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地震で住宅が倒壊しました。税金を払うどころではありません。税金を減免してもらうことはできますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月15日 1時40分

地震で住宅が倒壊しました。税金を払うどころではありません。税金を減免してもらうことはできますか?

災害等で自分や家族の資産が損害を受けたときに、一定額を所得から控除できる「雑損控除」があります。他の所得控除に比べ大きな金額を控除できます。また、「災害減免法」の利用ができれば、所得税を軽減免除できるので所得控除よりも格段に節税効果が期待できます。

雑損控除とは

「災害」または「盗難」もしくは「横領」(限定列挙)によって、雑損控除の対象になる資産の要件にあてはまる資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除(雑損控除)を受けることができます。
 
したがって、最近はやっている詐欺(オレオレ詐欺など)や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。また、株や不動産の売却損失も適用外です。
 
雑損控除の対象になる資産とは、本人や家族が日常生活するのに通常必要な住宅・家財、現金などに限られます。例えば、別荘など趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する不動産や貴金属(製品)、骨董、書画など1個(1組)の価額が30万円超のものなど、生活に通常必要でない資産は対象外です。
 

雑損控除の対象となる損失額

「災害」または「盗難」もしくは「横領」によって生じた損失のほか、災害関連支出の金額も含めることができます。災害関連支出の金額とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊しまたは除去するために支出した金額や、盗難・横領によって損害を受けた資産の状態を回復するための支出など、をいいます。
 
ただし、災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金などの金額は差し引いて損失額を計算します。
 
雑損控除できるのは、次の(1)と(2)のうちいずれか多い方の金額となります。
 

(1) (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
(2) (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

 

災害減免法による所得税の軽減免除

雑損控除とは別に、災害減免法という制度によって所得税の軽減免除があり、どちらか有利な方法を納税者が選択できます。
 
具体的には、災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除きます。)が「その時価の2分の1以上」、かつ、「災害にあった年の所得金額の合計額が1000万円以下」のとき、災害減免法によりその年の所得税が軽減されるかまたは免除されます。
 
ただし、その災害による損失額について雑損控除の適用を受ける場合は適用外です。
 

災害減免法による所得税の軽減免除額

軽減または免除される所得税の額は所得金額の合計額に応じて次のようになります。
 

・500万円以下は所得税の額の全額
・500万円を超え750万円以下は所得税の額の2分の1
・750万円を超え1000万円以下は所得税の額の4分の1

 
なお、給与や公的年金等、報酬等の支払を受ける方が災害を受けたとき、その災害による住宅や家財の損害金額が、「住宅または家財の価額の2分の1以上」で、かつ、「その年分の合計所得金額の見積額が1000万円以下」である場合には、その見積額に応じて、源泉所得税および復興特別所得税の全部または一部について、徴収猶予や還付(報酬等は除く)を受けることができます。
 

災害減免法VS雑損控除 どっちが得?

雑損控除では、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後3年間、繰り越して、各年の所得金額から控除できます(雑損控除は他の所得控除に先だち控除することになります)。一方、災害減免法では、繰り越し控除の規定はありません。
 
一般的に、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない方で、翌年以降も多額の所得がある方は雑損控除がお得といえます。一方、所得税額が被害額より大きい場合は災害減免法のほうがお得だといえます。
 

出典

国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
国税庁 No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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