『ややこしくて分からない!?』iDeCoとつみたてNISAの違い
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月18日 9時10分
![『ややこしくて分からない!?』iDeCoとつみたてNISAの違い](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_31289_0-small.jpg)
iDeCoもつみたてNISAも資産形成のための制度です。そして、どちらも金融機関で専用口座を作り、積み立てをしながら資産を作ります。 積み立てながら資産を作るという点はどちらも同じですから、「iDeCoとつみたてNISAはどう違うの?」そのような疑問を抱く方は、少なくありません。 そこで、iDeCoとつみたてNISAを比較しながらお伝えしていきたいと思います。
資産を作る目的が違う
一番の大きな違いは、資産をつくる目的です。iDeCoは老後のための資産形成制度。一度始めたら60歳まで資産を引き出すことはできません。一方、つみたてNISAはいつでも引き出し自由。資産形成の目的も自由です。
iDeCoは老後資産形成の制度とはいえ、iDeCoで貯めた資産を老後の生活費にあてないといけないという決まりはありません。60歳になれば引き出せますから、たとえば、住宅ローンが残っていればiDeCoの資産で完済させるという使い方もできます。
節税効果が違う
iDeCoは、掛け金を全額所得控除できますから、所得税と住民税を軽減させる効果があります。しかし、つみたてNISAには、そのような効果はありません。
ところで、全額所得控除できるとは、どういうことでしょうか。そもそも、税金は収入から様々な「控除」を差し引き、最終的に算出された所得金額に対して計算されます。
所得金額が小さいほど税額も小さくなりますから、収入から多くの「控除」を差し引くことで、税額を小さくすることができるのです。
節税額を計算してみよう
では、どれだけ税額を軽減させられるでしょうか。例をあげて説明したいと思います。
例えば、年収400万円の方が、iDeCoで毎月2万円積立するとします。この方の所得税の税率が5%、住民税は10%とすると 合計の税率は15%です。年間の積立額は2万円×12ヶ月=24万円ですから、この金額に税率をかけた分の税金が減ることになります。
つまり、24万円×15%=3万6千円
年間3万6千円の税金が削減できるということです。年間の積立額×税率=節税額となるわけです。3万6千円と聞くと、それほどインパクトがないと思うかもしれません。
しかし、iDeCoは60歳まで積立をする制度です。10年、20年続けるとかなり大きな節税額になることがわかると思います。
節税できる額は、年収等によって異なるので、一概にいくらとお伝えすることはできませんが、所得税の最低税率は5%、住民税はどこの市区町村でも約10%ですから、最低でも積立額の約15%分の税金を減らす効果があるといえます。
このような節税効果は、つみたてNISAにはない、iDeCoの最大の特徴です。
運用する商品が違う
iDeCoは投資信託や定期預金、年金保険等で運用します。一方、つみたてNISAは投資信託で運用します。
つみたてNISAは投資を推進する制度ですから、運用する商品は元本保証のない投資信託のみです。しかし、iDeCoは元本確保型と呼ばれる定期預金や保険商品が揃っています。
手数料が違う
つみたてNISAの手数料は投資信託に関するもののみですが、iDeCoは主に下記の手数料がかかります。
・加入時に支払う初回手数料(2,777円)
・毎月の管理手数料(最低167円)
・60歳以降、資産を受け取る際にかかる手数料(437円)
なお、iDeCoにおいても、運用商品に投資信託を選んだ場合は、投資信託に関する手数料も発生します。
積立上限額が違う
つみたてNISAの積立上限額は年間40万です。一方、iDeCoは勤めている会社に企業年金制度があるか、企業型確定拠出年金制度があるか、自営業か会社員か、公務員か、あるいは専業主婦か、などによって積立できる上限額が異なります。
つみたてNISAとiDeCoは併用可能
以上がつみたてNISAとiDeCoの大きな違いです。節税効果においては、iDeCoのほうが格段に大きいですが、資産形成の目的は人それぞれです。ご自身が使い勝手が良いと思うほうを選ぶのが良いと思います。
迷ったら、つみたてNISAとiDeCo両方をはじめることも可能です。
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者
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