親子でもなかなか話す機会が少ない「お金のこと」一緒に考えることで、意外と簡単に問題が解決することも?
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月5日 8時30分
核家族化が進み、単身世帯の数も増えました。一方で、子育てや将来の介護を考えて、三世代の同居や近居に対する関心が高まっています。親子でもなかなか「お金のこと」を話す機会は少ないです。 世帯として独立して考えるのではなく、親世帯・子世帯が一緒に「お金のこと」を考えることで、意外と簡単に問題が解決することもあります。
近居なら、住宅資金の援助のお願いをしやすい
「理想の家族の住まい方」について内閣府が行った意識調査(2014年)によると回答は、祖父母と近居31.8% 祖父母と同居20.6% だそうです。
親の近くに住むことを希望している人が約半数で、近居(普段から行き来できる、お互いの生活圏内に住むこと)を望む人が増えていることが分かります。
昔から「スープの冷めない距離が良い」と言われていました。同居はお互いに気を使うので、程よい距離感が心地よいということのようです。
実際に近居をしている人に、そのメリットを尋ねたところ、親世帯は、「子や孫と会う機会が増えること」に加えて、「将来、老後のサポートをしてもらいやすいことへの安心感」という精神面を挙げる人が多いです。
一方、子世帯側としては、経済的メリットの意見もあります。「共働きをしているので、子供の面倒を見て貰えて助かる」の他、「住宅購入時に援助してもらいやすい」といったものもあります。“近居のための資金なら、親にお願いしやすい”ということのようです。
路線価を確認し税額を算出
シニア層の持つ資産を若年層に贈与しやすいように、「住宅資金贈与」や「教育資金贈与」の制度が生まれました。残念ながら、一般的にはそれほど使われていないように思います。お金のことは、親子でも言い出せないのが実際ではないでしょうか。
親頼みを勧めている訳ではありませんが、先述のように近居がきっかけで、住宅資金の援助をしてもらえたことは良い流れだと思います。親子間で資産の移動がされるのは、多くは相続の時です。
寿命が長くなった今、相続により資産を手にした時、既に子は70歳代になっていることも多々あります。親子間で早い段階に資産を贈与し、有効活用することを考える方が良いのではないでしょうか。
Nさん(48歳)は3年前に会社を辞め、起業しました。子どもが2人いますが、まだ小学校の低学年です。子どもの教育費など将来に不安がありましたが、教育資金の一括贈与を受けることになりました。これにより、子育てに関する心配はかなり解消されたそうです。
「この安心感を考えると、教育資金の一括贈与の制度を利用する人がもっと増えても良いのに」と実感したそうです。Nさんは一人っ子なので、話がスムーズに進んだ点はあります。
こうした制度を利用することも視野に入れると、お金の不安から解放されることもあると思います。参考までに、「教育資金の一括贈与」の概要は下記の通りです(図表)。
親に援助してもらうだけでなく、逆の場合もあります。先日会ったAさんは、母親のスマホ料金と生命保険料を払っているとのことでした。このように親子間で相互扶助の関係を持っていると、日頃から「お金の話」もしやすくなります。
内閣府のHPによると、2025年の認知症の患者数は約700万人と推測されます。これは高齢者の5人に1人という計算になります。認知症になって起こるトラブルの中には「お金のこと」も多くあります。
近居が出来る人は限られていますが、家族の関係を近くしておくことで、避けられることも多いはずです。なかなか難しいことですが、理想の形は「お金のこと」を一緒に考えられる関係ではないでしょうか。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
相続対策としての「不動産の親族間売買」、その活用法とは?【行政書士が実例解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月22日 12時0分
-
子ども名義の口座で「1000万円」貯めたのに贈与税が発生!?「非課税」で贈与する方法はないの? 名義預金とみなされない方法もあわせて解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月22日 4時40分
-
お金持ちのクラスメイトは、子どものころ「月10万円」はもらってたそうです。多額の「おこづかい」に贈与税は掛からないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月17日 0時0分
-
両親が孫の高校費用「200万円」を援助してくれることに! 高額なので「税金」がかかるのではないか不安なのですが、“非課税”で受け取る方法はあるのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月6日 4時30分
-
祖父母が、孫の歓心を「お小遣いでつなぎ止める」と不幸を招く理由
PHPオンライン衆知 / 2024年8月29日 11時50分
ランキング
-
1悲惨すぎて笑えます…〈勤続46年・月収30万円〉のサラリーマン、65歳で手にした「年金額」に唖然「たったこれだけ」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月26日 5時15分
-
2民間企業の給与は平均459万5000円…人手不足背景に3年連続増、2014年以降で最高
読売新聞 / 2024年9月25日 20時54分
-
3KKRとベイン、富士ソフト買収で飛び交う奇手奇策 会社の頭越しに、前代未聞の手法を駆使
東洋経済オンライン / 2024年9月26日 8時0分
-
420代社員の文章にストレスを感じる人が84.5%…「頭が悪いな」と思われる報告書に共通するパターン
プレジデントオンライン / 2024年9月26日 8時15分
-
5そのDXツール、本当にいります? “情弱” 経営者にならないためのコツとは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください