1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

障害年金は20歳からもらえるようですが、それ以前に障害を負った場合は対象外なのですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月19日 8時50分

障害年金は20歳からもらえるようですが、それ以前に障害を負った場合は対象外なのですか?

障害年金とは、日常生活や仕事に支障をきたすほどの病気やけがを負った際に受給できる年金です。障害年金の受給期間は20歳〜64歳で、65歳以上は障害年金か老齢年金のどちらかを選択しなければなりません。今回は、20歳未満の障害年金について解説します。

20未満は支給額が制限または停止される可能性がある

結論からいうと、20歳前であっても一定の条件を満たせば障害年金の対象になる場合がありますが、そうでない場合は、20歳になったのと同時に障害年金を受け取ることが可能です。これを「20歳前の傷病による障害年金」と呼びます。しかし20歳未満の場合、適用条件と受給額が通常と異なります。
 
20歳未満の受給額は「全額受給・1/2受給・受給停止」の3つに区切られています。通常の障害年金に所得制限はありませんが、20歳未満の場合は所得面で要件が課される点にご注意ください。
 

20歳未満における障害年金の受給額

20歳未満の障害年金の受給額は、前年所得が370万4000円または、472万1000円を超える支給額が調整されます。
 
日本年金機構によると、それぞれの支給額は以下の表1の通りです。
 
表1

1級 2級
370万4000円以下 102万円 81万6000円
370万4001円から472万1000円 51万円 40万8000円
472万1000円を超える 0円 0円

※日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」をもとに筆者が作成
 
なお、「扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円」加算されます。
 
また日本年金機構によると、この対象者について「対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円が加算され、特定扶養親族または控除対象扶養親族(19歳未満の者に限る)であるときは1人につき63万円が加算されます。」としています。
 

恩給または労災保険の受給分は障害年金から差し引かれる

恩給や労災保険を受給している際は、その受給額分が障害年金の受給額から差し引かれます。どちらも受給したままだと不正受給にあたるため、「国民年金受給権者 支給停止事由該当届」を提出する必要があります。
 
同様に恩給や労災保険の金額に変更があった場合は、「国民年金障害基礎・遺族基礎年金受給権者 支給停止額変更届」を提出しましょう。
 

障害年金で大切な「初診日」と「障害認定日」について

障害年金を受給するには、病院に受診したうえで障害等級が1級または2級と認定されなければなりません。ここで大切な概念が「初診日」と「障害認定日」です。これらは障害の種類や年齢によって考え方が異なります。
 

初診日とみなされるタイミング

初診日は原則「医療機関を受診した日」とされます。例えば大きなけがで障害年金を受給する場合、初診日は受診した日付け通りです。しかし知的障害の場合は、例外的に生年月日が受診日とみなされます。そのため例え19歳のときに受診して知的障害が発覚した場合でも、書類上の初診日は生年月日とされるのです。
 
ただし「発達障害」の場合は別です。発達障害も先天的な障害ですが、こちらは傷病と同じく初めて受診した日が初診日とみなされます。
 

障害認定日のタイミング

障害認定日とは、病気やけがによる障害の状態を決定する日付けのことです。原則として「初診日から1年6ヶ月経過した日」が障害認定日とされます。ただし20歳未満の場合は、例外として「20歳の誕生日前日」または「初診日から1年6ヶ月経過した日」の遅い日付けが適用されます。
 

制度の落とし穴に注意

障害年金に限らず、国内の給付金や補助金といった各種救済制度の適用には、必ず適用要件が課されます。要件を満たしていれば問題ありませんが、なかには本来適用できてもおかしくないが、要件をギリギリ満たしていないために、対象外とみなされ、生活に大きなハンデを背負うこともあります。
 
「適用できるだろう」と楽観視していると、思わぬ落とし穴にはまる可能性もあるため、救済制度の要件を満たしているか事前に市役所や国民生活センターに相談しておくとよいでしょう。
 

障害年金は20歳以降なら受給できる

けがや病気にはいつ直面するか分からないものです。日本の年金制度では一定の制約が課されるものの、基本的には生活困窮者に向けた金銭的な救済制度が充実しています。
 
しかし制度の多くは事前の申請が必要な場合が多いため、まずは「制度の存在を知ること」と「要件を満たしているか」を確認することが重要です。救済制度は国だけでなく自治体でも実施している場合があるため、常に情報収集をして備えておくことが必要といえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください