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不労所得で生活したいです。毎月20万稼いだ場合、どのくらい税金を払う必要がありますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月25日 23時20分

不労所得で生活したいです。毎月20万稼いだ場合、どのくらい税金を払う必要がありますか?

2020年頃から、「F.I.R.E.」というものが話題になったことがありました。「Financial Independence, Retire Early(早期リタイアと経済的な自立)」という意味ですが、要するに「不労所得による生活を送ることを目指す」というものです。   F.I.R.E.を目指す人の中には、「完全なF.I.R.E.」とはいかないものの、収入の柱を労働による収入としながら、不労所得から副収入を得る人もいるのではないでしょうか。今回は、不労所得が増えたときの税金について考えてみます。

「不労所得」はどんなもの?

「不労所得」と聞くと、株式などへの投資で得た利益を思い浮かべる人もいるでしょう。F.I.R.E.はもともと、アメリカの「S&P500」に投資を行い、物価上昇率以上の利回り部分で生活を送ることを目指すものでした。
 
しかし、「不労所得」は株式投資に限ったものではなく、不動産投資によるものであったり、前述の株式投資の値上がり益だけではなく、預貯金や公社債などの利子所得であったり、株式の配当や投資信託の分配金などの配当所得であったり……と多岐にわたります。
 
その他にも「不労所得」を得る方法はあると思いますが、今回は株式投資など有価証券の投資や不動産投資の「不労所得」を得たときの税金について考えていきます。
 

株式等による不労所得の税金は?

株式投資など有価証券への投資によって得られる不労所得には「インカムゲイン」という、配当金や投資信託の分配金のほか、債券や預貯金など利子のようなものも含む、配当所得があります。
 
また株式投資や投資信託では、配当金 や分配金ではなく、値上がり益を取り崩して不労所得を得る「キャピタルゲイン」という譲渡所得があります。
 
前述の配当金や分配金で得られた所得に対しては、利益が出た部分を源泉分離課税として他の所得と分けたうえで、所得税が課せられます。
 
具体的には、所得税と住民税合わせて20%あり、そのうちの所得税に対して復興特別所得税が2.1%かかり、所得税・住民税と復興特別所得税を合わせて20.315%が徴収されることになります。株式などの有価証券を一部売却などして利益が得られた場合も、同様に、利益に対して20.315%が課せられることになります。
 
ただし、現在はNISA(少額投資非課税制度)という税制優遇があり、一定の投資額に対しての運用益等は非課税となっています。
 
NISA制度の成長投資枠で投資を行った場合は年間240万円、累計最高1200万円までの運用益など、つみたて投資枠では年間120万円、累計最高1800万円までの運用益などが非課税とされます。
 
つみたて投資枠では金融庁が選定した一定の投資信託等に投資が可能ですが、成長投資枠では株式投資など幅広い投資対象を選べるようになっています。
 
仮に毎月20万円の「不労所得」がある場合、この20万円が全て利益であれば、(20万円×20.315%=)4万630円の税金がかかります。しかし、NISA制度を活用すれば、課税されないことになります。
 
ただし、2024年からのNISA制度では、毎月分配型の投資信託がNISA対象外となったため、毎月分配型の分配金に対しては、利益が出た部分には課税されることになります。
 

不動産投資による「不労所得」の税金は?

不動産投資は、現物の不動産を購入して賃料などを得る方法と、証券化された「REIT(不動産投資信託)」といわれる投資信託を購入する方法があります。このうちREITの場合は、前項の有価証券同様の課税になります。
 
現物の不動産を購入して賃料を得た収益の場合は、総収入から経費を差し引いた不動産所得に対して課税されることになります。一方で不動産所得に対しては、最終的に他の所得と合算されたうえで、収入が増えれば課税される税率も増える「累進課税」という制度がとられています。
 
例えば、年収500万円の人が、不動産投資によって月の収入を20万円得るようになれば、年間の収入は合わせて740万円になります。
 
ここで年収からは、給与所得控除や基礎控除、さらに配偶者や扶養する子どもなどがいれば配偶者控除・扶養控除等の各種控除が引かれた金額を、不動産投資では、借入金の利息や火災保険などの損害保険料や減価償却費などを経費として、収入からそれぞれ差し引くことができます。
 
また、同様のケースにおいて、上記の人が独身でその他の控除もない場合は、社会保険料率が15%とすると、給与所得は(500万円-144万(※1)-48万円(※2)-75万円(※3)=)233万円となります。また、不動産投資による収入240万円のうち経費が100万円であれば、不動産所得は140万円となります。
 
すると給与所得の233万円と不動産所得140万円を合わせた373万円に課税されることとなるので、所得税は(373万円×20%-42万7500円=)31万8500円、住民税は〔(238万円(※4)+140万円)×10%+5000円=〕38万3000円となります。
 
(※1)給与所得控除
(※2)所得税の基礎控除
(※3)社会保険料
(※4)住民税の給与所得281万円-住民税の基礎控除43万円=238万円
 

まとめ

「不労所得」を得るには、いくつかの方法があります。「不労所得」に対する課税は、その方法によって種類が変わってきます。
 
株式投資など有価証券での「不労所得」では源泉分離課税され、利益の20.315%に課税されることになり、不動産所得では他の所得と合算された額に課税されることになります。
 
また、有価証券投資の配当金や売却益などの「不労所得」はNISAの対象になる可能性もあり、非課税で受け取ることも考えられます。ただし、毎月分配型投資信託はNISA対象外となったため、利益分には課税されるようになります。
 

出典

国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
国税庁 株式・配当・利子と税
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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