「ETC2.0」は今までのETCと何が違う? これまでのETCはどうなるの?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月13日 6時10分
普段車に乗っていて、ETCを利用する人がいるかもしれません。そのなかで、ETC2.0とは何か、従来のETCと何が違うのかが気になる人もいるでしょう。 今回はETC2.0について、概要や従来のETCとの違いをまとめました。あわせて、ETC2.0が普及した後、従来のETCがどうなるのかについてもご紹介します。
ETC2.0とは?
ETC2.0は従来のETCに比べ、安全な走行をサポートするための機能が備わったサービスとなっています。ETCはおもに料金の支払いをするものでしたが、ETC2.0では、全国の高速道路に設置されているITSスポットを用いて、走行車両の経路情報を収集できるといわれています。
利用するには、ETC2.0対応の車載器とETC2.0対応のカーナビまたはスマートフォンが必要となります。対応機器が用意できれば、ETCカードを変える必要はありません。
ただし、2015年6月30日より以前にセットアップしたDSRC車載器を使用している場合は、改めてセットアップする必要があります。
ETCとETC2.0の違い
従来のETCにはないETC2.0の違いとして、以下の3つを見ていきましょう。
・交通情報や災害情報の受け取りが可能になる
・一時退出や再進入の料金が不要になるケースがある
・専用の割引が利用できる区間がある
それぞれの内容について、詳しく解説します。
交通情報・災害情報の受け取りが可能になる
ETC2.0は従来のETCと比べて、大幅に通信機能が向上しているといわれています。ITSスポットから、最大で約1000キロメートルの道路交通情報がリアルタイムに更新されるため、渋滞や事故による規制を避けられるといわれています。
災害情報についても、発生したタイミングで通知する機能がついているようです。音声による案内ですぐに災害情報を把握できれば、自身の身を守るための行動もとりやすくなるでしょう。
一時退出・再進入の料金が不要になるケースがある
国土交通省では「賢い料金」の名称で、高速道路の一時退出および再進入の料金を不要としている区間があります。全国23ヶ所の道の駅を対象とした実験となっており、以下の条件を満たす場合は、一時退出や再進入の料金がかかりません。
・対象のインターチェンジから入退出を行う
・退出時と再進入時が同じ方面である
・対象となる道の駅に立ち寄る
・退出から再進入までの時間が3時間以内である
利用できる範囲は限定的ですが、今後本格的に導入されることが期待されている機能の1つです。
専用の割引が利用できる区間がある
ETC2.0を利用していると、以下の区間で専用の割引を受けられます。
・圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT・海老名~木更津JCT)
・新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)
割引率は区間によって異なり、例として大井松田~相模原間では、以下の表1の金額となっていました。
表1
車種 | ETC2.0以外 | ETC2.0 |
---|---|---|
軽 | 1230円 | 1150円 |
普通 | 1500円 | 1390円 |
中型 | 1770円 | 1650円 |
大型 | 2370円 | 2200円 |
特大 | 3840円 | 3550円 |
※一般財団法人ITSサービス高度化機構「圏央道割引」を基に筆者作成
ETC2.0になると従来のETCは使えなくなる?
ETC2.0の普及が進んだからといって、今すぐ従来のETCが使えなくなることはないようです。ただし、将来的に一部機種が使用できなくなる可能性がある点には注意しましょう。
これは電波法の改正やセキュリティ規格の変更などが関係しており、2030年問題と呼ばれているようです。新セキュリティ対応車載器でなければ、将来的なトラブルにつながる可能性は十分に考えられます。
自身の車載器が問題なく使用できるかを知るには、車載器管理番号を確認しましょう。管理番号が「1」から始まるものであれば新セキュリティに対応しており「0」から始める場合は、旧式の規格となります。
ETC2.0は従来のETCに比べて安全性能や料金の面に違いがある
ETC2.0は、全国の高速道路に設置されているITSスポットからさまざまな情報を収集できます。交通情報や事故情報はもちろん、災害情報をリアルタイムに受信できる機能は、従来のETCにはない特徴といえるでしょう。
また、限定的ではありますが、一部割引を受けられたり退出後の再進入が認められていたりします。料金の面でもお得になることが予想されるため、今後さらに普及が進んだ際は、利用を検討してみてもよいでしょう。
出典
一般財団法人ITSサービス高度化機構 圏央道割引
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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