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【化粧品の原価】メイク用品はどうしてこんなに高いの でしょう? 100円ショップでも売っているから「原価」は安いですよね?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月9日 3時20分

【化粧品の原価】メイク用品はどうしてこんなに高いの でしょう? 100円ショップでも売っているから「原価」は安いですよね?

化粧品が高い理由について、考えたことがありますか? 100円ショップでも手に入るものが、なぜ一般的な化粧品ブランドでは高価になるのでしょうか? 本記事では、その秘密に迫ります。

化粧品は開発費や広告宣伝費に多くの費用がかかっている

株式会社アースケア(大阪府豊中市)は、2023年12月に20~30歳の女性100名に対し、「『化粧品の効果』に関する調査」を実施しました。
 
調査の結果、38.1%の女性が「高価な製品ほど効果がある」と考えています。例えば1万円、3000円、500円の化粧水から一つを選ぶ場合、多くの人が中間の値段である「3000円の化粧水」を選ぶ傾向があります。
 
人々は性能の違いを理解できない場合、中間価格を選ぶ傾向があるようです。高価な製品には価値があり、安価な製品にはリスクがあるという考え方が一因となっていると考えられます。
 
化粧品の価格設定には、さまざまな要素が関係しています。原料代や製造費、容器代、広告宣伝費、開発費、販売費などがその中心です。多くの企業が独自の成分を開発し、これらの費用に巨額の資金を投じています。これにより、製品の希少価値が高まり、市場での競争力が向上します。
 
また、高価な化粧品ほど広告宣伝費や容器代などの効能とは無関係と思える費用も含まれており、価格と効果は比例するとはいい切れません。
 

ブランドコスメは値上がり傾向

化粧品原料の高騰や各種コストの増加、他国に比べて日本国内での販売価格が割安なことなどから、2022年以降、海外ハイブランドを中心に化粧品の値上げが進んでいます。
 
株式会社帝国データバンク(東京都港区)が行った、「『ブランドコスメ』価格改定動向調査」の結果によると、デパートで販売されている化粧品の約40%が2023年に価格を引き上げました。対象となった2000アイテム以上の平均価格は、約800円上昇しました。この要因としては特にフレグランスが挙げられ、香料の価格上昇などが影響しています。
 

化粧品業界は利益率が比較的低い

日本政策金融公庫が2023年2月に公表した、「小企業の経営指標調査」の業種別経営指標によると、化粧品小売業の売上高営業利益率は黒字企業かつ自己資本プラス企業平均で3.6%です。これは、売上高に対する営業利益の割合を示しており、企業の収益性を評価する一つの指標となります。この数値が高いほど、企業の収益性が高いといえます。
 
この数字を見ると、化粧品小売業界の利益率は一般的には比較的低い可能性があります。競合相手が多く、市場の競争が激しくなっているため、業界全体の利益率が低めになっていると考えられます。
 

100円ショップのコスメが安い理由

100円ショップにて、コスメを100円で提供できる理由はいくつかあります。
 
・原料の数が少ない
 
100円ショップコスメは、原料が少なくシンプルなのが特徴です。高い化粧品は原料が多く、100円ショップコスメは原料が少ないというのが、値段の差になっていると考えられます。
 
・低コストの原料を使用
 
化粧品の原料には、同じような効果・効能でも種類がたくさんあり、ランクがあります。100円ショップのコスメは、そのなかでもランクの低いものを使用していると考えられますが、ランクの高低は効果などの度合いによるものなので、ランクが低いからといって質が悪いというわけではありません。
 
・広告宣伝費がかからない
 
100円ショップコスメが安いのは、広告宣伝費がそれほどかかっていないことも影響しています。100円ショップは「100円で売る」というコンセプトが宣伝になっているため、高い広告宣伝費を投じる必要がありません。
 
これらの要素が組み合わさることで、100円ショップでは品質を担保したコスメを低価格で提供できるのです。
 

化粧品の価格は原価だけではない

100円ショップで見られるような安価な製品と一般的に知られる化粧品ブランドの製品とでは、原料の品質や成分、製造プロセスなどが異なります。ブランドの製品は高品質の原料を使用し、独自の技術や研究開発に多額の資金を投じています。これにより、肌への安全性や効果の確保が図られ、価格が高くなるのです。
 
また、ブランド化粧品には広告やマーケティングにも費用がかかります。有名人やモデルの起用、テレビや雑誌などでの広告展開は、製品のブランド価値を高めるために行われますが、これらの費用が製品価格に反映されます。
 
さらに、容器やデザインにもコストがかかります。つまり、化粧品の価格が高いのは、原料の品質や効果・ブランド価値・広告宣伝費・容器代・デザイン料などの要素が複合的に作用しているためといえます。
 
これらのことを意識しながら、さまざまな化粧品を比べてみると新たな発見ができるかもしれません。また、それをきっかけに自分により合った化粧品を探してみるのもよいでしょう。
 

出典

株式会社アースケア 「化粧品の効果」に関する調査
株式会社帝国データバンク 「ブランドコスメ」2023年価格改定動向調査
日本政策金融公庫 小企業の経営指標調査 卸売・小売業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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