株の「信用取引」はリスクが大きい!? メリットだけでなく注意点とあわせて解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月19日 9時28分
株式投資での資産形成を検討するとき、元金はあまりないけれどできるだけ大きなリターンを得られないかと考える方もいらっしゃるでしょう。 その方法として「信用取引」は有効ではありますが、リスクが大きいとも言われており、仕組みを理解しないで取引をおこなうと、あらかじめ用意した資金以上の損失が発生してしまう可能性があります。 本記事では、株式投資の「信用取引」の概要と、メリットやリスク・注意点について解説します。 これから株式投資を始めようと考えている方、信用取引に興味がある方はぜひご確認ください。
株の「信用取引」とは?
株の信用取引とは、証券会社に現金や株式を担保として預け、資金や株式を借り入れることで自己資金以上の取引をおこなうことができる仕組みです。
現物取引では購入したい銘柄があった際に、手元に購入資金がなければ購入できませんが、信用取引を活用すれば手元の資金以上の取引が可能となるため、少ない資金でより大きなリターンを狙うことができます。
信用取引をおこなうことのメリット
株の信用取引には以下の大きく2つのメリットがあります。
・レバレッジの効果で大きな取引ができる
・下落相場でも利益を狙える
それぞれについて確認しましょう。
レバレッジの効果で大きな取引ができる
信用取引では手元の資金よりも大きな金額を動かすことができます。
実際に手元にある資金以上の金額で取引をおこなうことによって、大きなリターンを狙いにいくことが可能です。
ただし、後述しますがその分リスクも大きくなる点には、注意が必要です。
下落相場でも利益を狙える
相場が下落局面に入った際に、これから株価が上がるであろう銘柄を見つけるのは大変困難です。
信用取引の場合は「売り」から取引を始めることもでき、売りで取引を始めると株価が下落した分だけ利益になるため、相場が下落局面に入ったとしても、利益を狙うチャンスがあります。
株の信用取引はなぜ「リスクが大きい」といわれる? 注意点はどんなものがある?
信用取引のリスクが大きいといわれる主な理由は「レバレッジ」によるものです。
レバレッジを活用すると期待できる収益も大きくなりますが、損失も大きくなってしまう可能性があります。
100万円を元手にした現物取引と、100万円を保証金にして200万円の信用取引をしたケースで比較してみましょう。
もし株価が30%下落した場合、現物取引だと30万円の損失が発生し、残る資産は70万円となります。
これが上記のレバレッジをかけた信用取引の場合、株価が30%下落すると損失額は60万円となり、もともと100万円あった資産が40万円まで減少してしまいます。
レバレッジのかけ方によっては自己資金以上の損失が発生し、負債が残ってしまうおそれもあります。
信用取引をおこなう際の注意点
上記のように、レバレッジの活用には大きなリターンを狙える反面、大きな損失を被ってしまうリスクもあります。
そのためレバレッジを活用する際には、自分がいくらまでの損失額であれば許容できるのかを想定し、レバレッジのかけ方をコントロールしていく必要があります。
また、証券会社ごとに設定されている委託保証金維持率を下回ると、追加の担保を差し入れる必要のある「追証」が発生してしまいます。
追証を発生させないためにも、レバレッジのコントロールであったり委託証拠金維持率の定期的な確認、あらかじめ損切りラインを設定しておくことなどが重要になってきます。
信用取引はしっかりと理解してからおこなおう
ここまで解説してきたように、株の信用取引には大きなリターンを狙えるというメリットがある反面、自己資金以上の損失が発生してしまうリスクなどがあります。
資産形成の手段として株式投資は有効ですが、リターンにばかり目を向けるのではなく、どんなリスクがあるのかもしっかりと学習しておくことで、大切な資産を守りながら資産形成に取り組むことができます。
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