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電気・ガス代の料金補助が「8月分」から再開! エアコンを12時間つけっぱなしの場合、電気代はどれだけ安くなる? 補助金「あり・なし」の電気代を試算

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月14日 2時20分

電気・ガス代の料金補助が「8月分」から再開! エアコンを12時間つけっぱなしの場合、電気代はどれだけ安くなる? 補助金「あり・なし」の電気代を試算

7月になり今後さらに気温が上がると、家の中を快適な状態に保つために、エアコンの利用は欠かせません。また、朝晩も気温があまり下がらないと、エアコンは長い時間つけっぱなしにする人は多いでしょう。   しかし、物価高騰時の生活支援を目的とした政府の電気・ガス代の補助金が6月で終了したと聞いて、電気料金はどれくらいになるのか心配な人も多いのではないでしょうか。   本記事では、政府の電気・ガス料金の補助金の内容に加え、12時間エアコンをつけっぱなしにした場合の電気料金をシミュレーションして、補助があった場合となかった場合の料金を比較します。さらにはエアコンの節電方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

これまで行われていた政府の電気・ガス料金補助とは

6月まで政府が行っていた電気・ガス料金の補助である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、物価高騰に伴う生活支援対策の一環として、2023年1月から実施されていました。使用料1kWh(キロワットアワー)単位で補助されており、価格抑制の原資が、直接政府から電力会社に補助されることで、利用者に請求される電気料金が実際より低く抑えられていたものです。
 
図表1のとおり電気料金補助は時期によって変動しており、補助は5月使用分まででいったん終了します。実際の請求は2ヶ月遅れとなるため、8月に請求される6月分使用分から2ヶ月間は補助がありません。なお、政府は10月に請求される8月使用分から補助を再開すると表明しています。
 
図表1 

2023年1月~8月使用分 2023年9月~2024年4月使用分 2024年5月使用分 2024年6月使用分~
低圧契約の一般家庭等向けの補助金額 7円/1kWh 3.5円/1kWh 1.8円/1kWh 補助なし

これまでの一般家庭向け電気代補助 筆者作成
 

冷房時に12時間エアコンをつけっぱなしでかかる電気料金は?

エアコンの電気料金は設定温度や外気温、部屋の広さ、住宅性能などの使用環境、さらには電力会社との契約によっても異なります。そのため、正確な電気料金は把握できませんが、一方で計算式は比較的簡単なため、消費電力から逆算した目安の電気料金は算出可能です。
 
まず、電気料金は「消費電力(キロワット:kW)×電力料金単価(円/kWh)×使用時間」の計算式で求められます。電力料金単価は地域や電力会社によって異なりますが、全国家庭電気製品公正取引協議会は全国平均の電気料金単価を31円/kWh(2024年7月現在)と定めており、この単価が目安となります。
 
ここで計算上問題になるのは、エアコンの消費電力です。消費電力とは、電化製品を動かすのに必要な電気で、電化製品のカタログにはW(ワット)で表示されています。ちなみに1000Wで1kW(キロワット)となるため、800Wであれば0.8kWです。
 
消費電力はエアコンの初動時に大きくなり、外気温、利用する部屋の広さなどでも変わります。また、年々エアコンの省エネ性能も向上しており、エアコンの購入時期やグレードによっても違いが出ます。
 
エアコンのカタログや説明書を見ると消費電力が表示されていますが、図表2のとおり、年間を通した消費電力である期間消費電力量や、JISで定められた冷暖房時の消費電力などがいくつかの記載が見られます。
 
図表2

日立 ルームエアコンカタログ2024春夏より抜粋
 
電気料金の計算にあたっては、10畳の部屋に冷房を利用すると仮定し、図表2の製品の冷房時消費電力を例に計算してみましょう。消費電力560Wで計算すると「消費電力0.560kW(560W)×31円/kWh×12時間=約208円」となり、月に直すと「208円×30日=月6240円」に及びます。エアコンが2台の家庭では、エアコンだけで電気料金が1万円を超え、大きな負担となるのは言うまでもありません。
 

補助金があった・なしになった場合で比較

政府の電気代補助で電気料金はどう変化するのでしょうか? 政府は5月使用分までで終了した電気代補助金を8月から10月使用分に限定して再開するとしており、8月と9月は4円/kWhを補助する予定です。
 
そのため補助が再開すると、12時間つけっぱなしの冷房時電気料金は、同じ前提で「消費電力0.560kW×4円/kWh×12時間=約26円」、月に直すと「26円×30日=月780円」安くなります。エアコン2台で1500円以上安くなり、冷房以外の電気料金も併せ、補助の有無で家庭の電気料金に大きな差が生じます。
 

エアコン冷房時の節電方法は?

補助があれば電気料金は抑制されますが、電気料金は国際的なエネルギー情勢、国内の電力供給力不足、再生可能エネルギー拡大に向けた賦課金など、さまざまな要素で上昇傾向が続くと思われます。そのため、エアコンの節電方法を理解して、家計の負担を軽減することも大切です。
 
エアコンの主な節電方法の例は次のとおりです。

●エアコンは自動運転モードで、水平向きの利用を心がける
●扇風機やサーキュレーターを併用する
●カーテンやブラインドなどで太陽光の侵入を抑える
●室内機のフィルターをきれいに保つ
●室外機への直射日光を避ける
●室内温度の目安は28℃

これらは、あくまで例に過ぎませんが、実践すれば効率よく冷房の効果が得られ、電気料金の低減につながります。
 

まとめ

異常気象も相まって、今年も酷暑が予想されており、冷房時の電気料金は悩みの種ですが、一方で、電気料金を抑えようと適度なエアコン利用をしなければ、熱中症などで体調を崩してしまう可能性があり、本末転倒です。
まずは電気料金の内容と節電方法を把握し、効率よくエアコンを利用しながら暑い夏を乗り切りましょう。
 

出典

資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援
日立 デジタルカタログ ルームエアコン2024春夏
 
執筆者:松尾知真
FP2級

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