ぼったくりバーに入ってしまい、「現金20万円」を支払いました。お金を取り戻せる可能性があると聞いたのですが、本当でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月25日 3時0分
![ぼったくりバーに入ってしまい、「現金20万円」を支払いました。お金を取り戻せる可能性があると聞いたのですが、本当でしょうか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_311287_0-small.jpg)
都市部や繁華街には、チャージ料やお通し代と称した法外な料金を請求する「ぼったくり店」が存在します。キャバクラ・ガールズバー・居酒屋など、怪しいキャッチの謳い文句でお店へ誘い込まれ、被害に遭うケースも珍しくありません。今回は、ぼったくり店の支払いを返してもらえるのかについて解説します。
ぼったくりのお金は返ってくる可能性がある
結論として、ぼったくり店で代金を支払っている場合でも、後日お金が返ってくる可能性はあります。
飲食店の料金は原則としてお店側が自由に設定してよいものですが「お店側から料金に関して事前の説明がない」「嘘の料金を提示して入店を促した」といった場合は、錯誤による取り消しの主張が可能です。
また、公序良俗の面で明らかに不当な料金と判断できる場合も、払ったお金を返してもらえる可能性があります。
例えば「1杯500円とだけ言われて入店したら、チャージ料が8万円だった」といったケースが該当します。この場合、チャージ料金8万円は誰が見ても法外な値段と見てとれるため、一般的な価値観にそぐわないとして契約自体を無効にできるのです。
民法95条および96条が適用されるなら返金に応じてもらえる
上述のケースは民法95条および96条における「錯誤による契約の無効」「詐欺又は脅迫による契約の取り消し」に適用される可能性が高いため、弁護士に相談すれば返金に応じてもらえます。
ただし、実際に返金できるかどうかは、入店前のやり取りや事前説明の有無によって異なります。そのため、必ずしも返金できるとは限らないという点に注意が必要です。一度でも支払った後に返金を要求すると法的な争いが複雑化するため「少しでも怪しいと思ったらお店に入らない」として回避するのが最善手といえるでしょう。
ぼったくりに遭ったときの対処法
ぼったくりは「キャッチについていかない」「怪しいと思ったらお店に入らない」といった対処がベストですが、言葉巧みに誘導されて入店してしまった場合には、なかなか支払いを拒否しづらいものです。支払いの拒否によって暴力を受けたり脅迫されたりすることを危惧して、しぶしぶ支払いに応じる方も多いでしょう。
支払いに応じなければ身に危険が迫りそうと思った際は、以下の対処法を実践してみてください。
クレジットカードで支払う
ぼったくり被害に遭いそうなときは、現金を使わずクレジットカードを使いましょう。支払い後にクレジットカード会社と警察へ相談すれば、被害届の発行により代金の引き落としを未然に防げます。
ただし悪質な店舗だと、スキミング(カード情報を盗み取る機械)や盗撮カメラによってカードを悪用される可能性もあります。クレジットカードを複数所持しているなら、普段使わないほうを優先的に使い、使用後は早急にクレジットカード会社へ事情を説明して利用を停止してもらいましょう。
やり取りを動画や音声に残す
ぼったくりは、返金に応じてもらうための物的証拠として残るものがほとんどありません。キャッチの謳い文句も「そんなことはいってない」「きちんと料金については説明している」と主張されればそれまでです。
返金を要求した場合も店舗側の抵抗が予想されるため、スマートフォンの録画機能を使い、動画や音声として証拠を残しておくことをおすすめします。
被害の相談は警察だけに頼らない
ぼったくり被害に遭ったときは、まず警察に相談すべきですが、国民生活センター・クレジットカード会社・弁護士にも頼ることをおすすめします。警察には「民事不介入原則」があり、ぼったくり被害に遭ったというだけでは動いてくれない可能性があるためです。
また、ぼったくりは刑法における「詐欺罪」とみなすのが困難な事案で、刑事事件として立件するのが難しいといわれています。警察に相談して対処してもらえない場合には、早急にほかの機関に頼りましょう。
ぼったくりは支払い後でも対処が可能
ぼったくり被害は一度の損失が大きいため、被害に遭った際は早急に警察や弁護士に相談しましょう。必ずしも返金できるとは限りませんが、証拠があるなら返金してもらえる可能性はゼロではありません。個人で返金を求めるのは難しいため、まずは専門機関に相談することをおすすめします。
出典
法務省 意思表示に関する見直し
e-Gov法令検索 刑法
大阪府暴力追放推進センター 民事不介入原則の誤解
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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