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運転免許を持っていません。電動キックボードは運転免許なしで利用できるって本当ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 2時10分

運転免許を持っていません。電動キックボードは運転免許なしで利用できるって本当ですか?

令和5年7月1日に道路交通法の一部改正により、一定の基準を満たす電動モビリティについては、運転免許なしで走行が可能となりました。そのため、極端に言えば、道路交通法などを全く学んだことのない(運転免許を取得していない)人でも、電動キックボードなどを利用できることになります。   そこで本記事では、電動キックボードに関する走行ルールや違反に対する処罰などについて、確認していきます。

免許不要で走行可能な「特定小型原動機付自転車」とは?

そもそも電動モビリティの車両区分は、「自動車」と「原動機付自転車」に大別され、法改正前は全て運転免許の取得が必要でした。法改正後は、原動機付自転車のなかでも以下の基準を満たすものは「特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)」と定められ、免許不要で走行可能となりました。

(1)車体の大きさが長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下であること
(2)原動機として、定格出力0.60キロワット以下の電動機を用いること
(3)時速20キロメートルを超える速度を出すことができないこと
(4)走行中に最高速度の設定を変更することができないこと
(5)オートマチック・トランスミッション(AT)機構がとられていること
(6)最高速度表示灯が備えられていること

加えて、走行時は以下の3つの条件を満たすことが求められます。

(1)道路運送車両法上の保安基準に適合していること
(2)自動車損害賠償責任保険(共済)の契約をしていること
(3)標識(ナンバープレート)を取り付けていること

現在、乗車の際のヘルメットの着用は努力義務となっています。車両の保安基準については、地方運輸局による型式認定番号標または性能等確認実施機関による表示(シール)の有無が目安となります。
 
ただし、一部インターネット販売などで流通している条件を満たさない車体については、たとえ見た目が電動キックボードのようであっても「一般原動機付自転車」に該当し、運転免許が必要となるので注意が必要です。
 

一部歩道を走行可能な「特例特定小型原動機付自転車」

特定小型原動機付自転車のうち、上記の基準に加えて以下の基準を満たすものは「特例特定小型原動機付自転車」とされています。なお、一つの車体で切り替えが可能なものもありますが、走行中の切り替えは不可となっています。

(1)最高速度表示灯を点滅させること(緑色点滅)
(2)時速6キロメートルを超える速度を出すことができないこと

 

電動キックボード等の主な交通ルール、罰則等

2024年1月の警察庁の発表によると、電動キックボード等に関する交通違反については、「通行区分違反」が全体の約半数を占めています。
 
電動キックボードは原則車道の左側を通行しなければならず、道路の右側や反対車線を通行する違反が多くなっています。
 
例外として「特例特定小型原動機付自転車」は、「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置された歩道のみ通行することができます。ただし、歩行者優先で、歩行者の通行を妨げるときには一時停止しなければなりません。
 
また、交差点を右折する場合には、青信号で交差点を渡り、右に方向を変え、前方の青信号を直進する「二段階右折」をしなければなりません。主な交通違反の反則金等(行政処分)は、以下のとおりです。

(1)原付 通行区分違反            反則金:6000円
(2)原付 信号無視(赤色等)違反        反則金:6000円
(3)原付 指定場所一時不停止等違反    反則金:5000円
(4)原付 横断歩行者等妨害等違反    反則金:6000円
(5)原付 携帯電話使用等(保持)違反   反則金:1万2000円
(6)原付 交差点右左折方法違反   反則金:3000円
(7)原付 定員外乗車違反(二人乗り)     反則金:5000円
(8)特定小型原動機付自転車運転者講習を受講しなかった場合   罰金:5万円以下

一時不停止や通行中のスマートフォンの通話、スマートフォンの画面を見ながらの運転などの件数も多くなっています。また、(8)の「運転者講習」については、一定の違反行為を反復する者に対して、都道府県公安委員会が受講を命じるものです。それに反して受講しなかった場合には、罰則が適用される場合があります。
 
また、飲酒運転や交通事故などの犯罪行為に対しては、より厳しい処罰が科せられることになります。
 

まとめ

最後に、運転免許なしに特定小型原動機付自転車を運転できる年齢は、16歳以上となりました。学校での規則などで禁止される場合もありますが、たとえ高校生であっても運転可能となります。そして、当然ながら未成年の高校生であっても、交通違反の罰則や反則金の対象となります。
 
利用する場合には、守らなければならない交通ルール等をしっかりと理解しておくことが重要と思われます。
 

出典

警察庁 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
警察庁 改正道路交通法の施行後における特定小型原動機付自転車等の状況等について
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 特定小型原動機付自転車運転者講習制度
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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