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親戚が死後に「献体」したため、告別式はしないと聞きました。献体すると“葬儀費用”がかからないのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月1日 5時0分

親戚が死後に「献体」したため、告別式はしないと聞きました。献体すると“葬儀費用”がかからないのでしょうか?

「死後に自分の身体を医学の進歩に役立てたい」と献体を希望する人が増加しているようです。献体をした場合、火葬や葬儀の費用は誰が負担するのでしょうか。本記事では、献体の概要や条件、献体の流れ、献体と葬儀の関係などについて紹介します。

献体とは

献体とは、医学や歯学の大学における解剖学実習のために、自己の遺体を無償で提供することです。献体登録をしたからといって治療や入院の際に有利に扱われることはなく、本人や遺族に報酬や謝礼が支払われることもありません。
 
献体を希望する人は、医科・歯科の大学や献体篤志家団体に献体の登録をします。献体登録者の死亡後に遺族が大学や献体篤志家団体に連絡し、献体が行われるというのがおおまかな流れです。
 

献体登録できないケース

献体登録をしたいと思っても、登録できないことがあります。登録の可否は各大学や献体篤志家団体ごとに決まりがあるようですが、「家族の同意がないと献体できない」という事項はおおむね共通しているようです。
 
「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」第3条には「献体の意思は尊重されなければならない」と書かれているため、本人の意思さえあれば献体できるように感じられます。しかし本人の死後、献体登録先に連絡を取るなど、献体手続きを実際に進めるのは遺族になるため、あらかじめ家族の同意もないと難しいのかもしれません。
 
「家族の同意がない場合」以外にも、次のような場合は献体できないことがあります。ただし、大学や献体篤志家団体により扱いが異なるようです。
 

・居住地が遠方の場合
・感染症などの疾病に罹患した、またはしている場合
・臓器の提供をしている場合

 

献体と葬儀

献体を希望するときの段取りや献体後の流れ、葬儀との関係は、どのようなものなのでしょうか。以下で詳しく見ていきます。
 

献体の流れ

献体は通常、次の手順で行われます。
 

(1)献体希望者が、生前に献体について登録
(2)献体希望者の死亡後、遺族が献体登録先に連絡
(3)大学や献体篤志家団体が遺体を引き取り、実習後、大学等で火葬
(4)遺骨の返還

 
なお、遺体の引き取りから遺骨の返還までは、2年ほどかかるようです。
 

献体と費用

献体をしても報酬や謝礼はありませんが、費用はかかるのでしょうか?
 
献体自体に費用はかからず、通常、遺体の引き取り・火葬・遺骨の返還までは、献体先が費用を負担します。告別式をするかどうかは遺族の自由ですが、葬儀・納骨などの費用は通常どおり遺族の負担となります。
 

まとめ

献体は無償の行為であり、報酬や謝礼はありません。献体に遺族側は特別な費用はかからず、遺体の引き取りから火葬、遺骨の返還までは献体先の負担となります。ただし、葬儀費用は通常どおり遺族が支払います。
 
数年前に他界した筆者の友人も献体をし、告別式はなく、1年以上経過してから「お別れの会」が開かれました。今思えば「遺骨が戻ってから」ということだったのでしょう。
 
以前は少なかった献体登録者ですが、近年は増加傾向にあり2023年時点では32万人を超えているとのデータがあります。増加の背景には、日本人の死生観や葬送についての考え方の変化などがあると言われています。
 

出典

e-Gov法令検索 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律
公益財団法人日本篤志献体協会 1.献体とは
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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