「年金を受け取りながら年金を払う」なんてことありますか? 叔父が「引かれている」と言っていますが、間違って引かれているのではないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月4日 1時30分
年金の仕組みは、年齢や収入、加入状況によって年金保険料の支払いが必要になったり、受給額が減額されたりと複雑です。しかし、老後の生活を支える大切な収入源であるため、理解しておく必要があります。 本記事では、60歳以降に働く場合に知っておくべき年金保険料の払込期間や、受給額の減額・支給停止の条件について詳しく解説します。 また、60歳以降に賃金が一定割合減少した場合に受け取れる高年齢雇用継続基本給付金についても紹介しますので、参考にしてください。
厚生年金に加入している間は年金保険料を支払う必要がある
企業に勤めて厚生年金に加入している場合、年金保険料の支払いは最長で70歳まで必要になります。そのため、定年後などに再度働く場合には注意が必要です。
70歳になると厚生年金保険の加入資格を失うため、それ以降は年金保険料の支払いは不要となります。なお、国民年金保険料の支払期間は60歳までとなっています。
年金の減額や支給停止がある「在職老齢年金」
60歳以降にも仕事をする場合、収入によっては在職老齢年金制度により年金受給額が減額されたり、支給が停止されたりする可能性があります。その場合、当初の予定よりも収入が減少し、家計に大きな影響を及ぼすことがあります。特に、給与や年金額が多い方は注意が必要です。
本項では、在職老齢年金の特徴や年金受給額が減額・支給停止となる要件について詳しく見ていきましょう。
在職老齢年金とは
在職老齢年金は、60歳以降に働きながら年金を受給する場合に適用される制度のことです。仕事による収入が一定額を超えると、年金受給額が減額されたり、全額支給を停止されたりすることがあります。そのため、60歳以降に仕事をする場合は、年金受給額が減る可能性があることを理解しておくことが大切です。
減額・支給停止となる要件
在職老齢年金では、基本月額(加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額)と総報酬月額相当額(標準報酬月額と標準賞与額の合計額を12で割った額)の合計額が50万円を超える場合に、減額もしくは全額支給停止となります。
・基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円以下の場合:全額支給
・基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超える場合:以下で算出された金額が支給
●基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2
※令和6年度の場合
「高年齢雇用継続給付」を受け取れる場合もある
高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金)とは、60歳以降の賃金が60歳時点と比較して75%未満に減少した場合に、雇用保険から支給される給付金のことです。給付金額は、最高で賃金の15%相当となります。
高年齢雇用継続基本給付金を受け取るには、以下の条件を満たしておく必要があります。
・60歳以上65歳未満の被保険者である
・被保険者の期間が5年以上である
ただし、高年齢雇用継続基本給付金を受ける場合は、在職による年金の支給停止に加えて、賃金(標準報酬月額)の最大6%に相当する金額の年金が支給停止されることに注意が必要です。
高年齢雇用継続基本給付金を受給する際には、勤務先を管轄するハローワークに必要書類(高年齢雇用継続給付支給申請書、雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書など)を提出し、申請する必要があります。
働きながら年金を受ける場合、年金額が調整されることがあるので事前に確認しよう!
60歳以降も企業に勤めて厚生年金に加入する場合、最大で70歳までは厚生年金保険料の支払いが続きます。
また、給与収入や年金受給額によっては、在職老齢年金制度によって年金額が調整(減額・支給停止)される可能性があることを理解しておく必要があります。収入状況によっては、高年齢雇用継続基本給付金の支給対象になるかもしれません。
60歳以降も働きながら年金を受ける予定がある場合は、給与収入や年金額を確認し、これらの制度や給付金に該当するかどうかをチェックしておきましょう。
出典
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
日本年金機構 年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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