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妻はパートで年収120万円ですが、パート仲間から「10月に扶養から外れるかもしれない」と聞いたそうです。妻に仕事をセーブしてもらうべきですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月10日 10時20分

妻はパートで年収120万円ですが、パート仲間から「10月に扶養から外れるかもしれない」と聞いたそうです。妻に仕事をセーブしてもらうべきですか?

Aさんの妻は年収120万円の扶養内パートです。妻がパート仲間から「制度改正で10月から年収130万円以下でも扶養から外れる人がいる」と聞いたそうで、手取りが減るなら仕事をセーブしてもらおうと考えていますが、より良い働き方があるなら知りたい、とのご相談です。

パートでも適用拡大で社会保険に加入する人が増える

適用事業所で働く人で、パートやアルバイトといった短時間労働者が、一定の要件を満たすと、社会保険(厚生年金保険・健康保険)の加入対象になります。2024年10月からは社会保険に加入している従業員51人以上の会社では、扶養から外れて社会保険に加入する人が増えることになります。
 
適用拡大によって新たに社会保険に加入する短時間労働者は、次の要件をすべて満たす人です。

1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
 
2. 月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
 
3. 2ヶ月を超えて継続して雇用される見込みがある
 
4. 学生でない

Aさんの妻が働いている会社規模が上記要件に該当していると、扶養から外れ、自身で社会保険に加入することになりそうです。扶養から外れるメリット、デメリットを考えてみましょう。
 

扶養から外れると手取りは減るが、将来の年金は増える

給与の総支給額が同じでも、Aさんの扶養であれば、全額が手取りとなります。ただし、給与額によっては、税金が控除されるかもしれません。扶養から外れると、社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険)が控除され、手取額は減ってしまいます。
 
ただし、扶養の範囲では将来受け取る年金は、国民年金の第3号被保険者であるため、老齢基礎年金のみですが、扶養から外れると国民年金の第2号被保険者となり、上乗せ部分である老齢厚生年金を受け取ることができ、将来の年金を増やすことができます。
 
社会保険に加入することで、高齢期に手厚い年金を受け取れることになります。妻の収入から社会保険料が控除されますが、保険料は事業主と折半です。
 

家族手当がつかなくなる可能性

夫の会社で家族手当のような手当がある人は、妻が扶養から外れると手当がつかなくなる可能性があります。夫の会社の就業規則等で確認が必要です。
 
夫の税控除が少なくなるかもしれませんが、妻が社会保険に加入したからといってすぐに控除がゼロになるわけではありません。妻の給与額によって段階的に少なくなりますが、それだけ妻の収入が増えたということなので、夫婦の収入を1つの家庭収入として考えるとプラスになるでしょう。
 

いざという時の保障がある

扶養の妻が病気やケガによって働けなくなった場合、パート収入がなくなり、さらに医療費が増加します。夫の収入のみとなり、支出が多くなります。
 
ただし、妻自身で社会保険(健康保険)に加入すると、健康保険からの手当として傷病手当金、出産により働けない場合は、出産手当金を受けることができます。傷病手当金、出産手当金は、配偶者の扶養内で働いている人にはありません。
 

まとめ

毎年10月になると地域型最低賃金が見直され、変更されます。2023年10月の東京都の最低賃金は1時間1113円です。時給があがるのはうれしいことですが、収入の上限が扶養の範囲内と限定されると、働く時間は限られてきます。つまり、働きたくても働けないということです。
 
妻に仕事をセーブする(就労調整)が必要かどうかは、夫婦でよく話し合い、仕事をセーブするかどうか、メリット、デメリットを理解し、働き方を決めてみてはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士

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