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中小企業勤めの40代です。大企業の「賃上げニュース」を目にしますが、中小企業は”賃上げ”されないのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月20日 2時10分

中小企業勤めの40代です。大企業の「賃上げニュース」を目にしますが、中小企業は”賃上げ”されないのでしょうか?

大企業の賃上げニュースをよく見かけますが、雇用全体の7割である中小企業の賃上げ率の平均はそれを下回っています。中小企業勤めのご相談者さまも、賃上げがされない現状に悔しさをにじませています。中小企業の賃上げは実現しないのか、税政策などを見ながら確認してみましょう。

2024年の賃上げは、大企業5.58% VS 中小企業4.66%

日本経済団体連合会が報告した「2024年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況」によれば、大企業の賃上げ率は前年比+1.67ポイントの5.58%でした。一方、従業員300人未満の中小企業の平均賃上げ率は4.66%です。
 
さらに東京商工会議所の報告では、従業員20人以下の企業の平均賃上げ率は3.88%となっています。
 

賃上げを阻む要因

東京商工会議所が2023年に実施した賃上げに関するアンケートから、賃上げに至らない理由として、コスト増加分を価格転嫁できないことが上がっています。特に、最近の円安もあって、海外から調達してくる原材料価格や電気代・燃料代が高騰しています。
 
こうしたコスト負担を価格に上乗せすると、広告宣伝パワーや顧客層で大企業にはかなわない中小企業は売り上げ減少を引き起こしてしまうためと考えられています。売り上げ増が達成できなければ、賃上げにも結びつきません。
 

中小企業への賃上げ取り組みの公的支援

だからといって、手をこまねいていては、人材の確保に支障をきたすことになります。ただ、中小企業自身が100%の負担を負って賃上げに取り組むには限界があります。さまざまな公的支援が用意されています。
 

公的支援1:中小企業省力化投資補助金

例えば、最近スーパーなどでも見られるようになったお掃除ロボットや物流倉庫での無人搬送車のような人手不足を補う設備・機械などをカタログから選択して導入することで設備投資を簡易化するものや、賃上げ基準を達成すると補助金の上限が引き上げられる(上限あり)などの支援事業を展開しています。
 
中小企業省力化投資補助事業の概要

 
 

補助対象 補助上限額 補助率
補助対象としてカタログに
登録された製品等
従業員数5名以下 200万円(300万円) 1/2以下
従業員数6~20名 500万円(750万円)
従業員数21名以上 1000万円(1500万円)

賃上げ要件を達成した場合、( )内の値に補助上限額を引き上げ
 
(出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構ホームページ)
 

中小企業向け賃上げ促進税制

前年度比1.5%以上の賃上げを達成した中小企業には、賃上げ額の最大45%の法人税額控除が適用される制度です。
 
従来は赤字企業では法人税が発生しないため控除の適用外でしたが、新たに減税効果の5年間繰り越しが可能になりました。さらに、子育てと仕事の両立支援や人材育成を実施することによって、控除率がそれぞれ5%、10%アップするように制度が拡充されました。
 
確かに競争力では大企業には及ばないと言わざるを得ません。それでも拡充された公的支援を最大限活用して、中小企業も賃上げの実現の可能性は上がってきているでしょう。
 

出典

一般社団法人日本経済団体連合会 2024年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況[了承・妥結含](加重平均)
東京商工会議所 「中小企業の賃金改定に関する調査」集計結果(10頁)
全国中小企業団体中央会 中小企業省力化投資補助事業
中小企業庁 中小企業向け「賃上げ促進税制」
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 ホームページ
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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