「漫画家デビューが決まったから会社を辞める」という同僚。漫画家はそんなに「稼げる」のでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月7日 2時30分
人気漫画家は得られる印税の額がすごいと聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、実際に漫画家はどのくらい稼げて、どのような仕組みで収入を得ているのか詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。本記事では、漫画家の平均賃金を紹介するとともに、漫画家の収入源となる項目を紹介します。
漫画家の平均賃金は?
厚生労働省の調査によると、時給換算した場合の漫画家の平均賃金は表1の通りです。
表1
1年 | 2年 | 3年 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|---|---|
1261円 | 1354円 | 1399円 | 1477円 | 1700円 | 2125円 |
※厚生労働省「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)」を基に筆者が作成
あくまで平均時給額ではありますが、年数が長くなるほど賃金はアップしていく傾向があります。また、漫画家は売れているか売れていないかでも、年収の差が大きく開く職業といえます。
漫画家の収入源は?
漫画家の収入は、原稿料・印税・グッズ収入の金額によって変動します。一般的な給料とは異なる仕組みのため、どのような項目があり、どのように計算されているのかみていきましょう。
原稿料
漫画家は、原稿料を受け取って初めて一人前といわれています。一般的に原稿料は1ページあたりの金額が決められているため、何ページ描いたかで金額が変動します。連載をもっていない漫画家よりも、連載があり人気のある漫画家のほうが1ページあたりの原稿料が高くなる傾向があるようです。
例えば、人気漫画家で原稿料が1ページ2~3万円だとすると、20ページの週間連載をもっていれば、単純計算で毎週40万~60万円の原稿料を受け取れることになり、1か月で160万~240万円の原稿料となります。連載を続けていれば安定した収入を得られると考えられますが、人気がなければ突然打ち切りになることもあります。
万が一連載が打ち切られれば原稿料がなくなり、収入も大幅に減少する恐れがあります。漫画家として安定した原稿料を受け取るためには、世間が求めている漫画を描き続けなければなりません。
印税
印税とは、単行本化やデジタル化された漫画が購入されたときに原作者である漫画家が受け取れる報酬のことです。印税は、あらかじめ価格の何%が作者に支払われるかが決められており、出版社によって割合は異なりますが、一般的には8~10%ほどといわれています。
例えば、800円の単行本が10冊売れれば640~800円の印税が入る仕組みです。年間で100万部売れる大ヒットとなれば、印税だけで6400万~8000万円の収入を受け取れます。ただし、印税は都度支払われる報酬ではありません。1年間の印税の金額を出版社が計算し、1年分の印税がまとめて漫画家に支払われる仕組みです。
グッズ収入
漫画家の収入は、原稿料と印税以外にグッズ販売による収入もあります。描いた漫画の人気が出ると、漫画キャラクターのキーホルダーやステッカーなどのグッズを販売する話が出ることが珍しくありません。
グッズ収入の利益も、キャラクターの生みの親である漫画家に一部が支払われる仕組みです。漫画家に入る金額の割合は、展開するグッズの量などさまざまな要素により決められるため、一概に何%とはいえません。しかし、少なくとも数%の収入は入ると考えられるため、グッズの売れ行きがよければ印税同様に大きな収入源になるといえるでしょう。
漫画家は人気次第で高収入が目指せる
漫画家の平均賃金は、時給換算すると1200~2000円ほどですが、人気により年収が大きく左右される職業といえます。漫画家の収入は主に、原稿料・印税・グッズ収入の3つに分けられます。
原稿料は、人気になるほど単価が上がると考えられ、印税やグッズ収入は売れ行きがよければその分、収入に上乗せされていくでしょう。そのため、連載をもっている漫画家は、安定して高収入を得られる可能性があります。
しかし、人気が落ち連載がストップしてしまえば収入は大きく減少するため、常に世間から求められる漫画を描き続けなければいけないシビアな世界といえるでしょう。
出典
厚生労働省 職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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