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令和6年度から始まる「森林環境税」とはどんな税金ですか? 私が住む地域では、すでに毎年500円の「森林税」が課税されているのですが、どう違うのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月2日 4時40分

令和6年度から始まる「森林環境税」とはどんな税金ですか? 私が住む地域では、すでに毎年500円の「森林税」が課税されているのですが、どう違うのでしょうか…?

令和6年度から始まった「森林環境税」とは、どんな税金なのでしょうか。全国では森林環境税とは違う名称と金額で、森林環境税の課税前から自治体独自の税金を徴収している所があります。   本記事では、森林環境税の内容と自治体が集めている税の金額・使途などを紹介します。

森林環境税とはどんな税金?

森林環境税は国税で、温室効果ガス排出削減や災害防止を図る目的で創設されました。まずは令和元年度から「森林環境譲与税」として国から自治体へお金が譲与され、使われてきました。
 
総務省・林野庁が令和5年に発表した「令和4年度における森林環境譲与税の取組状況について」によると、森林環境譲与税の譲与実績合計額は約500億円にのぼります。
 
国から譲与される額はそれぞれの自治体の人口と、私有林人工林の面積・林業の就業者数によって決められており、森林は少ないものの人口が多い東京都は約18億円が譲与されました。譲与された金額が最も多いのは北海道の約37億円で、最も少ないのは香川県の約1億9000万円です。
 
令和6年度から自治体へ納付する住民税(県税・市町村税の均等割)に上乗せする方法で1人年間1000円の徴収が始まり、対象人数は約6000万人で約600億円の税収が見込まれます。課税対象にならないのは、子ども(未成年)や住民税非課税世帯などです。
 
所得収入が公的年金のみの人は、令和6年度については年度後半の3回(10月分:400円、12月分:300円、2月分:300円)に分けて年金から徴収されます。
 

森林環境税は、どのように使われているの?

国から自治体へ譲与された森林環境税は、主に森林維持や木材の利用推進、林業の担い手確保などに使われています。令和4年度の活用事例では、森林整備として間伐(木々が密集するのを防ぐために木を切ること)、花粉発生源対策(スギ林の植え替えとして、クヌギなどを植える)が行われました。
 
木材の利用推進としては地域産ヒノキなどの間伐材を活用して、公共施設の壁や天井、椅子や机に利用する事例がありました。林業の担い手確保には、林業体験や林業実務研修会を行って林業への関心を深めてもらう試みが行われています。
 

自治体独自の森林税は、どのように使われているの?

自治体独自の森林税(県税)を導入している都道府県は約37府県です。県によって県税額が異なり、住民税に加算する方式で個人・法人に課税されています。
 
自治体独自の森林税制度が導入されている県に住んでいる人には、令和6年度から新たに森林環境税(国税)が上乗せされます。
 
森林環境税の課税開始前から森林に関する独自の県税徴収を行っている自治体では、独自の税と国からの「森林環境税」の使途やそれぞれの役割分担を明確にした上で、県と市町が協力・連携して森林整備を進めています。全国の自治体の中から、広島県と静岡県の事例を紹介します。
 
広島県は、県税として平成19年度から「ひろしまの森づくり県民税」を実施しており、税額は個人500円・法人は標準税率の5%相当です。広島県では集めた税の使途目的を「県民主体の森林づくり」としていて、手入れが不足している人工林の整備・景観が悪化した里山林を整備して維持する経費の補助・鳥獣被害防止などに取り組んできました。
 
そして静岡県では平成18年度から「森林(もり)づくり県民税」を実施しており、税額は個人400円・法人は年1000円から4万円(法人県民税均等割の税率に、5%を上乗せ)です。静岡県では集めた税の使途目的を「森の力再生事業」としていて、緊急に整備すべき荒廃した森林を対象に、間伐などを実施して森林を再生させることに取り組んでいます。
 

まとめ

森林環境税は国税で、温室効果ガス排出削減や災害防止を図る目的で創設され令和6年度の住民税に上乗せする方法で1人年間1000円が課税されています。税収は主に森林維持や木材の利用推進に使われます。
 
森林環境税が導入される前から独自の森林税(県税)を行っている自治体では、個人には400円から500円程度を課税しており、地域の実情に沿った森林整備を行っています。
 
国税と県税それぞれの使途が公開されているので、自分が住んでいる都道府県では森林保護にどのような取り組みを行っているのか注視することが望ましいでしょう。
 

出典

総務省・林野庁 令和4年度における森林環境譲与税の取組状況について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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