勤続20年にして「年収600万円」になった42歳会社員です。年齢的にこれがピークでしょうか?これ以上年収が上がることはありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月7日 9時10分
同じ会社に長く勤めることで、勤続年数や年齢に応じて年収は上がっていくことが期待できます。40代になると、老後資金など将来に備えて貯蓄したいと考える方もいるでしょう。そこで気になるのは、年収のピークは何歳ごろなのかです。 例えば勤続20年で年収が600万円になった42歳会社員の場合、これ以上年収が上がることはあるかについて調べてみました。40代から老後に備えて貯蓄をする際のポイントもご紹介しますので、参考にしてみてください。
勤続20年で年収600万円の42歳会社員……これ以上の年収アップは望める?
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、40代以降の年齢別の平均賃金(年換算)は以下の通りです。
・40~44歳:33万8800円(406万5600円)
・45~49歳:35万5700円(426万8400円)
・50~54歳:37万1100円(445万3200円)
・55~59歳:37万6400円(451万6800円)
・60~64歳:30万5900円(367万800円)
・65~69歳:26万9800円(323万7600円)
同調査によると、年収のピークは50代後半になってから来ることが考えられます。42歳で年収600万円の場合は、十数年にわたって年収アップが期待されるでしょう。
なお同調査にはボーナスが含まれていません。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、令和5年度の平均ボーナス支給額は79万2776円(夏季:39万7129円/年末:39万5647円)で、これを基に40代前半の平均年収を計算すると485万8376円です。42歳で年収600万円であれば、現時点で平均よりも多い年収を稼いでいて、このまま勤続年数を増やしていくことで50代後半のピーク時にも高収入が得られると期待できます。
40代からは老後に備えた貯蓄を考えることも重要
42歳であれば年収のピークはまだ十数年先で、今後も年収アップが期待できます。しかし得られた収入を自由に使える資金として考えるのではなく、老後に備えた貯蓄のチャンスと捉えることも重要です。
前述の調査では、50代後半に年収のピークが来ますが、60代になると定年、再就職などにより年収が大幅にダウンすることが考えられます。また60歳以降は加齢による病気やけがなどのリスクも高まり、突発的な支出が多くなる可能性もあるでしょう。
老後資金を貯めたいと考えている場合は、早めに貯蓄に取り組む必要があります。
40代から老後に備えて貯蓄をする際のポイント
40代から老後に備えて貯蓄をする際のポイントとして、以下のようなものが挙げられます。
現在と将来の収入を把握する
貯蓄をするには、夫婦共働きの場合は世帯全体の年収を確認するなど、収入の現状を把握することが大切です。今の会社であと何年働けるかや定年時の退職金、年金収入の目安なども知っておくとよいでしょう。
退職金に関しては勤続年数に応じて金額が大きく変わる可能性があるため、高収入を求めて転職を検討する際には注意が必要です。
ライフイベントごとの支出を確認する
40代からは、子どもがいる場合は大学進学などの教育費、車の買い替え、マイホームの購入などといったライフイベントが考えられます。それぞれにまとまった資金が必要になるため、老後資金とは別に用意しておく必要があります。
固定費を見直して無駄な支出を減らす
40代は年収のピークがまだで、今後の年収アップが期待できますが、60歳を過ぎて年収がダウンすることを考えると、老後貧乏にならないよう年収に見合った生活を心がけることは大切です。
家計簿をつけて食費・雑費など、無駄な支出がないか確認するとよいでしょう。家賃・保険料・通信費・サブスクリプションサービス利用料など、固定費を見直すことで支出を大幅に減らせる可能性もあります。
先取り貯金で確実に貯蓄を増やす
ライフイベントにかかる出費などを考慮すると、40代世帯では貯金に回すお金がなかなか残らないといったケースも考えられます。確実に貯蓄を増やすには、毎月の収入から先に貯金分を取り分けて、残ったお金で生活をする「先取り貯金」が効果的です。
年収のピークは50代後半に来る可能性あり! 今後の収入アップと老後を見据えた貯蓄への取り組みが大切
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」から、年収のピークは50代後半に来ることが分かりました。年収600万円の42歳会社員の場合、現時点で同年代の平均よりも多く稼いでいて、今後も同じ会社で働き続けることで勤続年数に応じた高年収や退職金が得られると期待できます。
年収のピークはまだとはいえ、60代を過ぎると年収ダウンや突発的な支出が考えられるため、老後に備えて貯蓄をしておくことは大切です。現在と将来の収入を把握しつつライフイベントごとの支出を確認したり、固定費を見直して無駄な支出を減らし先取り貯金で確実に貯蓄を増やしたりして、老後を見据えた貯蓄への取り組みを行うとよいでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況 結果の概要 1 一般労働者の賃金 (2)性別にみた賃金 第2表 性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差(7ページ)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等 統計表 <<特別集計>>令和5年夏季賞与(一人平均)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等 統計表 <<特別集計>>令和5年年末賞与(一人平均)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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