「老後は不労所得があるといいね!」という話を耳にしますが、毎日多忙な会社員が今から不労所得をつくることは難しいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 22時0分
「退職後に不労所得があるといい」という話を耳にすることはあるものの、漠然と「不動産がないから無理」「資金がない」「毎日忙しいのに、初心者が不労所得をつくることなんてできない」と思う方も多いでしょう。 そもそも不労所得とはなにか、忙しい会社員でもつくれるものなのか、少しでも収入を得られるようになった際の税金面などについて解説します。
不労所得とは労働せずに得られる収入。株式の配当金、不動産の賃貸収入などのこと
労働することなく収入が得られるというのは、大なり小なりすべての人の憧れのライフスタイルですね。自分の貴重な時間を使うことなく収入を得ることができるため、年齢や体力、時間などの制約がありません。
具体的には、
●不動産の賃貸収入
●ECサイトで在庫を持たずに商品を販売する
●動画や電子書籍などデジタルコンテンツを作成して繰り返し販売する
●自分のブログやウェブサイトなどに広告を掲載し商品やサービスの購入によって報酬を獲得するアフィリエイト
などがあります。
ただし、不労所得を得られるまでには準備と時間が必要です。今日準備して、明日から安定した不労所得が得られるというものではありません。
時間に制約のある現役会社員向けの不労所得は投資
現役の会社員であれば、先に上げた不労所得のしくみを構築するために、時間がかからない方法の1つとして投資が挙げられるかと思われます。
投資というと、株式やFXというイメージがあるかもしれませんが、これらは日々の相場環境に応じて売り買いやポジション調整といったメンテナンスが不可欠なので、不労所得とは言い難いかもしれません。また、特定の銘柄や特定の日時にポジションをとることはストレスもかかりますし、経験値も必要です。
ECサイトやデジタルコンテンツの制作も当初の立ち上げにはかなりの時間を要するうえに、制度や人気コンテンツも日々変化するので「つくりっぱなし」というわけにはいきません。ブログやサイトをつくってアフィリエイト収入を得るというのも、相当な忍耐と時間が必要であるうえに、収入が得られるかどうかはまったく未知なのでハイリスクでしょう。
消去法的に考えると、「投資信託」が選択肢となります。
ただし、こちらもある程度の勉強は必要です。これまで投資未経験の場合は、まずは投資の基本を理解し、徐々に経験を重ねていきましょう。幸い、投資信託は少額から始められますし、柔軟に調整することもできます。
不労所得の税金:年間20万円以上になると確定申告が必要
不労所得が得られるようになったら、自分で確定申告をしなければなりません。
どのような所得かによって税金の処理が変わります。投資の場合以外での税金処理について概要を記載します。
年間で得た不労収入から経費を控除した結果、20万円以上になった場合は確定申告が必要になります。
1. 家賃収入などの不動産所得
大原則として、更新料も含め家賃収入から必要経費を差し引いた不動産所得が20万円を超えた場合は、申告が必要になります。なお、賃貸物件を10室以上保有している場合や、一軒家を5棟以上保有している場合は不動産所得ではなく、事業所得になります。
2. ブログやアフィリエイト、ECサイト運営で得られた事業所得
こちらも上記と同様に、経費を差し引いた所得が20万円を超えた場合は申告しなければなりません。
経費についてですが、事業に使ったものかプライベートに使ったものかの線引きが難しい場合があります。例えば、電気代などの光熱費などが該当するでしょう。その場合は土日におもにサイト運営をやっているとして、電気代の7分の2を事業用の経費とするなど、根拠をもって申告することが必要になるでしょう。
3. 投資で得た利子所得・配当所得
預貯金の預金利息や投資信託の配当・分配金、株式の配当についても課税される場合がありますので、ここでは詳細は割愛しますが、取引をされる前に確認しておく必要があります。
4. 株式の売買
株式を売買して得た所得は譲渡所得といって、利子・配当所得とは異なる税務処理になります。売却益が出た場合には、申告分離課税として給与で得た所得とは別の課税処理が必要です。
金融商品の売買の場合、最初に「特定口座の源泉徴収あり」で取引しておけば申告漏れを防ぐことはできます。
不労所得を継続的に得られれば余裕が持てますが、特に現役の場合は本業に時間と労力の大半が振り分けられますので、「余裕のある時間」で本業に差しさわりが出ない程度に、ゆるく長く少しずつ進めていくことと、年間で費用を差し引いた収益で、20万円を超えると確定申告が必要になることには留意しておきましょう。
出典
国税庁 株式・配当・利子と税
国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
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