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大学生の息子が「教師」になりたいと言っています。教職大学院を修了すると「奨学金の返還が免除」されるって本当ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月17日 4時30分

大学生の息子が「教師」になりたいと言っています。教職大学院を修了すると「奨学金の返還が免除」されるって本当ですか?

深刻な教員不足が社会問題になっています。文部科学省は質の高い十分な量の教師人材を確保するため、教職大学院などを修了した人を対象に、令和7年度から奨学金の返還免除を実施する予定です。また、国の施策にせんだって自治体も教師になった人に対する奨学金返還支援の取り組みを行っています。

教師を取り巻く状況

教育内容や教育環境は時代とともに変化してきていますが、どの時代においても、子どもの学びを支える教師は公教育の要であり、教師の質は教育の質に直結します。
 
また、特別な支援が必要な児童生徒数や不登校等の児童生徒数が増加していることをはじめ、学校現場が抱える教育課題も多様化・複雑化しています。
 
また、AI・ビッグデータ・IoT 等の技術革新、グローバル化、少子化・人口減少等の急激な社会の変化や、1人1台端末をはじめとした学習環境の進化等を踏まえた、子どもたちの新たな学びへの転換にも対応することが必要になっています。
 
令和5年度(令和4年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況を見ると、小中高等全体の受験者総数は12万1132人で、前年度に比較して5258人減少しているものの採用者総数は3万5981人で、前年度に比較して1666人増加しており、競争率(採用倍率)は3.4倍(過去最低)となっています。また、全体の競争率は15自治体で増加、45自治体で減少となっています。
 
競争率の低下は、大量退職等に伴う採用者数の増加と既卒の受験者数の減少によるところが大きいのが要因です。
 
これからの時代に必要な教育の実現、教師不足や採用倍率低下の状況等を踏まえると、質の高い十分な量の教師人材の確保が課題です。
 
優れた教師に得るためには、教職の魅力向上が不可欠です。学校における働き方改革、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実等を一体的に進めることが重要であり、こうした取り組みの一環として大学院卒の奨学金返還支援を国は推し進める予定です。
 

奨学金返還免除の対象と対象奨学金

教職大学院の在籍者が教員採用選考等に合格し、教職大学院修了の翌年度から正規教員として採用される予定者であり、その後、現に大学院修了の翌年度に正規教員として在職していることを確認できた方に対して、日本学生支援機構の第一種奨学金の返還が全額免除されます。
 
教職大学院以外の大学院に在籍していた方も、「大学院において、学校等での実習を必須とする科目(教職課程認定を受けているものに限る)を少なくとも1単位以上取得し、学校等での実習の実時間をおおむね 30 時間以上確保していること」などの要件を満たせば免除の対象となります。
 
なお、当該返還免除は、大学院生を対象とした現行の「特に優れた業績による返還免除制度」により実施されます。
 

自治体の取り組み

国の取り組みに先立って、自治体の一部では教師志願者・受験者を確保するため、当該自治体の教師になった者への奨学金の返還支援に取り組んでいます。制度設計は自治体により異なりますが、国と違い、対象者は大学院卒に限られませんし、対象奨学金も日本学生支援機構の第一種奨学金に限られません。自治体の取り組みをいつくか紹介します。
 

○千葉県

【対象者】
千葉県の公立学校教員(高等学校を除く)になることを強く希望する方など
 
【対象奨学金】
日本学生支援機構の第一種奨学金
 
【補助額】
第一種奨学金総貸与額を全額補助
 
【補助対象期間】
採用2年目から10年間
 
【募集期間】
令和6年4月1日(月) ~ 令和10年8月27日(日)
 

○山梨県

【対象者】
令和8年度から山梨県内の公立小学校の教諭として就業(令和7年度実施の教員選考検査の受検)を予定している方
 
【対象奨学金】
日本学生支援機構奨学金(第一種・第二種) 
 
【補助対象額例・第二種奨学金のみの貸与を受けた期間】
卒業前2年間に第二種奨学金として貸与を受けた額以内(ただし、日本学生支援機構が定める第一種奨学金の貸与月額の区分の月額の上限を最高額とする)
 
【募集期間】
令和6年4月1日~令和7年2月28日 
 

○岐阜県

【対象者】
次の要件をすべて満たす者
(1) 岐阜県内高等学校の卒業生
(2) 大学・短大等への進学、卒業者
(3) 岐阜県教員採用選考試験(小中学校)の初合格者
(4) 岐阜県の教諭として勤務
(5) 7年経過後まで教諭として勤務、
(6) 日本学生支援機構の奨学金(第一種、第二種)を返還中、または返還予定
 
【対象奨学金】
日本学生支援機構の奨学金(第一種、第二種)
 
【支援対象期間】
岐阜県教諭として採用後7年を経過するまでの間
 
【金額】
(上限)総額144万円。ただし、採用後7年間で実際に返還した額以内
 
【募集期間】
出願期間と同じ
 
上記の他、岡山県、北九州市などでも教師になった方への奨学金返還支援を行っています。希望する自治体の制度を調べてみましょう。
 

出典

文部科学省 教師になった者に対する奨学金返還支援に関する関連通知等
山梨県 山梨県小学校教員確保推進事業
岐阜県教育委員会 教員採用
千葉県 千葉県教員会 教員不足解消に向けた奨学金返還緊急支援事業のご案内
岡山県 岡山県教職員採用・講師募集情報 岡山県教員奨学金返還支援事業について
北九州市立学校・幼稚園ホームページ 北九州市フレッシュティーチャー奨学金返還支援について(R6.3.11)
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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