夏休みに学校から注意喚起がありました。闇バイト、SNS詐欺…うちの子は小学生だから大丈夫ですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 23時40分
子どもたちが待ちに待った夏休み。家族や友人とのイベント、夏ならではの遊びなど、“楽しい”がいっぱいですね。 しかし、その裏側には、闇バイト、SNS詐欺、性犯罪など、子どもたちが開放的になる時期だからこそ起こりうる、恐ろしい危険が潜んでいます。子どもや孫を守るための対策と知識を身につけておきましょう。
インターネットの向こうは、知らない人
こども家庭庁では、毎年7月を『青少年の非行・被害防 止全国強調月間』として、各省庁、自治体、関連団体の協力を得て、青少年の非行・被害防止のための活動を全国で集中的に実施しています。
令和6年度における最重点課題は、「インターネット利用におけるこどもの性被害等の防止」です。
スマートフォンの普及や、XやInstagram等のさまざまなSNSによりインターネット上で交流ができる機会が広がっており、子どもが自宅に居ながらにして、見知らぬ人と交流を持ててしまう環境にあります。
見知らぬ人と何度かやりとりするうちに、「見知らぬ人」が「知っている人」、そして「お友だち」となってきますが、その相手は本当に存在する人ですか? なりすまされた人物ではありませんか?
絶対に送っては、ダメ!自画撮り・個人情報
インターネットの向こう側には、お金儲けのために子どもをだます輩が潜んでいることもあります。
警察庁生活安局人身安全・少年課「令和5年における少年非行及び子供の性被害の状況」(令和6年3月公表)によれば、SNSがきっかけとなる事犯は、平成28年は1421人で、令和元年に2082人に増加したものの、令和5年では1665人に減少していますが、小学生の被害者数は年々増加の一途をたどり、平成26年では38人だったのが、令和5年では139人にまで増加しています。
インターネットでのやりとりでは、相手の顔が見えません。同姓・同世代になりすました男性に言葉巧みにだまされ、顔写真だけでなく下着姿や裸の自画撮り画像を送ってしまったという被害は後を絶ちません。相手が自画撮り写真を送ってきたからといって、本当にその写真は相手のものなのか分からないこともあります。
被害児童のアクセス手段は、ほぼスマートフォンによるもの。そのうち1/8はフィルタリングを利用していても被害に遭っています。
一度送ってしまった画像は回収困難ですし、個人情報をネタにさらなる要求をされるでしょう。「個人情報を流さない」「下着姿や裸の写真は撮らない、送らない」ことを、お子さまに約束させましょう。
警察庁のウェブサイト「ぴったり相談窓口」は、被害に遭った場合どこに相談したら良いかをサポートしてくれます。
たった一度でも、実行すれば犯罪者
「簡単に高額報酬」「ハンドキャリーのお仕事」などと、簡単に稼げると謳っている「闇バイト」の仕事は、特殊詐欺や窃盗等の犯罪の実行犯役です。「闇バイト」の募集も、多くの場合SNSが入口になります。
「高額報酬」につられて応募して、詳しい仕事内容がわからないまま, アルバイトの登録をするように促されます。自分の身分証明書の他に、家族構成や名前、勤め先まで聞かれ、さらに交際相手の名前や生年月日、顔写真まで求められることもあります。
その結果、具体的な仕事内容(「受け子」や「出し子」等)の支持を受けて、断ろうとすると、個人情報を基に、家族や交際相手に危険が及ぶと脅されます。
脅されて犯行に及んでも犯罪は犯罪です。実行した自分が逮捕され、懲役や被害者への損害賠償が待ち受けています。例えば、「受け子」は詐欺罪や窃盗罪となり、詐欺罪(刑法第246条)は10年以下の懲役、窃盗罪(刑法第235条)は10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
それだけで終わらず、犯行グループへ流した画像や個人情報が、「詐欺犯罪者」としてインターネット上にさらされる事案がありました。ここから、新たな犯罪に巻き込まれる危険があります。
「裏バイト」「高額バイト」「即日現金」「簡単高収入」など、簡単に儲かる話はありません。相手先の会社の実体を調べましょう。知らない相手に個人情報を流さないことが大切です。
怪しいと思った時点で、お近くの警察署、警察相談ダイヤル#9110、警視庁の「ヤング・テレホン・コーナー」03-3580-4970へ相談しましょう。「ヤング・テレホン・コーナー」は、お子さまのみならず、ご家族の方からの相談も受け付けてくれます
青少年を守るために
深夜に子どもだけで外出するのは、危険がいっぱいです。タバコやお酒だけでなく、薬物の誘惑、闇バイトなど、犯罪に加担することになりかねません。
夜に外出する機会が多い夏休みですが、自治体の青少年育成条令で、子どもだけで外出できる時間が決められています。自治体ごとに異なりますので、お住まいの自治体の条令で確認し、うっかりと補導されてしまうことのないよう、お子さまと門限について話し合っておきましょう。
インターネットの利用については、SNSによる犯罪からお子さまを守るために、フィルタリングサービス、ペアレンタルコントロール機能を使用しましょう。お子さまの状況に合わせて、制限の調整をしていきます。絶対に個人情報や自画撮り画像を送らないよう、お子さまに約束させましょう。
お子さまの変化を見逃さないために、どんな些細なことでも話せる親子関係にしておきましょう。
出典
政府広報オンライン 夏休みは危険がいっぱい!?こどもの非行・被害を防ぐために
政府広報オンライン 自画撮り被害が増加! SNS上の出会いに要注意!!
警察庁生活安局人身安全・少年課 令和5年における少年非行及び子供の性被害の状況(令和6年3月公表)
総務省 上手にネットと付き合おう! 安心・安全なインターネット利用ガイド SNSで発信するなら気をつけたいこと
子ども家庭庁 令和6年度「青少年の非行・被害防止全国強調月間」実施要綱(令和6年6月7日 内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)決定)
大阪府警察 特殊詐欺の「受け子」や「出し子」は「犯罪!」です。
警察庁 ぴったり相談窓口
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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