75歳の父はまだまだ現役で働きたいようです。健康保険や年金はどうなるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月28日 5時20分
75歳になると、それまで加入していた国民健康保険や健康保険、共済などから後期高齢者医療制度に切り替わります。窓口負担や保険料が変わる可能性があり、毎月の支出や医療費に影響が出る可能性があるため、制度の内容を事前に把握しておくことが必要です。 そこで本記事では、後期高齢者医療制度の概要や特徴、医療費の負担割合、年金から保険料が特別徴収される条件などについて解説します。
75歳からは「後期高齢者医療制度」への加入が必要
75歳以上の方(一定の障害がある方は65歳以上)は公的医療保険である「後期高齢者医療制度」に加入します。この制度では、所得に応じて窓口負担が1~3割まで適用されます。
本項では、後期高齢者医療制度の内容や仕組み、医療費の負担割合、新たに追加された2割負担の対象になる人の条件について詳しく見ていきましょう。
後期高齢者医療制度とは
後期高齢者医療制度は、75歳以上(一定の障害があると後期高齢者医療広域連合から認定を受けた人は65歳以上)の人が加入する公的医療保険の一つです。この制度は、2008年にそれまでの老人保健制度が変更になり導入されました。
75歳になると、労働状況に関係なく、現在加入している医療保険(国民健康保険・健康保険・共済など)から自動的に後期高齢者医療制度に切り替わります。また、一定の障害がある人は65歳からこの制度に切り替わります。
後期高齢者医療制度では、各都道府県の全市町村が加入する後期高齢者医療広域連合が、被保険者の資格認定や被保険者証の交付、医療給付などの業務を行う仕組みです。
厚生労働省によると、後期高齢者医療制度における被保険者一人あたりの平均保険料額は、2024年度が年額8万4988円で月額7082円、2025年度が年額8万6306円で月額7192円です。
窓口負担割合が見直された理由
団塊の世代が75歳以上になることで、今後医療費の増加が見込まれています。これまで後期高齢者の医療費の約4割を現役世代が負担していましたが、現役世代の負担を軽減するため、2022年10月1日より窓口負担の割合が見直されました。
医療費の負担割合
現在の後期高齢者医療制度の窓口負担割合は、図表1のとおりです。
【図表1】
区分 | 窓口負担 |
---|---|
現役並み所得者 | 3割 |
一定以上所得のある方 | 2割 |
一般所得者等 | 1割 |
※厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」をもとに筆者作成
2割負担の対象になる人
以下の両方の条件に該当する場合、後期高齢者医療制度で窓口負担割合が2割になります。
・同世帯に課税所得28万円以上の被保険者がいる場合
・同世帯の被保険者の年金収入と他の合計所得額を合わせた金額が、以下である場合
被保険者が1人:200万円以上
被保険者が2人以上:合計320万円以上
なお、窓口負担が2割となる場合、2025年9月30日までの間は、月ごとの負担増加額が3000円までにおさえられる配慮措置があります(ただし、入院の医療費は対象外)。
年金から後期高齢者医療保険料が特別徴収される
後期高齢者医療制度に該当する人で、年金受給額が18万円以上の場合、保険料は年金から特別徴収(天引き)されます。特別徴収が適用されると、保険料を個別に支払う必要はありません。
ただし、後期高齢者医療保険料と介護保険料を合わせた金額が、各支払期の特別徴収対象年金額の2分の1を超える場合は、特別徴収の対象外となるため注意が必要です。
75歳になると後期高齢者医療制度へ切り替わり、保険料は年金から差し引かれる
75歳になると(一定の障害がある場合は65歳以上)、後期高齢者医療制度に切り替わり、窓口負担は所得に応じて1~3割となります。また、年金受給額が18万円以上などの一定の要件を満たす場合、保険料は年金から特別徴収されます。
これから75歳を迎える方は、加入する公的保険が変わることを理解しておくことを理解しておきましょう。
出典
政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?
厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
厚生労働省 令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について
日本年金機構 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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