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「定期借地権付きマンション」とはどんなマンション? 購入の際の注意点は?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月12日 9時0分

「定期借地権付きマンション」とはどんなマンション? 購入の際の注意点は?

分譲マンションの購入を検討する際に、土地についての権利が「借地権」となっている物件を見かけることがあります。首都圏など都市部を中心とするマンション価格の高騰が継続する現在、本記事では特に「定期借地権付きマンション」に関する特徴やメリット、デメリットなどを確認していきます。

分譲マンションの土地に関する権利

マンションとは「共同住宅」といわれるとおり、マンションを購入した人(区分所有権を有する者)が土地と建物を共有することになります。マンションの建っている土地は、法定敷地(または、駐車場など規約によって敷地にされた規約敷地)として、専有部分(建物の区分所有権を有する部分)の床面積の割合に応じて敷地利用権を有しています。
 
この敷地利用権の権利には、主に以下の3つがあります。
 

(1)所有権

多くの分譲マンションの敷地利用権は、「所有権」となっています。物権の王様といわれ、法律に違反しない範囲で特定の物を自由に使用、収益、処分できる権利のことをいいます。ただし、敷地利用権の場合には、専有部分を所有するための権利であるため、規約で別段の定めがないかぎり、専有部分と敷地利用権を分離して処分することはできません。
 

(2)地上権

地上権は、工作物(マンション)を所有するために、他人の土地を使用・収益することを目的とした物権のひとつです。登記することで第三者にも対抗でき、地主も地上権の登記に応じなければなりません。地代については、無償が原則ですが、地代を支払う旨を定めることもできます。
 

(3)賃借権

借地借家法において、建物(マンション)の所有を目的とする土地の賃借権と地上権のことを借地権といいます。借地権には、「普通借地権」と「定期借地権」がありますが、次項で特に事例の多い定期借地権付きマンションについて確認していきましょう。
 

定期借地権付きマンションの特徴

定期借地権の場合には、借地期間満了時に土地をさら地にして地主に返還することが原則となります。最近では、借地期間として60年から70年程度を設定し、所有者が地主に地代を支払う仕組みとなっています。
 
ちなみに、一般定期借地権の存続期間は、「普通借地権」の30年以上よりも長い50年以上に設定する必要があります。また、ほかにも購入時の費用として、解体準備金や土地購入のための一時金を徴収されたり、所有期間の費用として解体積立金がかかったりする場合もあります。
 
逆に、不動産の所有者に課税される税金である固定資産税・都市計画税は、建物部分のみを負担し、土地部分は土地の所有者(地主)が負担することになります。
 

定期借地権付きマンションのメリット・デメリット

前述のコスト面でのメリット・デメリットのほかにも、一般的には以下のような特徴があります。
 

【メリット】

(1)立地のよい物件が多い

定期借地権付きマンションが建てられる土地は、一般的には地主も手放したくない土地であることが多く、駅地下や都心部など利便性の高い物件が多く見られます。地主には、国や自治体、寺社仏閣、学校や大使館の跡地などもあるようです。
 

(2)土地の購入費用を含まないため安く購入できる場合がある

定期借地権付きマンションの一般的なメリットとして最初に挙げられるのが、「価格が安い」という点です。ただし、解体積立金といった特有のコストがかかるなど、総合的な判断をしないと、一概に安いとはいえない状況もあるようです。
 
特に、最近の新築物件などでは、利用できる期間が長期化している分、むしろ定期借地権付きマンションのほうが高額となる事例もあるようです。
 

【デメリット】

(1)長期の住宅ローンを設定しづらい場合がある

特に中古マンションの場合は注意が必要となりますが、定期借地権の存続期間の残りが短くなるほど物件の担保価値が少なくなるため、住宅ローンを長期で契約することが困難となる場合があります。
 

(2)将来子に財産として残すことができない場合がある

定期借地権付きマンションの利用期間は長期化の傾向となっていますが、いずれは必ずマンションを解体して、さら地として返却するときが訪れます。その際には住み替えが必要となるため、将来的なライフプランも考慮しておくことが望ましいでしょう。
 

まとめ

通勤や仕事上の利便性、子どもの教育環境の充実など、そのようなことを重視したい時期に比較的安価に希望するエリアのマンションを購入できるのであれば、定期借地権付きマンションはひとつの選択肢となるのかもしれません。ただし、メリット・デメリットや将来的なライフスタイルの変化などにも配慮したうえで決断されることをお勧めします。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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