ETCを取り付けない理由の第1位は「車載器の設置費用」!?何回利用すればコストを回収できる?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月1日 21時40分
高速道路利用者の利便性向上や渋滞緩和にもつながるとして普及がすすめられている「ETC」。ETCを利用して高速道路をキャッシュレスで走行している方は多いでしょう。一方で「ETCは車載器の設置費用がかかるから」という理由で、高速道路でETCを利用していない人も一定数いるようです。 そこで今回は、ETCの利用率や設置費用の相場を調べてみました。ETC料金で高速道路を利用する場合に、何回でコストを回収できるかもシミュレーションしますので、参考にしてみてください。
ETCの利用率はどれくらい? 取り付けていない人がいる理由は?
ETCは渋滞緩和にもつながることから、高速道路では利用料金を割引するなどして普及をすすめています。東日本高速道路株式会社「ETC利用率の推移」をみると、ETCの利用率は2007年3月の63.1%から始まり、2018年10月以降は90%を超えています。2024年5月時点のETC利用率は93.8%です。
一方で、全国と比較してETC利用率の低い地域もあるようです。例えば沖縄県企画部交通政策課と株式会社アカネクリエーションが実施した「令和3年度ETC利用促進調査」によると、沖縄県内で高速道路を利用する際にETCを利用しているかについての回答は以下の通りです。
・利用している:74.6%
・車載器は設置されているが利用していない:5.6%
・利用していない:19.8%
ETCを利用していない人に理由を聞いた結果は以下の通りです。
・車載器の設置費用がかかるから:44.1%
・利用しなくても不便ではないから:26.6%
・登録手続きが面倒だから:24.7%
・クレジットカードを持っていない・作れないから:13.1%
同調査は沖縄県を対象としたものではありますが、ETCを利用していない人も一定数いて、取り付けない理由の多くが車載器の設置費用によるものだと考えられます。
ETCを取り付けない理由は「設置費用」……。費用相場は?
ETCを取り付けない理由の第1位は「設置費用」でしたが、実際に取り付け費用はどれくらいかかるのか気になる方もいるでしょう。ETCには「ETC」と「ETC2.0」があり、それぞれの概要と設置費用の相場は以下の通りです。
【ETC】
従来の規格で、キャッシュレスの高速道路料金支払いができ、料金所での通行券や料金の受け渡しが不要です。通行料金の割引やポイント還元サービスを受けられるなどのメリットもあります。
取扱店舗によって工賃などの費用は異なりますが、相場価格は1万5000円~2万円程度のようです。
【ETC2.0】
従来規格に加えて渋滞情報や合流注意地点・急カーブなどの事前お知らせなどさまざまな機能が付いています。ETC2.0限定の割引が適用される場合もあります。
さまざまな機能がついている分料金設定は少し高めのようです。相場価格は2万円~3万円程度、商品によっては5万円を超えるものもあるようです。
ETC車載器購入助成キャンペーンを利用して、設置費用をおさえることも可能です。例えば西日本高速道路株式会社と本州四国連絡高速道路株式会社は、2024年7月22日から助成台数に達するまで、対象者1台につき1万円を助成するキャンペーンを実施します。自身がキャンペーン対象者であるかを確認してみるといいでしょう。
ETCを何回利用すれば設置コストを回収できるかシミュレーション
ETCの取り付けには設置費用がかかりますが、高速道路を利用する際はETC料金があるため、利用頻度によってはすぐにコストを回収できる可能性があります。例えば東京から大阪まで走行する場合で、ETCなしとありの場合の高速料金を比較すると以下の通りです。
【八王子から梅田まで】
・通常料金:1万4680円
・ETC料金:1万2680円(2000円の割引)
【梅田→八王子】
・通常料金:1万4720円
・ETC料金:1万2680円(2040円の割引)
※いずれも普通車、距離順(2024年7月時点)
東京と大阪を往復した場合の通常料金とETC料金の差は4040円です。1万5200円~1万5400円のETC車載器を設置した場合は、東京と大阪の往復を4回すればコストを回収できることが分かります。
高速道路の利用頻度が高い人は、1回の利用で通常料金とETC料金はどれほどの差があるかを計算してみるといいでしょう。設置費用はかかりますが、高速道路の利用頻度によっては、ETC車載器を取り付けたほうがお得になる可能性があります。
東京から大阪なら往復4回程度でETC設置費用を回収可能! コスト面と渋滞緩和を考えて設置を検討するのもあり
東京から大阪の往復でかかる高速道路料金は、通常料金とETC料金の差が4040円であることが分かりました。4回往復すると1万6160円の割引となり、1万5000円ほどのETC車載器を設置した場合はコストを回収できます。
高速道路の利用頻度が高い人の場合は、すぐにETC車載器の設置コストを回収できる可能性がありますから、通常料金とETC料金の差を計算してみるといいでしょう。
出典
東日本高速道路株式会社 ETC利用率の推移
沖縄県企画部交通政策課 株式会社アカネクリエーション 令和3年度ETC利用促進調査アンケート調査 報告書(11、20ページ)
西日本高速道路株式会社 関西・中国・四国・九州エリアETC車載器購入助成キャンペーン2024について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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