「高時給の派遣社員」でも正社員になるべき? 今の年収でも十分生活できているけれど……「派遣社員」と「正社員」の違いとは?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月17日 3時0分
派遣社員のなかには、資格やスキル、経験などが評価されて高時給、例えば時給2000円以上になる方もいらっしゃいます。 高時給で働くと当然手取り収入も多くなりますので「正社員でなくてもいい」と思う方もいる一方で、「正社員の方が将来安定しているのではないか」と漠然とした不安を抱える方もいるでしょう。今回は、派遣社員と正社員がどのように異なるのか確認してみます。
派遣社員の雇用主は派遣会社
働き方が多様化しています。コロナ禍に在宅勤務が増えたこともあり、正社員でも“出勤するのは週に2日だけ”という話も耳にします。出勤しなくて良いのなら、自由度が高いように思えます。
「自分の時間を確保したい」という理由で正社員ではなく派遣社員を選んでいる人もいます。働き方が変わりつつある今、正社員と派遣社員の違いを改めて整理します。
一番の違いは、会社との契約形態です。X社に勤務しているAさんとBさん。正社員のAさんは、X社と雇用契約を交わしています。一方派遣社員のBさんが契約しているのは派遣会社のY社。Y社からX社に派遣されているのが派遣社員の仕組みです。
Bさんの勤務地はX社ですが、給与はY社から支払われますし、社会保険や福利厚生などもY社の制度に従っています。契約期間が終了すればBさんのX社での勤務は終わり、次の派遣先であるZ社で勤務するための新たな契約が交わされます。
派遣社員 vs 正社員
一般的な派遣社員、正社員のメリットとデメリットをまとめました。
●勤務地・勤務期間・勤務時間など自分の条件を提示することで、ライフスタイルに合わせた働き方をすることができる
●自分のやりたい職務の希望を派遣会社に提出するので、今までのキャリアを生かした仕事や今後のスキルアップにつながる仕事を選べる可能性が大きい
●業務内容の詳細について事前に派遣会社から説明を受けるので、職務内容に関する齟齬(そご)が生じにくい
●契約期間が満了するたびに雇用契約が終了するか更新するかが決まるので、雇用が安定しない
●賃金は基本的には時給計算なので、祝日が多い月は給料が少ないなど、収入が安定しない
●職務内容があらかじめ決められていることもあり、一般的には責任ある仕事を任せられることが少ない
●雇用期間の定めがないので、基本的には定年まで働くことができる
●一般的には賞与や退職金が支給される
●昇給や昇格の機会がある
●福利厚生が充実していることが多い
●異動や転勤がある
●月給を時給換算すると派遣社員よりも時給が低くなることがある
●自分の希望する職務につけない場合がある
それぞれにメリット・デメリットがありますので、どちらが良いとは言えません。個人の向き不向きもありますが、働き方の特性を知っておくことは、転職を考えた時などに役立つでしょう。
自分のライフプラン・キャリアプラン
派遣社員の実情はどのようになっているのでしょうか。厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査の概況」(※)を確認してみました。
「同一労働同一賃金」の課題を論じられるとき、「正社員と派遣社員の間に格差がある」ことが懸念されています。調査によると派遣社員の時間給(基本給、税込みの時間給換算額)は、「1250~1500円未満」が27.8%でもっとも多く、「1000~1250円未満」が27.1%となっています。時間給別の満足・不満足の割合は下図表のとおりです。
(図表)
満足していない理由は、「同一の業務を行う他の労働者よりも賃金が低いから」「自分の能力や職務内容に見合った賃金ではないから」「業務量に見合った賃金ではないから」があげられます。個人的には、満足している人の割合が想像していたよりも高いように感じました。
最後に私事ですが、私自身は正社員を経験した後、派遣社員として長く勤務しました。新卒で入社した会社で社会人としての教育を受けたことが、後々の基礎になっています。
その後派遣社員として過ごした複数の会社では、それぞれの社風や独自の仕事のやり方など勉強になる点が多々ありました。これらの経験が、ライフプラン・キャリアプランを考える上で役立っていると思っています。
働き方に迷ったら、上記のメリット・デメリットを参考に、ライフプラン・キャリアプランという側面からも考えてみるといいかもしれません。
出典
厚生労働省 令和4年派遣労働者実態調査の概況
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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