電子マネーを利用していますが、サービス停止になった場合が不安です。返金されることはあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月9日 6時40分
電子マネーは、その便利さから多くの人に支持されていますが、サービスが突然停止した場合、チャージ済みの残高はどうなるのかという点で不安を感じる利用者も多いでしょう。特に、現金として返金されるかどうかは重要なポイントです。 今回は、電子マネーのサービス停止のリスク、実際に停止になった場合の対応と返金の可能性について詳しく紹介します。
電子マネーのサービス停止のリスク
株式会社セブン&アイ・ホールディングスが提供する「7pay(セブンペイ)」は、2019年に「リスト型アカウントハッキング」の被害を受け、サービスが廃止されました。株式会社セブン&アイ・ホールディングスによると、被害人数808人、被害総額3861万5473円でした。
この事件を受けて、今後電子マネーのサービスが停止する主な理由として考えられるものは以下のようになりました。
●運営会社の経営不振や破綻
●システムの不具合やサイバー攻撃による障害
とはいえ、電子マネーの運営が安定しているかどうかは判別しにくいため、利用者は常にリスクに備える必要がありそうです。
サービス停止時の返金は法律で定められている
電子マネーの運営は、「資金決済に関する法律」に基づいて行わなければなりません。電子マネーは第3条で定義されており、第20条ではユーザーの資産を保護するための払い戻しについても定められています。具体的には、電子マネーの発行者は、ユーザーの残高を一定の基準で管理することが求められているのです。
前払式支払手段の発行者が破産手続きや再生手続きを開始した場合にも、ユーザーの保護が図られるように規定されていて、未使用残高の半額以上の額の発行保証金を保全しなければならないこととしています。
発行者が破産すると、この発行保証金を元に利用者に払い戻さなければなりません。サービス停止時には、返金の手続きにしたがって60日以上の一定の期間内に申出をすることにより優先的に返金が行われます。
ただし、全てのケースで返金が保証されているわけではありません。
返金が行われない場合の対処法
万が一、サービス停止後に返金が行われない場合、利用者はどのように対処すればよいのでしょうか。このような場合、まずは、運営企業またはカード発行会社に直接連絡を取り、詳細な情報を確認することが重要です。
万が一、企業が倒産した場合や連絡が取れない場合は、消費者保護機関に相談しましょう。
例えば、全国の消費生活センターや独立行政法人国民生活センター、消費者庁が消費者の権利を守るためのサポートを提供しています。また、一般社団法人日本資金決済業協会でも、資金決済法に基づく前払式支払手段または資金移動業に関する相談を引き受けています。
これらの機関に相談することで、返金に関するアドバイスや具体的な対応策を得ることができるでしょう。
返金されることもあるが、事前にリスク対策をしよう
電子マネーのサービスそのものが停止して使えなくなった場合は、利用者が適切な手続きを踏むことで返金を受けられる可能性があります。しかし、返金が行われない場合もあるため、事前に対策を講じることが重要です。
複数の電子マネーを併用し、信頼性の高い企業のサービスを選び、常に最新の情報をチェックすることで、リスクを最小限に抑えられる可能性があります。万が一の際には、消費者保護機関に相談し、適切な対応を行いましょう。
出典
株式会社セブン&アイ・ホールディングス 「7pay(セブンペイ)」サービス廃止のお知らせとこれまでの経緯、今後の対応に関する説明について
e-Gov法令検索 平成二十一年法律第五十九号 資産決算に関する法律
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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