夏休みに海外旅行で「タイ」に行きますが、円安で「1バーツ=4.3円」と両替が不安です。現地通貨なしで“クレジットカードだけ”で済ませたほうがお得でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月23日 5時0分
もうすぐそこまで迫っている夏休みシーズン。コロナ禍の自粛ムードが終了したこともあり、海外旅行を計画している人も多いのではないでしょうか? 一方、現在かなり円安が進行している点が気がかりという人もいるでしょう。旅行前、円を現地の通貨に両替したくないという気持ちになるのも理解できます。 本記事では夏休みにタイ旅行に行く人を例に、両替せずにクレジットカードだけで旅行ができるかを考えていきましょう。
2021年から日本円は円安に移行している
日本銀行によれば、東京為替市場のドル・円相場の月中平均について2020年は1月の109.38円から12月の103.83円まで右肩下がりで円高に進んでいました。
ところが、2021年6月に1ドル=110円を超えて以降は急激に円安に進み、同年12月には113.88円、2023年12月には144.09円、2024年6月には157.9円になっています(2024年7月調査時点)。
ドル/円だけでなく、ほかの外国通貨に対しても円安は進行しています。例えばタイバーツ/円は2020年頃に1タイバーツ=3.3円程度だったところ、現在では1タイバーツ=4.3円前後で推移しています。
円安時では日本円を外貨に両替すると損をする可能性がある
円安時は、海外旅行に行くために円を外貨に両替する際に、円高時よりも多くの日本円が必要です。
1万タイバーツに両替するケースで考えてみましょう。1タイバーツ=3.3円のときは3万3000円あれば両替できるところ、1タイバーツ=4.3円のときは4万3000円を用意しなければいけません。
また、両替のたびに手数料が発生します。例えば、2024年7月19日時点のタイバーツ/円のレートは4.35円ですが、成田空港にある外貨両替サービスを利用すると4.84円のレートでの交換になり、約10.1%の手数料が発生します。また、日本帰国後にタイバーツが余ったときは再び日本円に両替するという手間も発生します。
そこで、海外旅行の支払いに活用したいのがクレジットカードです。
クレジットカードならお得に海外旅行ができるが注意点もある
タイに限ったことではなく、海外旅行にはクレジットカードを持っていくと便利です。現地通貨に両替する手間が必要なく、為替手数料を支払う必要がありません。現地の通貨が余って再度日本円に両替するといったことも不要なので、帰国後はスムーズに帰宅できます。
なお、クレジットカードの海外利用代金は決済当日の為替レートではなく、決済センターに売り上げデータが到着した時点(決済から3~4日後)での為替レートに海外事務手数料が加わったレートを日本円に換算して計算されます。
海外の多くの国では日本並みかそれ以上にキャッシュレス化が進んでおり、クレジットカードがあればスムーズに会計できるでしょう。
タイにおいてはモバイル決済「PromptPay」、クレジットカード「PromptCard」などが普及しており、アカウントの重複を除いた人口カバー率は約6割に達します。
ただし、タイなど東南アジアに旅行に行く際は特に、少額の現金を持って行った方が安心です。東南アジアの醍醐味(だいごみ)ともいえる屋台や露店ではクレジットカードに対応していない店も多くあります。
また、トゥクトゥクなど現地ならではの乗り物やバス・電車を利用するときも現金での支払いに限られる場合があります。少額でも現金があれば、店側のトラブルでクレジットカードが利用できない事態にも対応できるでしょう。
屋台で食事をするなら1回当たり1000円、1日3000円もあれば十分に楽しめるはずです。お土産代や交通費などを考えても、1日5000円前後の現金とクレジットカードがあれば困ることはないでしょう。
一方で、海外にクレジットカードを持っていく際は盗難やスキミングなどの被害を受けないように注意が必要です。例えば、読み取り機器の不調を原因にクレジットカードの手渡しを要求され、待っているあいだにATMで現金を抜かれるようなケースがあります。
クレジットカードは安易に他人に渡さないことはもちろん、暗証番号を他人に知られないように十分に気を付けましょう。
まとめ
円安が進んでいる現在は、日本円からタイバーツに両替するたびに日本円を多く用意しなければならず、何度も現金の両替をすると手数料の支払いも高額になります。クレジットカードなら両替の手間なく支払いができ、帰国後に日本円へ再両替する必要もありません。
ただ、タイなど東南アジアの旅行先で、ローカルエリアを楽しむなら現地通貨を少額でも用意しておくと安心です。また日本では想像できないような方法でクレジットカードを不正利用される被害も想定されるため、クレジットカードを使う際は防犯を意識したうえで利用しましょう。
出典
日本銀行 時系列統計データ検索サイト
金融庁 令和4年度金融庁委託調査 「アジア諸国での金融デジタル化及び電子決済サービスの動向と、我が国との国際協調の展望に関する委託調査」報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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