夫が亡くなってから息子夫婦と同居しています。息子の管理で年金「12万円」のうち「5万円」をもらっているのですが、自分で管理した方がよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月12日 9時10分
配偶者が亡くなったなどの理由で息子夫婦と同居している人がいるかもしれません。その中で年金を息子に管理してもらっており、12万円のうち5万円しかもらっていないことが不安な人もいるでしょう。 今回は親世帯と子世帯が同居する際にかかる費用についてご紹介します。また、高齢者が自分でお金を管理する際のポイントもまとめました。
年金の管理は自分でした方がよい?
年金の管理を自分でした方がよいかは、それぞれの家庭環境によって大きく異なると考えられるでしょう。自分で管理することによって、詐欺やトラブルなどの被害に遭いやすい可能性もあります。
独立行政法人国民生活センターによると、高齢者の消費者被害に関する相談は全国の消費生活センターなどに多く寄せられているとのことです。
一方で、息子などの親族にお金の管理を任せる場合も注意が必要です。例えば息子夫婦との仲がよいのであれば問題はないかもしれませんが、悪い場合には金銭面のトラブルにつながるおそれがあります。
特に子どもが複数人いる場合、兄弟姉妹間でのトラブルにつながる可能性があるようです。息子夫婦に管理してもらう場合も、定期的に自身の通帳を確認するようにしましょう。
親世帯と子世帯が同居する際にかかる費用は?
親世帯と子世帯が同居する際にかかる費用は、以下のようなものが考えられます。
・食費
・水道光熱費
・住居費
・保健医療費
・交通・通信費
例えば食費や水道光熱費・住居費については、まとめて支払うことが多い費用と想定できるでしょう。対して医療費や通信費などについては、個人で支払っているケースがあるかもしれません。
なお、総務省統計局が発表している「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、二人以上の世帯における上記5項目の平均支出は以下のようになっていました。
・食費:8万6554円
・水道光熱費:2万3855円
・住居費:1万8013円
・保健医療費:1万4728円
・交通・通信費:4万2838円
上記の項目を合計すると約19万円となり、仮に3人で割る場合は1人当たり約6万3000円を負担することとなります。もちろん負担すべき金額は、家庭環境やライフスタイルなどによって前後します。しかし、平均的な支出をベースに考えると、年金12万円のうち7万円を家庭に入れているのは比較的妥当な金額とも考えられるでしょう。
高齢者が自分でお金を管理する際のポイント
高齢者が自分でお金を管理するのであれば、以下2つのポイントに注意しましょう。
・複数口座を使い分ける
・高額な買い物は自分だけで判断しない
それぞれの内容について、詳しく解説します。
複数口座を使い分ける
高齢者が自分でお金を管理する際は、できるだけ複数の口座を使い分けることがよいとされています。普段の買い物で使うお金と貯金するお金の口座を分けるだけでも、使い過ぎの防止につながるでしょう。
また口座を分ける際、可能であれば銀行印も分けるようにして、普段は持ち出さないところにしまっておくのもよいでしょう。
高額な買い物は自分だけで判断しない
日常の中で買い物をしていると、高額なものが必要になる場面があるかもしれません。その際、一定の金額以上の買い物は自分だけで判断しないといったルールを設けておくことも自分でお金を管理する際のポイントとなります。
例えば1万円以上の買い物をする際は家族へ連絡するといったルールを設けておけば、悪質なセールスに引っかかってしまう心配も少なくなるでしょう。また、買い過ぎや不用品の購入を防止するのにも効果的とされています。
金銭面に関するトラブルを避けるためにも、自分で管理する際は、このようなルールを設けてみてください。
年金12万円のうち7万円を家庭に入れることは比較的妥当な金額と考えられる
12万円の年金のうち、7万円を家庭に入れているのは、支出の平均から見ても妥当な金額と考えられます。もちろん家庭環境やライフスタイルなどによっても変わってはくるものの、特別金額が多すぎるとは考えにくいでしょう。
どうしても金額面の不安があるのなら、自分で管理することもひとつの選択肢となります。この場合、どのような管理をするのかしっかりとルールを設けて、家族と共有したうえで取り組むようにしてみてください。
出典
独立行政法人国民生活センター 高齢者の消費者被害
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 表I-1-1 消費支出の費目別対前年増減率(二人以上の世帯)-2023年-(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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