3年前に納付期限を迎えた「国民年金保険料」が2ヶ月分未納だったことが判明…。今からでも納付できますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月14日 10時10分
会社勤めの方だと、国民年金保険料は会社が給料から差し引く形で納付してくれます。しかし、転職を機に退職をする際、退職してから次の会社に就職するまでの間に会社で働いていない期間があると、自分で国民年金保険料の納付が必要です。 もし納付を忘れていたら、老後に受け取れる老齢基礎年金額に影響します。今回は、国民年金保険料は期限を超えても納付できるのか、また未納期間があるときに利用できる制度などについてご紹介します。
国民年金保険料は期限から3年たっていても支払える?
日本年金機構によると、基本的に納付できるのは2年前までの分のみです。納付期限から2年たっていると、時効が成立しているため納付できません。
ただし、2年で時効が成立するのは「督促状」が届いていない場合です。督促状が届いていれば時効は成立せず、国民年金保険料を支払ったタイミングによっては延滞金を支払うことになります。
国民年金法第102条5項によると「保険料その他この法律の規定による徴収金についての第九十六条第一項の規定による督促は、時効の更新の効力を有する」とされているためです。
延滞金とは
年金における延滞金とは、督促状で示された期限を超えて納付した場合に追加で支払うお金です。督促状を受け取っても、示された期限以内に納付していれば発生しません。
日本年金機構「国民年金保険料の延滞金」によると、延滞金が発生すると、令和6年中の場合は納付期限から3ヶ月目までは2.4%、3ヶ月を超えてからの日数には8.7%の割合で延滞金が発生するようです。延滞金の求め方は以下の通りです。
(1)国民年金保険料の納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの金額
・各月の国民年金保険料額×2.4%×納付期限の翌日から3ヶ月目までの日数÷365
(2)国民年金保険料の納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以降の金額
・各月の国民年金保険料額×8.7%×納付期限の翌日から3ヶ月を超えてからの日数÷365
延滞した期間によって、割合は変動するため注意が必要です。
国民年金保険料を2ヶ月支払わなかったときと満額支払ったときの老齢基礎年金額の差
国民年金の支払いにより受け取れる老齢基礎年金額は「満額の受給額×{(国民年金の納付済み月数+免除制度を利用した月数に応じた減額割合)÷(40年×12月(480ヶ月))}」で求められます。令和6年度の場合、老齢基礎年金の満額は年間81万6000円です。
一方、2ヶ月支払っていない期間があると、納付済み月数は全部で478ヶ月になります。受給額は「81万6000円×(478ヶ月÷480ヶ月)」となり、約81万2736円です。満額のときと比べると、年間約3264円の差があります。
納付期間が少ないときは任意加入制度の利用も検討しておく
国民年金の納付が終了する60歳になっても納付期間が足りないといった理由で老齢基礎年金を満額受給できないときは、60歳になってから任意加入制度を利用できます。日本年金機構「任意加入制度」を基に、任意加入制度の利用条件をご紹介します。
以下の条件をすべて満たす方が任意加入をすることができるようです。
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
・老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
・20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
・厚生年金保険、共済組合等に加入していない方
任意加入制度を利用すると、60歳になってからも国民年金を納付できるため、老齢基礎年金の受給額を増やせます。
年金を納められる時効は督促状がなければ2年
国民年金保険料の納付は、時効が2年に設定されているため2年を超えると納付できません。ただし、2年たつまでに督促状が届いた場合は、法律により時効の更新が適用されます。
もし自身の未納期間から2年たっていて督促状もあるときは、督促状の納付期限を確認しておきましょう。督促状で提示された期限を超えていると、年金保険料に加えて延滞金も納める必要があります。
また、未納期間があることで年金受給額が減るため、基本的に年金は忘れず納めましょう。納付できていない期間をリカバーしたいときは、任意加入制度の利用もおすすめです。
出典
デジタル庁e-GOV法令検索 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第百二条5項
日本年金機構
国民年金保険料の延滞金
任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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