30歳会社員です。老後の生活費に「2000万円」不足すると聞きました。今から「貯金」するなら、月いくら必要でしょうか? 年金は妻と2人で「月23万円」の見込みです
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月23日 10時0分
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2019年に老後2000万円問題がニュースなどで大々的に取り上げられたこともあり、「年金だけでは老後生活ができないのではないか?」と不安に感じている人は多いのではないでしょうか。 本記事では老後に受け取れる年金収入や退職金の相場を確認しつつ、老後に安心して生活するにはいくらのお金が必要かを考えてみましょう。
夫婦2人の老後の年金受給額の平均は月約22~23万円
日本年金機構によれば、平均的な収入で40年間会社員として働いた夫の老齢厚生年金と、妻との2人分の老齢基礎年金を合わせた標準的な年金額は2024年度で1ヶ月あたり約23万円です。
総務省家計調査によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の2023年の収入約24万円のうち約22万円が社会保障給付(年金)となっており、このことからも老後夫婦の平均的な年金収入は約22万~23万円と分かります。
一方、厚生労働省の簡易生命表(2022年)によると、男女の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳です。
一例として、男女とも同年齢の夫婦が毎月22万円の年金を65歳から男女の平均寿命の間の85歳まで受け取ったとすると、年金収入の合計は5280万円です。
会社員として定年退職した場合の退職金の平均は2037万円
前項の老後夫婦の年収には厚生年金が含まれていますが、つまり、夫(または妻)は会社員であったと考えられます。そして、会社員である夫(または妻)が定年退職するにあたっては、多くの場合「退職金」を受け取るはずです。退職金を受け取ることができれば、その全額を老後資金に充てることも可能でしょう。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒で管理・事務・技術職の人が35年以上働いた場合の退職金の平均支給額は2037万円です。
年金収入である5280万円を合計すると7317万円と計算できます。
65歳以上の高齢夫婦世帯の生活費は、どんな生活を送りたいかで異なる
老後の収入が分かったあとは、老後に必要な生活費を差し引くことで不足額が分かります。
総務省の家計調査(2023年)によれば、65歳以上の高齢無職世帯の消費支出と非消費支出の合計額は約28万円です。
65歳で夫が現役を引退し、夫婦で85歳まで生活すると仮定すると、必要な生活費は約6780万円です。前記の退職金と年金収入の合計7317万円から6780万円を引くと537万円の黒字になります。
公益財団法人生命保険文化センターの生活保障に関する調査(2022年)でも、老後の最低生活費は23万2000円とされています。ぜいたくをしない生活で、かつ退職金や老齢年金を受け取れる世帯であれば、シミュレーション上は現役中に老後に向けた貯金をしていなくても乗り切れるかもしれません。
ただし、充実した老後を過ごしたい場合は話が大きく変わります。同じ調査では「ゆとりある老後」に必要な生活費は平均37万9000円とあり、65歳から85歳までの20年間を過ごすためには9096万円がかかります。
この場合、退職金と年金で7317万円を受け取れるとしても1779万円の不足になり、現役世代のうちに貯金しておかないと生活が厳しくなるでしょう。
1779万円を貯めるには、30代の会社員が65歳になる35年のあいだに、1ヶ月あたり約4万2000円ずつ貯金する必要があります。
まとめ
今回は、現役時代に夫が会社員だった夫婦の年金と退職金から老後の生活費を差し引き、貯金しないと生活費が不足するかを見てきました。最低限の生活を送るだけでなく、ゆとりある生活をしたい場合は、現役時代から計画的に貯金を進める必要があります。
自分の場合は受給できる年金や退職金の金額、老後の生活費などがどうなるか、どういう老後生活を送りたいかなどを考え、将来を見据えて毎月少しずつ貯金や資産運用を進めていくと良いでしょう。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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