新車を購入して「5年」。一度も”発炎筒”を交換したことがないのですが、故障やトラブルは心配ないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月6日 2時10分
一般的に助手席の足元などに設置されている発炎筒。非常時ツールとして搭載が義務付けられており、一度は目にしたことがある人は多いでしょう。 しかし発炎筒の有効期限や交換について意識したことがある人は少ないかもしれません。発炎筒は緊急時に重要なアイテムであり、性能を維持するためにも有効期限や交換時期について知っておくことは大切です。 そこで本記事では、発炎筒の有効期限などについて役立つポイントをまとめました。「何年も交換していない」という方は参考にしてください。
そもそも発炎筒の目的とは
発炎筒は「非常信号用具(事故などの非常事態を周囲に知らせるツール)」の一種です。発炎筒を使うことで、周囲に注意を喚起でき、後続車両の衝突を防ぎやすくなります。具体的な使用シーンとしては、以下のような状況が挙げられます。
・高速道路で車が動かなくなった
・踏切で動けなくなった
・カーブや荒天など見通しの悪い状況で車が故障した
発炎筒の有効期限・交換目安は何年?
発炎筒の有効期限は「4年」です。日本産業規格(JIS)によって規格が決まっており、定期的に交換する必要があります。また有効期限が過ぎていなくても、性能が著しく低下してしまった発炎筒は交換しなければならないケースがあります。
例えば損傷したり湿気を吸収したりして、性能が著しく低下した場合などです。
発炎筒を交換しないリスク
今回の事例のように、有効期限の4年間を超えても発炎筒を交換しない場合、大きなリスクがあります。
場合によっては命にかかわることも考えられるため、発炎筒の交換にはしっかり留意すべきです。代表的なリスクを2つご紹介します。
正常に作動せず事故につながるおそれがある
発炎筒は消耗品であり、時間経過とともに劣化する可能性があります。劣化すると不発や不完全燃焼を起こすかもしれません。
正常に作動しないと、非常事態について周囲に適切な周知ができず、事故回避の目的を果たせないでしょう。正常に作動していれば後続車両が前もって減速・停車できた場合でも、発炎筒が動かないことにより気づかずに衝突してしまうこともありえます。そうなれば最悪、命を失う事故を招きかねません。
車検に通らない可能性がある
発炎筒の期限が過ぎていると、車検に通らない場合があります。
「道路運送車両の保安基準」第43条の2によると、「自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない」とされています。
国土交通省によると、具体的には以下のような状態では基準に適合しません。
・夜間200メートルの距離から確認できる赤色の灯光を発しないもの
・自発光式でないもの
・灯器が損傷し、もしくはレンズ面が著しく汚損し、または電池が消耗したことにより性能の著しく低下した赤色合図灯
・損傷または湿気を吸収したため、性能の著しく低下した発炎筒
発炎筒の値段はどれくらい?
発炎筒は市販されており、ホームセンターやカー用品店、ECサイトで購入できます。従来の化学反応を用いた発炎筒だけでなく、最近ではLEDを用いた発炎筒も存在します。表1はそれぞれの製品の値段相場をまとめたものです。
表1
製品 | 値段(送料計算なし) |
---|---|
化学反応タイプ | 673円~ |
LEDタイプ | 739円~ |
※筆者作成
送料を別にすれば、おおむね700円前後で販売されています。カー用品店やホームセンターの店舗に直接行けば、送料なしで購入も可能です。
発炎筒は4年を目安に交換しよう
発炎筒の有効期限は4年と定められています。状態によっては4年たつ前に交換が必要なケースもあります。
有効期限を考慮し適切に保管・交換することで、発炎筒を正常に作動させられ、事故のリスクを回避できるでしょう。
出典
国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.9.26】 第220条(非常信号用具)
e-Govポータル 道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第六十七号) 第四十三条の二(非常信号用具)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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