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地方に住んでおり、車をよく使います。「走行税」の導入が検討されていると聞きましたが、どれくらいの負担になるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月7日 0時0分

地方に住んでおり、車をよく使います。「走行税」の導入が検討されていると聞きましたが、どれくらいの負担になるのでしょうか?

ニュースを見ていると「走行税」に関する報道を目にすることがあります。その名前から「車で走行する際にかかる税金」というイメージを持つ人は多いでしょう。   走行税は、2024年7月時点でまだ存在せず、あくまで政府によって検討されている段階です。しかしニュースで多く取り上げられたために、どのような税制なのか、どれくらい課税されるのか気になっている人は多いでしょう。   本記事では「走行税」に関する概要を解説します。

「走行税」とは

走行税とは、現在政府によって検討されている税金です。2022年10月26日に開催された第20回税制調査会で提案された新しい税金案であり、「走行距離税」と呼称されることもあるようです。
 
本税制調査会において委員の一人は、走行距離に応じて課税するなど具体的な走行課税について議論することを提案しました。
 

走行税が話題に上った理由

走行税に関して指摘された理由の一つは「税の減収」です。同委員は走行課税について言及するくだりの中で、「脱炭素化に向かうにつれて、現行の自動車関連諸税の税収は減っていくことが考えられる」と指摘しました。
 
また脱炭素化に向かう中で電動車の普及が期待されるものの、電動車も道路を損傷すること、また現行の税制のままで財源が不十分になって道路整備が十分に行えなくなるような状況は回避する必要があることを強調しました。
 
一般社団法人日本自動車会議所によると、2021年度の燃料課税税収は過去20年間で最小でした。2001年度比で、6000億円以上も減収していると言及されています。
 
減収の理由としては、ガソリンの不要な電動車の普及や、ガソリン車の燃費改善などが原因と考えられているようです。
 
このような背景の中で、税収確保のために走行税が話題に上ったと推測されます。
 

走行税ではいくら徴収される?

前述の税制調査会の議事録には、走行税の負担がどれくらいになるのか具体的な提案はされていません。そのため現時点では、導入された場合の負担額については推測の域を出ません。
 
海外では、すでに走行税に相当する税制を導入している国や地域があります。米国ではオレゴン州が導入しており、ヨーロッパでは重量貨物車向けの制度として、オーストリアやドイツ、チェコ、ポーランドなどで導入しているようです。
 
このような欧米の状況にならって、「走行段階にかかる税制度の検討を開始すべき」とする声があります。政府が今後議論を進めるにつれて、負担額について草案が出てくるかもしれません。
 

走行税が導入された場合の影響

仮に走行税が導入された場合、どのような影響が仕事や家庭に出るか不安を感じている人は少なくないでしょう。現時点で具体的な案がないため、明確なことはいえません。
 
しかし仮に、米国オレゴン州のように一定の走行距離に応じて徴収する場合、走れば走るほど負担が大きくなります。今回のケースのように地方在住で、仕事に行くのにも買い物に行くのにも車に乗るという場合、走行距離は必然と長くなり、走行税の負担も大きくなると考えられます。
 
福島県議会議長は、衆参議員議長や内閣総理大臣などに宛てた意見書の中で、「大都市に比べ極端に公共交通手段が限定されている地方生活者にとって、税制の見直しによる負担増は地方の社会経済活動を後退させ、人口減少に拍車を掛ける恐れがある」と訴えています。
 

走行税の導入は地方在住者の大きな負担になるおそれがある

走行税は検討段階にあり、現時点では導入されていませんが、今後税制に関する議論が進む中で導入へ向けて加速する可能性はあります。
 
仮に全ての車を対象に一律に導入された場合、車を生活の足としている人にとって大きな負担になるかもしれません。
 

出典

福島県 自動車に関する税制の在り方の適切な検討を求める意見書
内閣府 税制調査会2022年度 税制調査会(第20回総会)議事録( 9ページ)
一般社団法人日本自動車会議所 燃料税収、21年度は過去20年で最少 先細り確実で課税懸念も
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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