65歳になり年金が自動的に振り込まれると勘違い! 1年後に請求が必要と気がつきましたが1年分の年金をもらうことはできますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時10分
公的年金は原則として65歳から受け取れますが、手続きをせずに自動で振り込まれると思っている人もいるのではないでしょうか。実は、年金をもらうためには請求手続きを行わなければなりません。 請求手続きを行わなければ繰り下げ扱いとなって、受取開始時期を遅らせた期間分に対して年金額を増やせます。また、繰り下げた年金は5年前までさかのぼって一括受給できるため「請求手続きを忘れた」となっても安心です。 本記事では、年金をもらうために必要な手続きをはじめ、繰り下げた年金をさかのぼって請求する方法について解説します。
老齢年金をもらうためには請求手続きが必要
65歳から老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給資格を得ますが、いずれも手続きなしで受け取れるわけではありません。自分で年金請求の手続きを行うことで、受け取れるようになります。
年金の手続きを行う際には、日本年金機構から送られてくる年金請求書が必要です。年金請求書には、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所、年金加入記録があらかじめ印字されています。
年金請求書が送られてくるのは65歳に達する3ヶ月前です。65歳の誕生日の前日以降に、必要書類を添付して年金事務所へ郵送、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口に持参、電子申請のいずれかの方法で提出してください。
請求手続きを行わない場合は繰下げ扱いになる
年金請求書を提出しない場合、そのまま繰下げ扱いになって年金額が増える仕組みです。ただし、繰下げ受給は年金の受取開始時期を1ヶ月遅らせるごとに0.7%の増額率が適用されるので、もらい損になることはありません。
年金受取開始年齢を遅らせるほど増額率が高くなる仕組みで、66歳0ヶ月で8.4%、70歳0ヶ月で42.0%、最長の75歳0ヶ月で84.0%まで増やせます。
公的年金のうち、老齢基礎年金や老齢厚生年金のいずれかを繰り下げることも可能です。年金請求書の繰下げ希望欄にある「老齢基礎年金のみ繰下げ希望」「老齢厚生年金のみ繰下げ希望」のいずれかを選択しましょう。
繰り下げた年金はさかのぼって請求できる
年金請求書を提出せず繰下げ受給扱いになったとしても、5年前までならさかのぼって一括受給できます。年金の受取開始年齢である65歳で請求手続きを行わず1年後の66歳になったとしても、もらい損はありません。
なお、年金をさかのぼって請求できるのが5年前までなのは、年金の時効が5年間だからです。請求手続きを行わないまま5年が経過すると、5年より前の分の年金を受け取れません。
一括で受け取る場合は増額なし
年金の請求手続きを行わず繰下げ待機期間中になっていても、途中でやめることが可能です。66歳0ヶ月で65歳から本来受け取るはずだった1年分の年金を一括でもらえます。その場合、65歳時点で年金を受け取った扱いとなって、繰下げ受給による増額はありません。
収入があるなど生活費の工面が可能な状態ならば、一括ではなく繰下げ受給を選択したほうが年金額を増やせるのでよいでしょう。66歳0ヶ月で受け取る場合、8.4%(0.7×12ヶ月)の増額率が適用されます。
老齢基礎年金なら、満額の81万6000円(月額6万8000×12ヶ月分・2024年度の場合)に8.4%を乗じると6万8544円です。66歳0ヶ月から生涯にわたって受け取れる年金が毎年88万4544円(81万6000円+6万8544円)になります。
所定の年金請求書を提出しなければならない
年金受給開始年齢の3ヶ月前に届く年金請求書は、66歳を過ぎてから提出できません。提出期限が1年を超えると提出できないと定められているからです。請求手続きを行う場合は、所定の年金請求書を年金事務所または街角の年金相談センターで入手して提出してください。
年金のもらい忘れに気づいた時点で請求手続きを進めよう
年金が自動で振り込まれると解釈している人が意外に多いかもしれません。65歳から年金を受け取らなかったとしても、後からさかのぼることが可能です。気づいたタイミングにて繰下げ受給をする、または一括で受け取るか決めてください。
ただし、66歳0ヶ月にて65歳から1年間分の年金を受け取る場合、繰下げ受給による加算はありません。65歳時点で年金を受け取った扱いになる点に注意が必要です。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 年金の請求手続きのご案内
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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