退職は「60歳」と考えていたのですが、会社の定年が「65歳」に引き上げられました。退職金「1000万円」の予定でしたが、早めに退職すると“減額”になる可能性もあるのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月18日 2時20分
![退職は「60歳」と考えていたのですが、会社の定年が「65歳」に引き上げられました。退職金「1000万円」の予定でしたが、早めに退職すると“減額”になる可能性もあるのでしょうか…?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_309388_0-small.jpg)
勤めている企業に退職金制度があれば、定年退職時に退職金がもらえて老後生活の充実につながります。一方、近年では定年退職年齢が引き上げられる傾向にあり、退職するタイミングについて悩んでいる人もいるかもしれません。 そして、退職金は必ずしも全額もらえるわけではなく、金額によっては税金の支払いが必要になることもあります。本記事では、定年退職における税金の計算方法などについて解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
退職金の仕組みは企業によって異なる
退職金の仕組みは企業によって異なります。企業によってはそもそも退職金制度がない会社もあります。もともと60歳で定年退職と思って働いていたのに、定年が65歳に延びた場合などは退職のタイミングの判断を難しく感じる人もいるでしょう。
60歳で辞めた場合と65歳で辞めた場合で退職金が変わる可能性があるため、退職を検討する際には人事部や経理部などの担当部署への確認が大切です。
基本的には本来の退職金が減らされるリスクは高くないですが、具体的な規定は企業によって違います。自分の判断だけで決めつけると、思わない問題やトラブルにつながるかもしれません。
近年では、「早期退職の募集」をおこなっているケースもあり、早期退職に応募したほうが退職金は多くなる傾向にあります。ただし、早期退職すると年収がなくなるため、本当に早期退職しても問題なく生活が送れるか判断が必要です。
退職金にかかる税金についても把握しておく
退職金は全額が手取りとして受け取れるわけではなく、勤続年数やもらった金額によって税金を支払います。
そのため、住宅ローンや車のローンなどの支払いが残っている場合、先に手取り金額について把握しておくことは大切です。課税退職所得金額の計算方法は次のとおりです。
・課税退職所得金額=(退職金金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2
また、退職所得控除の計算方法と課税退職所得金額ごとの所得税率は図表1および2のとおりです。
図表1 退職所得控除の計算方法
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円未満なら80万円に一律) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
国税庁 退職金と税を基に作成
図表2 課税退職所得金額ごとの所得税率
課税退職所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円から194万9000円 | 5% | 0円 |
195万円から329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万円から694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万円から899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万円から1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円から3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円 | 45% | 479万6000円 |
国税庁 退職金と税を基に作成
図表のように退職金に対しての所得控除や税金は決められているため、自身の勤続年数なども視野に入れて考えることが大切です。少しでも退職金を手元に残したいと考えるなら60歳で退職するよりも、65歳で退職するのがおすすめです。
ただし、定年退職した後の選択肢もいろいろあるので、自分に合った方法を選択してください。
まとめ
近年では定年退職の年齢を延ばしている企業が多くなっており、その分、退職するタイミングで悩む人は増えているかもしれません。
基本的には長く働いた方が支払う税金は少なくなりますが、退職して再雇用で働くなど選択肢はさまざまです。やりたいことや各種ローンの支払いなども視野に入れて、退職するタイミングを決定するようにしましょう。
出典
国税庁 退職金と税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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