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「航空管制官」になりたいのですが、20代の年収が一般企業と変わらないと聞きました。国家公務員の年収は一般企業よりも高いのではないのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月14日 5時40分

「航空管制官」になりたいのですが、20代の年収が一般企業と変わらないと聞きました。国家公務員の年収は一般企業よりも高いのではないのでしょうか?

空の安全を24時間365日守り続ける「航空管制官」。国内で航空管制官になるには、国家公務員として採用される必要があります。試験を突破するのは簡単ではありませんが、国家公務員の給与の高さも魅力に感じている方もいるでしょう。では、航空管制官の給与は実際いくらくらいになるのでしょうか?   そこで今回は、航空管制官になったばかりの20代でも、民間企業の社員よりも高い給与をもらえているのか、それぞれの給与を比較します。

航空管制官とは

「航空管制官」は、空の安全を守る重要な職業です。主な仕事は、空港の管制塔から飛行機に対し離着陸許可や走行経路の指示出しなどを行う「飛行場管制業務」、離陸した飛行機に対し、安全なルートに誘導・上昇させる「ターミナル・レーダー管制業務」、空港と空港の間を飛行する飛行機に対し指示を出す「航空路管制業務」があります。
 
航空管制官になるためには「航空管制官採用試験」に合格し、航空保安大学校で長い研修を経て勤務地に配属、さらに業務資格を取得する必要があります。
 

20代航空管制官の平均年収

航空管制官は国家公務員のため、民間企業よりも高い給与をもらっているというイメージのある方もいるでしょう。しかし、年次によってはそれほど変わらない可能性もあります。
 
では大学卒業後に航空管制官になって7年目までの平均給与を確認してみましょう。表1は、人事院の令和4(2020)年国家公務員給与等実態調査を参考に経験年数別に示したものです。
 
表1

経験年数 平均俸給額(A) ボーナス(B)
(A×4.4)
年収
(A×12+B)
1年未満 19万4617円 約85万6315円 約319万1719円
1年~2年未満 20万4002円 約89万7609円 約334万5633円
2年~3年未満 21万3106円 約93万7666円 約349万4938円
3年~5年未満 22万3417円 約98万3035円 約366万4039円
5年~7年未満 23万8133円 約104万7785円 約390万5381円

※人事院の「令和4年国家公務員給与等実態調査」を基に筆者作成
 
「俸給額」とは、民間企業の基本給と同様で、時間外手当や家族手当・通勤手当などは含まれません。そのため、実際はこの数字より多いと考えられます。
ボーナスは令和4年度の国家公務員のボーナス支給月数4.4ヶ月分をかけた数字です。
 
年を経るごとに、順調に昇給していることが分かります。
 

20代民間企業の社員の平均年収

次に、20代の民間企業の平均年収を確認しましょう。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査を基に、企業規模10人以上の企業に勤める労働者の平均年収を計算したものが表2です。なお、航空管制官の採用試験は大学卒業程度の知識を問う問題であるため、こちらも大学卒業した方に絞った数字をご紹介します。
 
表2

所定内給与額(A) 年間賞与その他特別給与額(B) 年収
(A×12+B)
20~24歳 23万3600円 33万9800円 314万3000円
25~29歳 26万5200円 78万7400円 396万9800円

※厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
なお「所定内給与額」とは、時間外労働の賃金を省いた金額となります。航空管制官の年収額には家族手当や通勤手当などさまざまな手当が含まれていないため、増加する可能性はあるものの、航空管制官と民間企業の20代の年収を比較すると、ほとんど同じように見えます。
 

今後の航空管制官の給与

20代の平均年収が民間企業と変わらないからといって、航空管制官の仕事をあきらめる必要はありません。
 
これまで年功序列型と言われてきた国家公務員ですが、志願者数の減少や若年層の離職の増加などがあり、国家公務員離れを食い止めるために給与体系の見直しを計っています。令和5(2023)年からは国家公務員の初任給が大学卒業の場合1万1000円、ボーナスも4.4ヶ月から4.5ヶ月に引き上げられました。
 
また、成績によってボーナスの上限引き上げのような、個々の能力や成果に応じた給与体系に移行する旨も話し合われています。今後の給与体系には、注目しておくとよいでしょう。
 

20代航空管制官は民間企業の同世代と現状は同程度の年収となっている

20代の航空管制官は、勤務地や家族構成などにより差はあるものの、民間企業の収入と大きく変わらない数字となっています。しかし、若年層の国家公務員離れを食い止めるため、給与体系の見直しなどが行われる可能性があります。それによって、今後の年収には差が出る可能性も考えられるでしょう。
 

出典

国土交通省 仕事内容
内閣官房 俸給表及び手当の種類 俸給表の種類
人事院 令和4年国家公務員給与等実態調査第7表適用俸給表別、経験年数階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均俸給額(専門行政職俸給表)
人事院 2024年度国家公務員採用一般試験(大卒程度試験)の試験区分別申込状況
人事院 就活中の皆さまへ
内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与 給与の構成(10ページ)期末・勤勉手当(ボーナス)(14ページ)
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査産業大分類第1表年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況:主な用語の定義賃金
国土交通省 航空管制官になるには航空管制官になるまでの流れ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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