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【FPが教える】iDeCoを、「ほったらかし」にしてはいけない2つのパターンとは

ファイナンシャルフィールド / 2018年12月6日 11時15分

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昨年1月より、個人型確定拠出年金(以下iDeCo)の加入者対象が拡大され、加入者は100万人を突破しました。   基本的に60歳までは引き出すことができない長期運用であるため、いわゆる「ほったらかし」をしている加入者が多いことと思われます。しかしながら、「ほったらかし」では当初の目的通りのiDeCo利用とはなっていないケースがあります。   今回は「ほったらかし」にしてはいけない2つのパターンをご紹介してまいります。  

国内債券だけを投資対象とする投資信託を選択しているパターン

資産運用の基本である4つの投資対象(国内債券・国内株式・海外債券・海外株式)のうち、「国内債券」は一番リスクが低く、リターンも低いとされています。投資の教科書にも同様に書かれていますが、現状の投資環境を考慮すると定説通りではありません。
 
国内債券へ投資する投資信託の価格変動要因を分解すると下記のようになります。
 
+利子収入(1) ±価格変動(2) -信託報酬(3)
 
(1)の利子収入は、例えば10年物国債では0.1%(年)で必ずプラスとなります。
(1)の価格変動は、現在日本銀行による10年物国債利回りをゼロ%程度で推移させる金融政策が取られているので、大きな変動が起こりづらくなっています。
(2)の信託報酬はインデックス型で0.2%(年)程度、アクティブ型で0.6%(年)となっております。(野村アセットマネジメントのDC専用投資信託の例)
 
価格変動要因を数字に置き換えると下記のようになります。
+0.1%(1) ±0%(2) -0.2~0.6% = -0.1%~-0.5% 
 
日本銀行が2016年9月から取っている前述の金融政策で、債券の価格変動がほとんどない現状では、国内債券へ投資する商品は下落するばかりです。また、政策を変更した場合には、債券の利回り上昇(価格は下落)を容認することになり、下落幅は大きくなるばかりです。
 
国内債券だけを投資対象とする投資信託を選択している場合は、「ほったらかし」ではなく、速やかに他の運用商品に変更することが望まれます。
 

バランス型投資信託に1%程度の信託報酬がかかっているパターン

異なる値動きが予想される国内外の株式や債券、REITに分散投資するバランス型投資信託は、iDeCoによるセカンドライフの資産形成の王道とも言える商品です。つみたてNISA向けにもこのバランス型投資信託を用意している金融機関がほとんどです。
 
しかし、注意しなくてはならないのは、そのバランス型投資信託の信託報酬です。信託報酬とは、投資信託を保有している間に投資家が継続的に支払わなくてはいけない手数料(運用管理費用)のことです。
 
つみたてNISA向けの投資信託は信託報酬を低くする要件がありますが、iDeCo向けの投資信託は各運営管理機関の商品でまちまちです。
 
運営管理機関の手数料が無料であることに魅かれ加入し、1%の信託報酬であるバランス型投資信託での積立てを始めた方と、毎年の運営管理機関の手数料3000円払って0.2%の信託報酬であるバランス型投資信託での積立てを始めた方がいるとします。
 
毎月2万円の掛金を設定すると、iDeCo総資産は10年を待たずに200万円積み立てられます。その時の信託報酬は前者が2万円となり、後者は4000円です。
 
目に見える運営管理機関にかかる手数料を3000円節約したつもりですが、目に見えない信託報酬が多くかかることで、1万円以上の負担となり、しかもその負担は大きくなるばかりです。
 
バランス型投資信託に1%程度の信託報酬がかかっている場合は、「ほったらかし」ではなく、運営管理機関の変更を検討することが望まれます。
 
以上、積立てによるセカンドライフの資産形成を考えて、長期にわたりiDeCoに加入されても、「ほったらかし」にしてはいけないパターンに該当する場合には、運用商品や運営管理機関の変更を検討していただくことが必要です。
 
Text:加藤啓之 (かとう しげゆき)
FP横浜オフィス加藤 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、1級DCプランナー、

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