“半額クーポン”を使うつもりで行った焼き肉店で5歳の息子が皿を落とし破損…!クーポンは使用しない方がよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月3日 2時20分
小さな子どもと一緒に外食をする際は、子どもがお店のものを壊してしまうことがないか心配される親御さんも多いでしょう。 例えば、5歳の子どもがお店のお皿を落として破損させてしまった場合、弁償しなければならないのか、それとも「わざとではないので」と許してもらえるのか、疑問に感じることもあるかもしれません。 また、弁償せずに許してもらえたとしても、本当は使うはずだった割引クーポンを使用するのはやめた方がいいのか、悩ましいところでしょう。 本記事では、お店のお皿を破損させてしまったときに生じる責任や未成年者の責任能力とともに「会計時に割引クーポンを使うことが非常識に価するのか」について解説します。
お店のお皿を破損させてしまったときに生じる責任は?
他人の物を壊したときは刑法第261条に定められている「器物損壊罪」に問われる可能性があります。ただし、器物損壊罪に該当するかは「故意に破損させたかどうか」が重要なポイントになるようです。
今回の事例にように「5歳の子どもがお店のお皿を割ってしまった」というケースでは、故意ではなくうっかり割ってしまったことが考えられるため、器物破損罪には該当しない可能性があります。
ただし、犯罪にはならないとしても、民法上の責任は生じると考えられます。一方で、民法第709条に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とあるように、損害賠償責任についても「故意又は過失によるもの」であることが条件になります。
子どもでも賠償責任を問われるのか?
ふざけてお皿を投げるなどして「故意に」破損させた可能性がある場合、損害賠償責任を問われることは考えられます。しかし、相手が子どもであっても責任能力を問われることになるのか、疑問に感じる人もいるでしょう。
民法第712条では「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」とされています。
つまり、自分の行為によってお店に損害を与えることを予測できないと考えられる場合は、損害賠償責任を問われない可能性があるということです。
また、民法第714条には「責任無能力者の監督義務者等の責任」について定められており、子どもがお店のものを壊してしまったときは、保護者に賠償義務が発生する可能性があるとされています。お店の人に破損してしまったことを伝え、対応を確認しましょう。
半額クーポンを使用するのはやめた方がいい?
保護者には子どもがお皿を割ってしまったことの責任を負う必要があるため、お店のスタッフに破損に対する謝罪と、必要に応じてお皿の弁償を提案すべきであると考えられます。中には、お店側の配慮により弁償を請求してこない場合もあるでしょう。
ただし、使う予定でいた半額クーポンについては、慎重に検討した方がいいかもしれません。まずはお店のスタッフに破損の状況を説明し、クーポンを使用しても問題ないかどうか相談してみましょう。
お店側が「問題ない」と判断した場合はクーポンを使用してもいいかもしれません。万が一、お店側がクーポン使用を控えてほしいという場合には、クーポンを使用せず、次回の訪問時に利用することを提案するのも一つの方法であると考えられます。
お店から損害賠償を請求されなくてもクーポンの利用は次回来店時にした方がいいかもしれない
飲食店などの備品を破損させてしまったときは、その行為が「故意」によるものではないと判断される場合、器物破損罪に該当したり損害賠償責任が生じたりする可能性は低いと考えられます。
一方で、子どもが備品を破損させてしまった場合は保護者がその責任を負うことになる可能性もありますが、お店側の配慮によって弁償を請求されないケースもあるようです。
ただし、お皿を割ってしまったうえでの半額クーポンの使用については、お店側にいい印象を与えない可能性が考えられるため、次回来店時にした方がいいかもしれません。
出典
デジタル庁e-GOV法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百六十一条
デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条、第七百十二条、第七百十四条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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