結婚式の「ご祝儀3万円」はバブル時代の常識!? 令和は“3万円”じゃなくても大丈夫なの?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月30日 4時30分
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「結婚式のご祝儀は3万円」。この相場は社会人にとって「暗黙の了解」となっており、3万円より少なく包むと「非常識な人」とレッテルを貼られてしまうこともあるでしょう。しかし3万円のご祝儀を用意することは経済的に難しいと考えている人も少なくありません。 そもそも、なぜ結婚式の相場は3万円となっているのでしょう。本記事ではその歴史的背景と、ご祝儀3万円は適正金額なのかについて解説していきます。
ご祝儀が3万円になったのはバブルから
昭和前期から中期にかけて、日本では結婚式を自宅で執りおこなうことが多く、親戚や隣人はその手伝いをしていました。結婚式の食事は、新郎新婦の紹介の場と手伝いへのお礼という意味合いがあり、参列者からご祝儀を受け取るという文化は根付いていなかったのです。
しかし時代が変化して、結婚式を会館あるいはホテルでおこなうことが増え、参列者は「協力者」ではなく「招待される」立場へと変化しました。そのためお祝いの形も「お手伝い」の代わりに「ご祝儀」へ変化していったのです。
このご祝儀の額が3万円になったのは、一説によるとバブル期からといわれています。衣装や食事など結婚式にかかる費用がどんどんグレードアップしていき、それに伴って招待される側のご祝儀の額も増えていったと考えられます。
現代の結婚式にかかる費用
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、挙式と披露宴の総額は平均327万1000円でした。このうちゲスト1名当たりにかかる平均費用は、料理・飲物が2万700円、引出物が6000円、引菓子が1400円、プチギフトが300円で、合計2万8400円となります。つまり、「ご祝儀3万円」はゲストのおもてなしにかかる費用とほぼ同じであるということです。
最近は「少人数婚」「地味婚」など費用を抑えた結婚式も増えていますが、それでもゲストのおもてなしにはそれなりのコストがかかります。このように考えると3万円のご祝儀は令和の現在でも適正価格であるといえるでしょう。
給与に対するご祝儀の負担は大きい
国税庁の調査によると、日本人の男性の平均年収は563万円、女性は314万円、全体の平均値は458万円という結果が出ています。仮にボーナスが年2回それぞれ月収の2ヶ月分相当が支給されるとすると、全体の平均月収は約29万円ということになります。最近は物価の高騰といった理由から実質賃金はマイナスの状態が続いており、家計を考えるとバブル期から変わることのない3万円のご祝儀は痛手だと感じている人も多いでしょう。
こんな場合は3万円でなくてもいいかも
ご祝儀に3万円を包むのは、「数字の縁起担ぎ」という側面もあります。日本では奇数は「陽」の数字であり、縁起のいい数字という位置付けとなっています。逆に偶数は「陰」の数字であり、特に結婚式のような慶事では偶数は割り切れることから「別れ」を連想させるためタブーとされているのです。
しかし偶数であっても「2」は「ペア」、「8」は「末広がり」の意味にもなる縁起のいい数字という見方もあります。最近はこの「ペア」の2万円ご祝儀でもOKという考え方も広がってきているので、3万円が厳しい場合は2万円を検討するのもいいでしょう。
また会費制披露宴の場合は、案内状に記載してある会費を支払えばよく、ご祝儀は必要ありません。会費制披露宴は北海道などで主流となっていますが、最近はこのスタイルを取り入れるカップルが全国的に増えてきているといいます。会費制の場合はご祝儀不要であることを覚えておきましょう。
ご祝儀は額ではなく気持ちが大事
「ご祝儀は3万円」という価値観はバブル期から40年近く続いています。結婚式にかかる費用を考えると現代でも妥当な金額であるという見方もある一方、現代の平均年収の実質の手取りからすると負担の大きい額であるともいえます。
しかし本来ご祝儀とは大切な人の門出を祝う気持ちを表すものです。ある程度常識の範疇であれば、必ずしも3万円を包む必要はありません。家計を圧迫しない額とマナーをよく考えて、無理のない額を包むようにしましょう。
出典
ゼクシィ相談カウンター 結婚式のお金っていくらかかるの?気になる費用の基礎知識
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
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