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高齢者の約半数が「生活が苦しい」……“平均年収”の会社員が将来受け取れる年金額はいくら?

ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 21時30分

高齢者の約半数が「生活が苦しい」……“平均年収”の会社員が将来受け取れる年金額はいくら?

リタイア後は収入が減る、もしくはなくなるという方は多いでしょう。実際に厚生労働省の調査でも「生活が苦しい」と答えた高齢者は約半数にのぼります。これからの時代、老後資金の形成は必要不可欠といえるでしょう。   では、リタイア後に生活の基盤となる年金、仮に平均年収を稼ぐ会社員が、将来受け取る年金はいくらくらいになるのでしょうか。試算してみます。

令和4年の民間給与実態統計調査によると、平均年収は458万円

国税庁の「令和4年度民間給与実態調査」によると、平均年収は458万円と報告されています。
 
民間企業に勤務する場合、納付した月数のみで決定される国民年金に、納付した月数の平均報酬と納付月数で決定される厚生年金が加わり、老齢年金が試算されます。これに、さまざまな加算が加わりますが、今回はその部分は考えずに試算してみましょう。
 
一般的に入社したてのころは、平均年収に届かないでしょうし、定年間際には平均年収を上回っていると考えられますが、平準化すれば平均年収程度であると仮定して計算します。
 

老齢基礎年金は2024年度(令和6年度)満額で81万6000円

2024年度(令和6年度)の老齢基礎年金は、満額で「81.6万円」です。20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、国民年金保険料を全額払った人は、毎年この金額(月額換算で6万8000円)が一生涯もらえます(前年度より+2%)。
 
では、40年間に満たない場合は、というと、按分計算になります。例えば、

22歳から60歳までの38年間であれば、

となります。月額換算で6万4600円ですね。
 

平均年収をもとに試算した老齢年金平均月額受給額は約14万7500円、統計では約14万5000円

老齢厚生年金の受給額の計算式は、
「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」
となっています。
 
このうち勤務期間の給与と加入月数で計算するメイン部分の報酬比例部分がどのように決まるかを見ていきたいと思います。
 
計算の手順は

を足し合わせて求めます。
 
ここで、2003年3月以前と4月以降でなぜこのような違いができたのか触れておきます。2003年4月以降はボーナスからも厚生年金保険料が差し引かれることになったため、標準報酬月額から標準報酬額となり、乗数も7.5から5.481となったのです。
 
具体的な例で確認しましょう。
 
1980年4月生まれで、2002年4月入社で、現在満44歳、勤続年数ちょうど22年の会社員を想定します。年収は、先の平均年収458万円とし、内訳を月額給与28万円×12と61万円×2のボーナスと仮定します。

【仮定】

1980年4月生まれ
2002年4月入社(満22歳)
2000年4月からは学生として国民年金加入なので満額
年収:458万円
平均標準報酬月額:28万円とボーナス61万円(夏・冬)2回
平均標準報酬額:458万円÷12=38万1666円(1円未満切り捨て)

2003年3月以前は月額28万円、2003年4月以降はボーナスも含めて12で割るので月額は38万1666円となります。60歳、2040年3月までこの状態で勤務を継続したとすれば報酬比例部分はどうなるでしょうか。
 

 
合わせて95万4009円(月額では7万9501円)となります。
 
老齢基礎年金は学生時代から納付していたとして満額の81万6000円と、老齢厚生年金を合わせると177万9円(月額換算で約14万7501円)です。
 
厚生労働省のホームページからの資料では、令和4年の老齢年金(厚生年金および基礎年金)の合計は月額平均で14万5000円と記されています。
 
こちらは、老齢厚生年金の報酬比例部分のみのイメージをお伝えするための計算であることに留意して、平均年収の会社員が受け取れる年金額の目安としてください。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(10頁)
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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