。
老後に少しでも多く年金をもらいたい場合は、社内での昇格や転職などで収入アップを目指すのも1つの方法です。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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