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自分はずっと専業主婦でしたが、夫がなくなった場合に、遺族年金はどれくらい受け取れますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月29日 23時0分

自分はずっと専業主婦でしたが、夫がなくなった場合に、遺族年金はどれくらい受け取れますか?

会社員の夫が死亡したときに、夫に生計を維持されていた妻には遺族厚生年金が支給されます。また、一定の要件を満たす子がいる場合は、合せて遺族基礎年金を受け取ることができます。   今回は、遺族年金の仕組みと、妻の年齢に応じて受け取れる遺族年金について、詳しく解説します。

遺族年金の仕組み

わが国の年金制度には、国民年金と厚生年金の2種類があります。会社員の妻に支給される遺族年金には、下図のとおり、一定の要件を満たす子がいる妻に支給される「遺族基礎年金」と、遺族厚生年金があります(※1、2)。
 
図表1

図表1

 

1.遺族基礎年金の受給要件

会社員の夫が死亡したとき、夫に生計を維持されていた子がいる妻には、遺族基礎年金が支給されます(※1)。「生計を維持されている妻」とは原則として、亡くなった方と生計を同一にし、収入要件を満たしている(前年の年収が850万円未満、または前年の所得が655万5千円未満)の妻となります。
 
また、遺族基礎年金における「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにあるか、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方となります。
 

2.遺族厚生年金の受給要件と受給額

会社員の夫が死亡したとき、夫に生計を維持されていた妻には、遺族厚生年金が基本的に終身で支給されます(※2)。この際、妻の年齢は問いませんが、30歳未満で子がいない方の遺族厚生年金は5年間の有期年金となります。
 
また、一定の要件を満たす子がいる妻には、遺族基礎年金が併せて支給されます。
 
なお、一定の要件(後述)を満たす40歳以上65歳未満の妻には、遺族厚生年金に加え、中高齢寡婦加算があります。
 

妻の年齢に応じた遺族年金の額

夫が死亡したときの妻の年齢と子どもの有無によって、受給できる遺族年金の額や期間が異なります。ここでは仮に「専業主婦」と想定して、本人の厚生年金は無いか、僅かであると考えた上でシミュレーションしてみましょう。
 

1.子のない妻に支給される遺族年金

子のない妻に支給される遺族年金は、遺族厚生年金のみとなり、その額は原則として、死亡した夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額になります(※2)。
 
夫の報酬比例部分の額=平均標準報酬額×0.005481(注)×加入期間の月数
(注)平成15年3月以前の加入期間は計算式が異なります。
 
平均標準報酬額とは、厚生年金保険料の算定に用いられた「標準報酬月額」と「標準賞与額」の総額を加入月数で割った額になります。便宜的には、加入期間の平均年収(税引前)を12月で割って概算することができます。
 
従って、子のない妻に支給される遺族厚生年金の額は、以下の式で計算することができます。
 
遺族厚生年金の額=平均標準報酬額×0.005481×加入期間の月数×3/4
 
なお、夫の厚生年金の被保険者期間が300月(25年)に満たない場合は、加入期間が300月あったものと見なして算定されます。
 

2.一定の要件を満たす子がいる妻に支給される遺族年金

要件を満たす子がいる妻には、遺族厚生年金に加えて遺族基礎年金が支給されます。遺族基礎年金は、子の数に応じて下表の額が支給されます(※1)。
 
図表2

家族構成 年金額(令和6年度額)
妻と子1人 81万6000円+23万4800円=105万800円
妻と子2人 81万6000円+23万4800円×2=128万5600円
妻と子3人 81万6000円+23万4800円×2+7万8300円=136万3900円
※3人目以降、子ども1人当たり7万8300円を加算

(※1を基に筆者作成)
 
なお、遺族基礎年金の支給対象となっている子が18歳到達年度の末日(障害の状態にある場合は20歳)に達すると、遺族基礎年金は支給停止となります。
 

3.40歳以上65歳未満の妻に支給される遺族年金

以下のいずれかに該当する妻には、40歳から65歳になるまで、遺族厚生年金に加え、中高齢寡婦加算があります(※2)。
 

(1)夫の死亡時に40歳以上65歳未満で、生計を同一にする子がいない妻
(2)遺族基礎年金も合せて受けていた妻が、子が18歳到達年度の末日(障害の状態にある場合は20歳)に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき

 
なお、令和6年度の中高齢寡婦加算額は、61万2000円です。
 

4.65歳以上の妻が受給する年金

65歳以上の妻は、それまで受給していた遺族厚生年金に加え、自分自身の老齢基礎年金を受給することになります。なお、会社員の被扶養配偶者であった妻は、夫の死亡以降60歳になるまで、国民年金の第1号被保険者として国民年金の保険料を納付する必要があります。
 

まとめ

会社員の夫が死亡したとき、その夫に生計を維持されていた専業主婦には、遺族厚生年金が支給されます。この際、一定の要件を満たす子があるときには、遺族基礎年金が併給されます。また、一定の要件を満たす40歳以上65歳未満の妻には、遺族厚生年金に加えて中高齢寡婦加算が受けられます。
 
なお、夫が死亡した時点で30歳未満の子のない妻に支給される遺族厚生年金は、5年間の有期年金となります。
 

出典

(※1)日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
(※2)日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
(※3)日本年金機構 年金用語集 は行 標準報酬部分
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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